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2006年3月

2006年3月31日 (金)

地方の医療は破綻する?

●医師の臨床研修の義務化により、地方の大学病院では、人手不足が深刻化している。

リンク: 若手医師、地方離れ 新研修制度で流出 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●従来、新人医師は、出身大学に残る場合が多かった。しかし、臨床研修が義務となり、一般病院での研修を希望する人が増えた。特に地方大学では、新人医師が都心へと流出している。

●臨床研修の義務化とは、新人医師が各科を回って、医師として総合的な力を育成することを目的とするものである。重要な制度であり、これまで長い間、望まれていた制度でもあった。

●ところで、昔も今も、地方の医療においては、新人医師(若手医師)は人的資源として不可欠である。地方の一般病院は、その地方の大学病院から医師を派遣してもらっている。派遣してもらえるかどうかが、院長の力量であるともいう。

●しかし、肝心の大学病院に新人医師がいない。地方の一般病院を支えるリソースは、すっかり枯渇してしまった。

●このような問題が生じることは、以前から指摘されていた。むしろ、こうした地方医療の現実があるがゆえに、臨床研修は制度として義務化されなかったのだ。その危惧が現実化しているといえるだろう。

●新人医師が都心へと流出する理由は、さまざまである。「よい病院で研修を受けたい」と思う人もいれば、「給料が高いほうがいい」という人もいるだろう。

●しかし、医療はあくまで公的なものである。たくさんの税金も投入されている。地方の医療が破綻する前に(記事では、診療科の閉鎖などすでに破綻をきたしているようだが)、早く行政が介入する必要があると思われる。ところで、これも「構造改革」の結末であるような気が……。

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2006年3月30日 (木)

延命中止問題の続報

●富山の延命中止に関する「事件」の続報。

リンク: asahi.com: 呼吸器外し 外科部長「別れの時間作ろうと」?-?社会.

●昨日から、医療の当事者である医師が発言を始めている。いろいろと気になることがある。

●同意書の問題。この場合、家族の同意はとったが、同意書はとらなかったという。医師は「書面で担保になるものをとらせていただくのはその場にはふさわしくないというか、体面が悪いというか」と述べている。

●もしも自分が患者、または家族だったらどう感じるか。ふさわしくないと感じるだろうか。(医師の年齢が50歳というのも、微妙である。)いずれにしても、いかなる場面においても、「手続き」こそ重要である。手続きを遵守しないことは、職権を乱用する始まりともなる。

●病院全体の問題。病院は自施設で起こっていた「事件」を正確に把握していないように思われる。きっかけとなった問題は、看護師長が発見し、副院長(ニュースを見た限りでは看護部長兼任?)に報告、副院長から院長への報告が行き、調査が始まったという。

●問題となっている医師も含めて、すべての人が、自分が為すべきことを真摯に行っているようにみえるのに、何かが少し、ずれている。そのずれはなぜ生じるのか。医療や医療現場にはあまり馴染まない、ある種のシステムが入り込んでいる(入り込みつつある)からではないだろうか。

●問題の端緒となった患者家族は、自分の家の前に、メディアのインタビューの発言内容を撤回し、「家族は同意していた」という文面を張り出した。その胸の内を推し量る。これでいいのだろうか。

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2006年3月29日 (水)

中国での臓器売買が禁止される?

●中国で臓器売買を禁止する規制が施行される。

リンク: 中国が臓器売買を禁止 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●中国では死刑囚の臓器を使った移植が多数行われていることで知られている。また、東南アジアを含めた移植ビジネスが行われており、海外からの患者が多数移植を受けている。日本の移植の状況とも大きな関係がある。

●このレギュレーションでは、移植ができる医療機関の基準、ドナーの同意書などが義務づけられるという。

●なお、この国会では、臓器移植法の改正案が議員立法で提出される予定。

リンク: NIKKEI NET 臓器移植法改正、対立2案を再提出・自民合同部会了承.

●詳しい内容は不明だが、本人の拒否がなければ家族の同意で臓器提供ができる案と、現行の臓器移植法の枠組みのまま提供可能な年齢を引き下げる案の2案が提出されるという。

●どのような議論が行われるか、注目です。

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2006年3月28日 (火)

魚肉でできたブタ

●魚に多く含まれる脂肪酸「オメガ3」を多く含むブタが「開発」される。

リンク: Yahoo!ニュース - 共同通信 - 「魚の脂肪」持つ豚が誕生 遺伝子改変でヘルシー?.

