英国の看護師、怒る
●英国の看護師が、政府とたたかっている。
リンク: Nurses wish Hewitt the very best of luck . . . in her next job - Health - Times Online.
●事の発端は、英国の医療制度(NHS)改革である。英国の医療制度は基本的にすべて国立であるが、他の先進国と同じく、医療費の増大とサービスの低下という問題を抱えている。
●ここ数年でNHS改革が進められてきたが、先日英国ブレア政権は、医療費削減を目的に、医療従事者をレイオフするという政策を打ち出した。
●試算によると、看護師だけで8000~12000人の首をきることになるという。これに猛反発しているのが、英国看護協会(The Royal College of Nursing)である。
●先日、英国の保健相ヒューイット氏が英国看護協会で講演を行ったところ、罵声と足で床を踏み鳴らす抗議の音で、講演がたびたびストップしたという。その数日前には、医療従事者の労働組合で講演をして、同様の仕打ちを受けている。(なお、ヒューイット氏は女性であるが、看護師ではない。)
●英国看護協会の講演中では、聴取者から「Keep Nurses Working -- Keep Patients Safe(看護師に職場を、患者に安全を)」という大合唱が起こったという。
●医療費の削減の必要性があることは、どこの国も同じであるが、興味深いのは、英国看護協会のプロテストの姿勢である。一言でいえば、アツい。さすが労働組合発祥の地、英国である。
●医療は公的サービスであり、公的サービスゆえに、公的な財政の問題と切り離すことができない。しかし現在、世界的にみると公的な財政に関する議論には、市場原理主義的なキャピタリズムの要素が紛れ込む傾向がある。
●この記事は、そうした世界の趨勢に、現場で働く人間がどう対処すべきかということを、考えさせてくれる。英国の看護師は、「自分の仕事に課せられた義務、行使すべき権利は、自分で守る」という姿勢を貫いているようにみえる。
●大きな流れに抵抗する端緒は、「1人ひとりが頑張る」ことにあるのだ。政治力とは、職能団体が国会議員を送り込むことであると誤解してはならないと思う。
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