●薬によるC型肝炎の感染に、国の責任が認められた。
リンク: 薬害肝炎、国・企業に責任…大阪訴訟判決 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).
●昨日からのニュースでも大きくとり上げられたように、C型肝炎訴訟で大阪地裁は、国の責任を認めた。
●C型肝炎は輸血や、血液からつくられる薬から感染するが、現在ではスクリーニングが発達し、新たな感染者はほとんどないといわれる。C型肝炎ウイルスの存在とその危険性が知られていなかった、あるいは公表されていなかったころに輸血や薬剤を投与された人で、現在C型肝炎にかかっている人は、150万人以上にのぼるといわれている。
●今回の判決では、製薬会社については製造方法に問題があったとして過失を認めた(当然である。いまだに開き直っている姿には、疑問を感じる)。
●国については、青森県で集団感染があったあとも、安全性を確保するための規制策をとらなかったとして、過失を認めた。
●先日には、B型肝炎の感染に関しても、国の過失が最高裁で認められている。B・C型肝炎をあわせた罹患者は、300~350万人ともいわれる。
●B型肝炎は、予防接種の注射器を「回し打ち」したことが主な原因であり、C型肝炎は、危険な血液製剤(や血液)を放置したことが原因である。こうした問題は、顕在化するかなり前から、外国では(そして日本でも)その危険性が認識されていた。この構図は、HIV感染した血液に由来する血液製剤によって生じた薬害エイズ問題や、治療法が確立していながら隔離政策を続けたハンセン病問題によく似ている。
●厚生行政の責任は、国民が安全な医療・福祉を受けられることにある。しかし、こうした問題からみえてくる厚生行政は、ひとことでいえば、「怠慢」である。
●情報入手に(今と比べれば格段の)制約はあったにしても、役人には諸外国の情報をしっかりと入手し、生かす義務があった。しかし、それは結果として、行われなかった。最終的な判断(=責任)は「権威ある」数人の医師に任せて、リスクを最小限に抑えるような政策を行わなかったからである。
●現代は、外国の情報が簡単に入手できる時代である。新しい薬剤の危険性が発見されても、外国の情報がリアルタイムで入ってくるし、厚生労働省の対応も早い。以前と比べれば、薬の消費者である私たちの安全性は高まっているだろう。
●しかしそれは、医療や厚生行政を取り巻く環境が変わっただけかもしれない。よく言われたことだが、役人のなかには、何か問題があっても、自分の勤めている間さえ無事に過ごせればいい、という姿勢の人もいるという。
●まさかそんな人が、現代の厚生行政にかかわる公務員にいるはずはないと思う。しかし、年金や医療費で信頼のおけない試算を繰り返す厚労省や、不正が日常化していた社会保険庁などをみると、そういった仕事の伝統はなお、受け継がれているのでは、と思ってしまう。
●いずれにしても、これから300万人を超える肝炎患者の救済措置が始まる。救済は絶対に必要である。しかし、救済のための特別な予算を組むのか、それともギリギリの社会保障費をさらに削ってお金をつくるのか、その内容を厳しくみていく必要があるかもしれません。
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