●遺伝子組換えとクローン技術により、米国ミズーリ大学などのチームが「開発」。「よりヘルシーな豚肉への第1歩」だそうである。

●ブタの胎児から採取した体細胞に動物に多く含まれる脂肪酸「オメガ6」を「オメガ3」に変換する遺伝子を組み込み、さらにクローン技術を使ったという。

●何だかよくわからないことになっています。そんなブタを食べる気になるかといわれると……。

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2006年3月27日 (月)

延命中止問題、生じる

●医師が末期患者の人工呼吸器が外すという「問題」が起こった。

リンク: 意思確認、不透明さ残す…富山の延命中止問題 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●人工呼吸器を外して死期を早めるという行為は、薬剤投与により死期を早めるという行為とは異なるとされている。1991年に起きた「東海大安楽死事件」の判決では、薬剤投与などによる積極的安楽死には本人の同意が要るが、人工呼吸器を外すなどという消極的安楽死では、患者本人の同意がなくても、その意思が推定できればよいとされているという。

●ただし、どのような状況であれ、医療者は一般に、「人工呼吸器を外す」という行為は行わないと聞く。人工呼吸器を装着している患者は、自分の意思を表明することができない場合が多い。たとえ家族の同意、および家族による本人の意思の表明があったとしても、それでは「不十分」だと考えるからであるという。

●今回のケースでは、本人の同意も家族の同意も、書面として残されていなかった(カルテには記載?)。

●本日のニュースでは、患者家族は「同意した覚えがない」といっている。この医師が殺人の罪を問われれば、家族は殺人を幇助した罪を問われる可能性もある。

●今回の場合、警察への通報は当然であろう。警察など第三者が関与すれば、事実関係は明らかになる。しかし、医療の問題は、事実関係だけをもとに判断することは難しいこともある。日本の「告知」の現状など、さまざまな事情も勘案する必要がある。

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2006年3月23日 (木)

魚の摂取と子どもの発達

●「(青)魚を食べると頭がよくなる」のはもはや常識だが、英国で、この常識をさらに補強する研究が発表された。

リンク: BBC NEWS | Health | Oily fish makes 'babies brainier'.

●9000人の母親と子どもに、妊娠中のオメガ3の摂取状況および、子どもの成長状況を追跡調査。妊娠中の母親で、青魚に含まれる必須脂肪酸であるオメガ3の摂取量が少ない場合、子どものIQ、運動技能スキル、社会的能力スキルが低くなったという。

●これまでの研究では、妊娠中の母親が定期的に青魚を食べると、子どもの言語能力およびコミュニケーション能力が発達することが明らかになっていた。

●この研究では、こうした問題行動のある17歳の若者のうち、14%は妊娠中の母親のオメガ3摂取が足りなかった。なお、十分な摂取をした母親では、8%に過ぎなかった。

●研究者は、「子どもの頃に社会的発達が十分でなかったり、運動コントロールが十分でない場合、成長するにつれて、社会的行動がますます不得手になる可能性がある」とも語り、妊娠中、幼児期のオメガ3の摂取不足が将来にわたって影響する可能性を示唆している。

●オメガ3の必須脂肪酸は、一般にEPA、DHAと呼ばれている。妊娠中は特に、これらを多く含む魚を摂取する必要があるが、しかしながらこれらの魚は、別の魚を食べることでオメガ3を蓄積しているわけで、したがって、水銀やダイオキシンなどの「汚染物質」も蓄積している可能性がある。

●記事では、妊娠中の女性は1週間に1回は、シャケ、マス、イワシを2切れ食べましょう、と推奨しています。適量摂取が必要です。

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2006年3月22日 (水)

母親のうつ治療は子どもに影響する

●母親のうつの治療は、子どもがうつになることを防ぐ。

リンク: Treating mom's depression may help children: study

●母親のうつを治療することにより、不安や攻撃的行動などの子どもの心理的問題を解決することに役立つ。The Journal of The American Medical Associationより。

●151人の母親を分析。薬物によりうつ病治療が成功した母親の子どものうち、1/3の子どもでは、子どもの問題行動が改善されたという。

●研究者は、この発見により、環境が子どもの精神病理に影響を及ぼすことが明らかになった、と述べています。

●さらに研究者は、「母親の寛解に関連するストレスが低下することにより、遺伝的に疾患にかかりやすい子どもの長期的な症状が反転する可能性がある」とも述べています。

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2006年3月21日 (火)

1人で運動すると身体に悪い

●1人でのジョギングは、身体に悪い影響を及ぼす。

リンク: Why jogging solo could be bad for your health | the Daily Mail.

●ラットの実験から、単独での運動はストレスレベルを上げ、新しい脳細胞の生成を阻害することが明らかに。

●米Harvard Universityの研究者は、「社会的なかかわりがない場合、一般に有益だと考えられている活動が、脳に潜在的なダメージを与える場合があることを示唆する」と述べている。

●ラットを単独で運動させる群と、仲間と運動させる群を比較したところ、前者に比べて後者では、新しい脳細胞が2倍生成されていたという。

●別の実験では、まったく運動をしないラットと単独で運動するラットを比較したところ、前者に比べて後者では、新しい脳細胞の生成量が少なかったという。

●研究者は、社会的なかかわりをもつことで、心も身体もストレス状態を緩和できると述べている。

●最近のスウェーデンの研究では、穏やかな運動は脳を刺激し、記憶と学習を促進する一方、過度な運動は逆効果をもたらすことが明らかになっている。1人で、過度な運動をすることはやめたほうがいいということのようです。

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2006年3月20日 (月)

生後1年の抗生物質が喘息の誘因

●生後1年間に抗生物質を使用すると、喘息を発症しやすい?

リンク: Early antibiotics may increase asthma risk | Reuters.com.

●カナダThe University of British Columbia in Vancouverの研究者が、これまでの7つの別の研究から、生後1年間に抗生物質を投与された人と、1~18歳の間に医師により喘息と診断された人の関係を調査した。12,082人の子ども、1,817件の喘息が含まれている。

●その結果、早期に抗生物質を投与された場合、喘息を発症する可能性は2倍にのぼった。

●また、生後1年間に抗生物質による治療が行われれば行われるほど、喘息を発症する可能性は高くなった。

●ただし、抗生物質を使ったから喘息を発症するのか、そもそも喘息を発症しやすい体質ゆえに抗生物質が必要になるのかは、よくわからない。さらなる研究が必要、と研究者はいう。

●抗生物質を過度に使用しないことも重要である。抗生物質は上気道炎や気管支炎(いわゆる「風邪」)に使用されることが多いが、こうした感染症の主たる原因は「ウイルス」である。しかし、抗生物質が効くのは、「細菌」による風邪だけだからだ。

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2006年3月17日 (金)

薬価、年度改定へ?

●2007年度以降、薬価改定が毎年行われるかもしれない。

リンク: 薬価、毎年度改定を検討 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●薬価の改定はこれまで、ほぼ2年に1度行われていた。厚労省は2007年度以降、毎年度行うことを検討している。

●医療機関が医薬品卸業者から医薬品を購入する際の金額を「市場価格」という。これは一般に、公定価格である「薬価」よりも低く設定されている。2つの価格の差が「薬価差益」であり、以前は医療機関の大きな収入源となっていた。

●薬価を毎年見直すことにより実勢価格に近づけ、薬価差益が出にくくすることが、目的である。医師会など、これまで「圧力」をかけていた団体の力は、相対的に弱体化している。この改正も案外すんなりと通るかもしれないが、一方、医療機関の経営も厳しくなりそうで、心配になります。

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高齢者の「痛み」の管理

●米国で、養護老人ホーム(ナーシングホーム)の入居者に対して、適正なペイン・コントロール(疼痛コントロール)が行われているかどうかをアセスメントするツールが考案された。

リンク: Tool may improve pain management in nursing homes - Yahoo! News.

●このツールはPain Medication Appropriateness Scale; PMAS。患者の痛みに関して看護師がアセスメントと記録を行い、それらを点数化する。

●PMASの判定基準には、疼痛のタイプ(持続性または一過性)、疼痛の程度、薬剤による疼痛緩和の程度、オピオイド使用に伴う便秘の管理、ハイリスクの薬剤の禁止、などがある。

●Hutt博士らがJournal of the American Geriatrics Society誌に発表。12施設、1104人の入居者に対してこのツールを使用したところ、平均スコアは、最高点の64%だった。「ナーシングホームにおける疼痛の薬物治療は、総じて低レベルである」と研究者は語っている。

●日本の施設では、高齢者の疼痛管理が話題になることは、非常に少ないように思われます。記事ではツールの詳細はわかりませんが、遅かれ早かれ日本でも使われるようになるかもしれません。このようなツールはほかにもあるのでしょうか?

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2006年3月16日 (木)

海外での臓器移植者数

●厚労省研究班が、海外で臓器移植を受けた患者数を発表。

リンク: 心臓・肝臓・腎臓、海外移植は453人―厚労省研究班が調査.

●患者数は少なくとも453人で、心臓が103人、肝臓199人、腎臓151人。心臓は1998年以降の全例だが、肝臓・腎臓は全例ではない。

●心臓、肝臓の移植は米国が多く、腎臓は中国とフィリピンが多い。

●日本では臓器提供者が不足しているうえ、現在の臓器移植法では小児での移植が禁じられているという現状がある。臓器移植が進むなかで、中国やフィリピンでの移植が増えている。

●東南アジアでは金銭目的の臓器売買や、死刑囚からの臓器提供が行われていることがよく知られている。こうした「非人道的な」問題に、国内の臓器移植に関する問題がリンクしている。

●臓器移植および脳死に関しては、日本は世界でも独特なスタンスをもった国である。それは文化的な問題とかかわっているが、移植技術の進歩および、交通的な利便性の進歩といった面を、総合的に考慮する時期が来ているのかもしれない。国内での臓器提供者が増えないという問題は、文化的な問題?

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2006年3月15日 (水)

PET検診はやっぱり効果ある?

●少し前に讀賣新聞が、PET検診の効果に疑問があるという記事を掲載し、当ブログでも紹介した。

リンク: ボンソワールP日誌: PET検診に効果なし?.

●この記事に対して、ニュースソースである国立がんセンターが、異論をとなえている。

リンク: PETのがん検診に関する新聞記事に対する国立がんセンターの見解について.

●国立がんセンターの言い分は、①新聞社が事前に記事をみせなかった、②PET検診を否定するような見解はとっていない、③データは中間的・予備的なものにすぎない、などである。PETの弱点のみが強調され、有用性がまったく記事になっていないことも遺憾としている。

●現在、PET検診は国立がんセンターはもちろん、多くの病院で行われている。一般的にはPETにより、微細ながんを発見できるとされている。PET検診には意味がないという記事で、各方面から大きな反響があったことが推察される。

●以下、HPから。「最後に、今回の記事に至った原因の一部は、勿論当方にもありますが、 きちんとした内容が書かれてあればこのような事態にはならなかったものと考えます。 今回のことでPET検診を受診された方や興味をおもちの方、PET検査を受けられた患者さんをはじめ、 PET検査を行う医療関係者や研究者の方々に多大なご迷惑をおかけしたことと思われます。この点大変恐縮するものであります。 今後とも、PET検診に関する研究を他の研究施設と共同して進め、国民の健康増進に本当に役立つ成果を上げたいものと考えております。」

●なお、このHPでは、がん検診の「感度」に関しても説明している。がんセンターは、讀賣新聞の記事はこの「感度」を正確に理解しないまま書いているとしている。

●しかし、この説明は非常に難しく、理解しがたいように思います。単なるエクスキューズとしてならばともかく、一般市民への説明としては不十分であるように感じます。PETの信頼性をかえって高める機会となるような「説明」は、できないものでしょうか。

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エコノミークラス症候群は機内の大気圧などが原因か

●飛行機のエコノミー症候群は、飛行機内の大気の状態が原因かもしれない。

リンク: Cabin air linked to DVT, says study.

●飛行機の機内は、地上に比べて気圧が低く、酸素レベルも低い。これがエコノミー症候群、つまり深部静脈血栓症(DVT; Deep Vein Thrombosis)と関連していると、オランダの研究者が医学誌Lancetに発表。

●DVTは、足の静脈にできた血栓が肺や脳に飛び、心発作や脳血栓などを引き起こす疾患であり、飛行機のエコノミー席など狭い場所で強制的に坐位をとり、運動をしない状態で発症するとされていた。

●これまでの研究では、飛行機に乗るとDVTのリスクは2~4倍にはねあがること、さらに、DVTは100人に1人の割合で発生し、ビジネスクラスでもエコノミークラスと同様に発生することが明らかになっている。

●飛行機に搭乗すると、十分に水分をとり、足の指を動かす運動などをすることが推奨されていますが、空気圧や酸素濃度が関連するとすれば、乗客には今のところ、なすすべのない問題であるといえます。

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添い寝で乳児が窒息

●引き続き、SIDS関連で。乳児の窒息死の原因の5割は、親などの添い寝が原因?

リンク: 乳児窒息死原因の5割、添い寝で覆いかぶさり

●1歳未満に異状死をした乳児184人のうち、睡眠中の窒息死で亡くなった47人の原因を分析した。

●親などの添い寝による「覆いかぶさり」によって、鼻や口が塞がれたり、胸部が圧迫されて窒息したとみられる例が、全体の49%だった。

●睡眠中の乳児の窒息死は、①柔らかな寝具、②うつぶせ寝、③顔を下に向かせる、④添い寝などの要因が重なって起こっている。

●乳幼児突然死症候群(SIDS)と判定されたのは、9例だった。

●研究者の高津氏は「『生後6か月以内は、仰向けに寝かせたり、添い寝をやめたりするなどの配慮が不慮の事故を回避する。けっして親子のスキンシップを否定するわけではない。添い寝のときは細心の注意を』と話している」(記事より)。

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2006年3月14日 (火)

SIDSの原因はセロトニン異常?

●乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome; SIDS)の原因は、神経伝達物質であるセロトニンの異常?

リンク: Serotonin Disturbances May Underlie SIDS - CME Teaching Brief - MedPage Today.

●SIDSは1歳未満の乳児で最も多くみられる死亡原因であるともいわれている。呼吸機能が未発達であるため、無呼吸状態に陥った場合に回復できないことが原因とされる。その誘因は、うつぶせ寝や暖めすぎであるとの見解もあるが、死亡した場合、単なる窒息との判別がしにくい。

●セロトニンとの関連は、米国University of Chicagoの研究者が、マウスの脳組織を用いた実験から発見した。今後は、何がセロトニンの異常を引き起こすのかを調査することが必要になるだろう。

●乳幼児の突然死は、うつぶせ寝のほか、子どものそばでタバコを吸わないことなどにより、発症リスクが減少することも知られている。欧米では、両親への教育などの社会教育により、突然死の発症率を抑えることにも成功している。社会的疾患という一面もあるようです。

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2006年3月13日 (月)

サリドマイドは骨髄腫に効かない

●近年、「サリドマイド」は骨髄のがんである骨髄腫の治療薬として、再び脚光を浴びているが、その効果が疑われている。

リンク: Chron.com | Drug Stops Working in Myeloma Patients.

●研究は米国University of Arkansas for Medical Sciencesのチームにより、The New England Journal of Medicineに発表された。多発性骨髄腫の患者で、十分な化学療法を行っている場合、サリドマイドを追加投与する効果はない。発症からの5年後生存率では、他の化学療法だけを行っている人と変わりがなかった(65%)。

●サリドマイドを服用すると、癌細胞は初めは減少する。他の療法では、癌細胞の減少は43%の人にみられるのに比して、サリドマイド服用では62%の人で減少がみられる。しかし、やがてサリドマイドが効かなくなると、死までの期間が短くなり、平均余命は他の療法と同程度となる。

●サリドマイドを服用した人では、致死性血栓、腸閉塞など、重篤な副作用が生じていたことが、死期が早まる原因である。

●サリドマイドはかつて、睡眠薬などとして使用されていた。妊婦が服用した場合、障害児が生まれてしまうなどの副作用があり、日本でも長い間、発売は禁止されていた。しかし、近年、骨髄腫に効果があることが認められ、再発売されたという経緯がある。

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2006年3月11日 (土)

コーヒーの飲みすぎで心臓発作

●コーヒーを飲みすぎると、心発作のリスクがあがる。

リンク: Genes May Dictate Caffeine's Dangers - Forbes.com.

●*1Fという遺伝子をもった人で1日に3杯のコーヒーを飲む人は、そうでない人に比べて、心発作のリスクが3倍以上になる。

●この遺伝子は、CYP1A2という酵素に含まれる。この酵素は代謝に関連する酵素だが、コーヒーに含まれるカフェインの代謝にもかかわる。CYP1A2には、*1Aという遺伝子をもったものもある。しかし、*1FのCYP1A2は*1Aのそれに比べて、代謝速度が遅いという特徴をもつ。

●つまり、*1FのCYP1A2では、代謝速度が遅くなることでカフェインが体内に長くとどまることにより、心発作のリスクがあがる。*1FのCYP1A2は、人口の1/3が有していると推定される。

●The Journal of American Medical Associationにカナダの研究者が発表。特に50歳以下の人ではリスクは顕著で、コーヒーをよく飲む人は飲まない人に比べてリスクは4倍となる。しかし、上記の遺伝子をもたない人では、1日に4杯のコーヒーを飲んだとしても、リスクは1%にしかならない。

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2006年3月10日 (金)

障害者自立支援法の成果主義

●障害者自立支援法に基づく障害者福祉サービスの報酬が発表された。

リンク: 障害者福祉サービスの新報酬、障害別の分類廃止

●多くの問題がありながら、圧倒的与党の数の力で通ってしまった「障害者自立支援法」。将来的に介護保険法への一本化をめざす法改正である。

●「1日8時間利用の場合、障害の程度により1万2400~1万4260円に。30日間、毎日8時間ずつ利用すれば37万2000~42万7800円となり、原則としてこの1割が、新制度で新たに徴収される利用者の負担となる。」(記事より)

●収入の機会が健常者に比べて圧倒的に少ない障害者にとって、1割負担は非常に大きな問題である。

●また、企業などへの就職支援訓練を行う「就労移行支援」にも報酬がつき、就職に成功した人が一定数以上いる場合、1日260円の加算がつくという。

●しかし、現在の社会において、障害者の就職問題は主に雇い主側の問題である。介護保険法で導入された「成果主義」が、影響しているようにも思えるが、こうした考え方が、福祉の分野に適用されることには、やはり違和感を感じる。

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2006年3月 9日 (木)

耳あかの違いは、1つの遺伝子塩基の違い

●耳垢が「ネバネバ」か「カサカサ」かの違いは、遺伝子のたった1つの塩基の違いであることが明らかに。

リンク: asahi.com: 耳あかのタイプ、1塩基の違いで決定

●長崎大学の新川氏によると、126人に対して調査を行ったところ、「カサカサ型」の88人は1人を除き「ABCC11」という遺伝子の塩基配列の特定の場所が「A(アデニン)」だったが、「ネバネバ型」の38人は「G(グアニン)」だったという。

●この遺伝子は薬剤の代謝と関連があることが知られているという。

●「ネバネバ型」はワキガとも関係があるといわれている。なお、日本などアジアでは8~9割が「カサカサ型」、欧州やアフリカでは9割以上が「ネバネバ型」だそうである。

●アジア系人種と欧州・アフリカ系人種では、薬の効き方も違うのでしょうか?

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2006年3月 8日 (水)

トヨタが社員に予防医療

●トヨタ自動車がグループの社員・家族21万人を対象に、予防医療を行うことに。「健康情報データベース」をつくり、専門施設をつくり、指導していくとのこと。

リンク: トヨタ、全社で予防医療・専門施設を新設NIKKEI NET.

●医療費抑制が目的で、すでに米国ではこうした仕組みが普及しているという。

●成人病が生活習慣病となり、予防重視へと医療政策がシフトしたときに、こうした時代が来ることは予想されていた。

●問題は、個人の健康に関する「情報」を、会社が「適切に」管理できるかということ。雇用関係のなかでは、個人は会社の意思に反する行動をとることができない要因を考慮する必要があるように思われるが、コストを下げるためならば、それも仕方がない?

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2006年3月 7日 (火)

ストレスと脳萎縮

●認知症などの脳障害の原因には、ストレスがある。ストレスはさまざまな形で身体に悪い影響を及ぼすが、その1つに認知症などの脳血管障害がある。

●ストレスホルモンが原因である脳障害では、脳のある部位が萎縮していることがわかった。

リンク: BBC NEWS | UK | Scotland | Study throws new light on brain.

●ストレスホルモンのレベルが高くなると、脳の中央にある前帯状皮質と呼ばれる部分が萎縮している。

●脳のスキャンなどで、この部分が萎縮していることがわかれば、将来アルツハイマー病などになりやすいことが予測できる、という。

●アルツハイマーやうつ病などの高齢者でよくみられる疾患は、脳の萎縮と関連があることは知られている。しかし、「この研究は、ストレスホルモンの上昇と前帯状皮質との関連を明らかにした初めての研究である」と、研究者のThe University of EdinburghのMacLullich博士はいう。

●「将来、アルツハイマーになる」と予言されるだけでは困りますが……。

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2006年3月 6日 (月)

PET検診に効果なし?

●PET検診はがんを見落とす?

リンク: PET検診、がんの85%見落とし…がんセンター調査 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●国立がんセンターの調査で、PET(Positron Emission Tomography; 陽電子放射断層撮影)によるがん検診で、85%のがんが見落とされていることがわかった。

●国立がんセンターの村松氏は「早期がんでは他の検査に比べ検出率が低かった」と述べている。

●「民間医療機関のがん検診では、がんのうちPETで検出されたのは64%、48%などのデータがある。国立がんセンターの超音波、CTなどを併用した検診では、がん発見率は一般の医療機関に比べ高いため、相対的にPETでの発見率が低下した可能性がある。」(記事より) がん検診を受けるならば、がんセンターで受けたほうがいいということでしょうか。

●なお、国立がんセンターでがん検診を受ける場合、男性では総合検診が99,750円、PET付きだと189,000円、女性では総合検診が136,500円、PET付きで225,750円だそうです。国立がんセンター検診のページ。http://www.ncc.go.jp/jp/kenshin/tokucho.html

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2006年3月 3日 (金)

ストレス、血小板、心発作

●ストレスが心発作の原因になることは広く知られているが、そのメカニズムが明らかに。

リンク: BBC NEWS | Health | How stress triggers heart attack.

●これまで、情緒的なストレスによって心発作が引き起こされると考えられてきた。このメカニズムは、ある種の人々におけるストレスへの反応方法に関連があると考えられてきた。

●The University College Londonの研究によると、ストレスレベルが上がると、血圧、脈拍、心拍出量がいずれも上昇する。また、特に血圧上昇に感受性の高い患者グループでは、通常のレベルに戻るのに時間がかかる。

●重要なことは、このグループでは血中の血小板のレベルも上がっているということである。

●心発作時、血管壁が破れると血小板が集まり、破れた場所を補修するために働く。しかし、逆に血小板は、心臓から拍出される血流を邪魔する原因にもなっている。これが、ストレスが心発作を起こす生物学的な原因であるというのだ。

●自分にとって何がストレスになるのかを認識して、そうした状況にどのように対処するかを考えておくことが大切、とのことです。

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リウマチとリンパ腫の関連性

リンク: Link between rheumatoid arthritis and cancer examined.

●これまで多くの研究で、関節リウマチがリンパ系の癌のリスクを増加させることは報告されていた。

●しかし、関節リウマチがリンパ腫にどのように関係しているかを明確に説明する研究はなかった。さらにいえば、リウマチそのものがリンパ腫を発症しやすくなる原因なのか、それともリウマチに特有な治療が原因なのかがわからなかったのだ。

●スウェーデンのKlareskog博士が75,000人のリウマチ患者と、悪性リンパ腫を罹患した378人のリウマチ患者の医療記録などを用いて、この関係を明らかにする大規模調査を行った。

●結果は、重症のリウマチで、重篤で長期にわたる炎症があり、治療を受けていない患者では、リンパ腫のリスクが高くなることがわかった。

●つまり、リウマチそのものがリンパ腫の原因となるらしい。詳しくはリンク先をごらんいただきたいが、博士は「リウマチには積極的な治療を行って炎症を抑えるほうが、リンパ腫になるリスクは低くなる」と言っている。

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2006年3月 2日 (木)

楽観的だと長生き

●楽観的な人は、心臓疾患にかかりにくく、長生きする。Reuterより。

リンク: Want to live longer? Think positive thoughts.

●楽観的な人は、心臓疾患による死が約50%低くなるという研究結果が発表された。

●これまでの研究で、楽観的であることは健康を全体的に押し上げ、あらゆる原因による死のリスクを減らすことが知られていた。この結果を、さらに詳しく分析したものとして注目される。

●ソースはThe Archives of Internal Medicine。オランダ人の64~84歳男性545人を対象にして、「楽観度」を0~3までで数値化する方法で測定した。楽観度が高い人は、「若さがある」「教育水準が高い」「他者と暮らしている」「健康である」「身体的な活動を行っている」といった特徴がみられという。

●しかし、この方法による楽観度の測定値は、1985年が1.5だったのに対して、2000年は1.3。オランダでも、楽天的な人は少なくなっているんですね。

●楽観的だと長生きするというのは、当然ですね。実感があります。しかし、たとえ短命でも楽観的であれば、幸せに人生を送れる(終われる?)ような気がします。楽観的に行きたいものです。

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未熟児と精神疾患

●未熟児として生まれた人、特に女性は、不安や引きこもりになりやすく、抑うつになりやすいという記事。

リンク: BBC NEWS | Health | Prematurity 'affects personality'.

●The American Journal PediatricsをソースにBBCより。妊娠33週以前に生まれ、現在18~19歳になる108人の人を対象に質問による調査を行った。

●結果は、同年代の人に比べて、未熟児として生まれた人は「外向性」の性格をもつ割合が低く、また「神経症的」な性格をもつ割合が高いというものだった。また、特に女性ではその影響が強く現われていたという。

●研究者は、この結果は未熟児として生まれることが、抑うつや不安症などを引き起こす可能性があることを示唆するとしているが、その因果関係には触れていない。

●BBCが研究者のAllin博士にインタビューしたところ、Allin博士はその関連性として、①感染などに起因する脳へのダメージ、②保育器の成育により親との愛着が難しくなること、③遺伝的な問題、を挙げている。

●未熟児の支援を行っている団体のスポークスマンは、これらの要因に加えて、「集中ケアなど高度に侵襲的な事柄に起因する、心理的な外傷の影響もあるのではないか」と述べている。

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2006年3月 1日 (水)

イレッサ、喫煙者には効果なし

●「イレッサ」はタバコを吸わない人に延命効果がある。

リンク: 抗がん剤イレッサ、非喫煙者の延命効果は喫煙者の3倍 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●肺がん治療薬イレッサは、間質性肺炎など重篤な肺炎を副作用として引き起こす可能性があることで問題になったが、ある種の肺がん患者には非常に効果的な薬であることが知られている。

●報告によると、イレッサによる延命効果は、細胞の増殖などを制御する遺伝子L858Rの変異があるかどうかにかかっている。

●この遺伝子は、喫煙により変異する。したがって、イレッサはタバコを吸う人には効果がない。延命効果については、タバコを吸わない人に比べて吸う人は、1/3の期間になってしまう。

●しかし肺がんは、喫煙者に多いがんであることが知られている。喫煙者に延命効果がないとなると……。

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緑茶がアルツハイマーを予防?

●緑茶を飲むと認知症やアルツハイマーなどの認知障害のリスクが減る。緑茶の成分が、脳細胞が傷害されるのを防ぐという研究もある。

リンク: Green tea may protect the aging brain - Yahoo! News.

●東北大学の栗山博士の研究で、70歳以上の1,003人への調査から。1日に2杯以上緑茶を飲む高齢者は、1週に3杯以下しか緑茶を飲まない高齢者に比べて、認知障害を呈すリスクが約50%減少するという。

●ただし、この研究では栄養全般、喫煙、運動といった要因も考慮していて、コントロールされた研究ではない。したがって、緑茶と認知障害が真にどのような関係にあるのかは、確定的ではない。

●運動すれば水分摂取量が増え、結果として緑茶を多く飲むことにつながることもある。研究者は、緑茶の効果を確定するには、さらなる研究が必要と語っている。

●緑茶、特に玉露は非常にうまいと思うし、成分が凝縮されている感じが身体によい気がする。ぜひ身体によいものであってほしい、これは日本人としてのひいき目かもしれませんが。もっとも普段はコーヒーを飲んでいます。

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