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2006年10月

2006年10月31日 (火)

血液検査でアルツハイマー病がわかるかも

●アルツハイマー病が血液検査でわかるようになるかもしれない。

リンク: BBC NEWS | Health | Hope for Alzheimer's blood test.

●英国の研究者が、アルツハイマー病患者と健康は人では、血液中の2つのタンパク質レベルが変わっていることを発見した。

●アルツハイマー病患者に特有なタンパク質レベルを血液検査で測定することで、アルツハイマー病の早期発見・早期治癒が可能になると、期待されている。

●研究者は、研究はなお初期段階にあり、さらなる研究が必要であるといっている。アルツハイマー病の検査としては、記憶力テストや画像検査などが一般的に行われている。脊髄液を採取して、タウ蛋白を測定する方法もある。記憶力テストや画像検査は比較的安全であるが、血液検査と脊髄液採取を比べれば、血液検査が非常に簡便かつ安全であることはいうまでもありません。

●アルツハイマーの治療には、行動療法のほか薬物療法も行なわれていますが、進行を止めるには「脳を刺激する」ことが有効であるとされています。自宅に閉じこもってテレビばかりみていると、確実にぼけてしまうようですよ。

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2006年10月30日 (月)

ロボットスーツ、医療現場で実用化へ

●ロボットスーツが医療分野で実用化される。

リンク: 筑波大開発のロボットスーツ実用化へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●筑波大学が開発した手足の力を増強するロボットスーツ「HAL」が、実用化されることになった。

●「HAL」は、装着した人が筋肉を動かすときに出る微弱な電気を感知し、身体の動きに合わせてモーターも動く。女性や非力な人でも重いものを持ち上げたり背負ったりできるという優れもの。

●さまざまな労働現場での活用が期待されているが、特に足のリハビリテーションや介護現場への導入が期待されている。

●当面は年20程度の生産体制を敷き、2008年には年間400~500体に生産ラインを拡充するという。

●値段は医療機関向けには500~700万円になるが、個人向けにはレンタル料(7万円/月)と維持費だけになる予定。来月には、つくば市内の病院に第1号が納品されるそうです。

●以前テレビでこのロボットスーツをみたとき、軽い感動を覚えました。ロボットの実用化はなかなか難しいものですが、身体の一部の機能を代替・増強するという限定的な方向性が、実用化を早めているように思います。素晴らしい発明! ぜひ体験してみたいものです。

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2006年10月27日 (金)

顔面移植、記憶なくしても帰れる理由、ツボの世界基準

●英国で、顔面全体を移植する手術が行われる見通し。

リンク: 顔面全体を移植へ…世界初 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●当ブログで追っている(?)顔面移植のニュース、おそらく世界で3件目です。

●本人や周囲への心理的ケアが必要になるのでは、といわれていますが、中身は以前と同じ人なのに、顔はまったくの別人というのは、かなりおもしろいです。自分がものすごく男前の顔になったらとか、逆に女性になったらとか、考えてしまいました。

●今日はめずらしく、おもしろいニュースがいろいろとありました。

リンク: “記憶なくても家に帰れた”、道順記憶の脳内ナビ : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●道順を記憶している脳の神経細胞があることが明らかに。酒を飲みすぎて記憶をなくしたが、ちゃんと自宅に帰っていたという能力は、どうもこの神経細胞のおかげらしい。

●ニホンザルを対象に研究を行ったところ、特定の行き先を目指しているときなどだけに活動する神経細胞が、頭頂葉内側部にあることがわかったという。

●記憶をなくしても家に帰れた場合など、「いや~、身体が覚えているんだね」なんて言っていましたが、脳が覚えていました。

リンク: ツボに世界基準…はり・きゅう、日中韓で食い違い : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●日中韓で異なるツボの位置が、国際的に統一されることに。WHOが統一基準を決定する。

●WHOは1989年に361のツボの名称を統一したそうですが、当初位置が食い違っていた92のツボは、その後の検討で6か所になったそう。これらを統一するのだそうです。

●読売新聞から三連発でした。

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医薬品事故防止に、医薬品のすべての包装にバーコード表示

●医薬品事故を防止する包装容器ごとのバーコード表示が、08年9月から実施される。

リンク: 医薬品事故防止:包装容器ごとにバーコード表示 厚労省-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●厚労省は、医療用医薬品の情報について、包装容器ごとにバーコード表示することを決めた。販売名や包装などのルール化を図ってきたが、目視には限界があるとして、看護師や薬剤師から患者に渡る際に、機械によるチェックをすることにした。

●病院によっては、独自のバーコードを貼付して、事故防止を図っているところもありますが、行政レベルで対応したほうがいいことは当然です。端末を購入するなどの問題はあるでしょうが、医療安全には確実につながると思われます。

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2006年10月26日 (木)

療養病床の削減で、4万人が介護難民になる

●医療制度改革に伴う「療養病床」の削減により、4万人が介護難民になる。

リンク: 医療制度改革:「4万人、介護難民に」 療養病床削減、行き場なく--日医調査-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●慢性疾患患者向けの病棟である療養病床は、医療制度改革により、2012年度までに現在の38万床から15万床へと減らされることになっている。この削減により、医療の必要度が低い患者の4割にあたる4万人は退院後の行き場がなくなり、「介護難民」化すると日本医師会が指摘。6186の医療機関を対象に調査を行った(有効回答は2870)。

●すでに本年から、療養病床の医療区分(医療の必要度の多寡により、患者を1~3に区分けすること)が行われていて、最も必要度の低い「医療区分1」の患者については、医療機関の収入が最大5割程度減る診療報酬体系に変わっている。

●2870医療機関の入院患者のうち、医療区分1は全体の42.1%にあたる2万9392人で、このうち63.4%は病状が安定していて退院可能だったが、その9割が自宅での受け入れが困難だったり、施設入居待ち状態だった。日本医師会は、全国で区分1の患者は10万人いるとみられるが、このうちの4割は退院後の行き場がないと結論づけている。

●厚労省は、制度が固まるまでに退院後の行き先は整備すると言っている。「まず制度を変えよう。そうすれば現場は後から付いてくる」という発想が、介護保険が始まって以来の厚労省のやり方である。このやり方は「効率的」ではあるが、一方、患者を含む関係者に大きな不安を与える「場当たり的な」ものであるといえる。

●医療から介護へとサービスをシフトすることが、医療制度改革の大きな柱ですが、実態としては、「あちら」から「こちら」へとパイを移動させているだけという印象も否めません。利用者の負担は重くなるが、サービスは少なくなる―こんな改革を誰が支持するのかと思いますが、何か大きな変化がない限り、歯止めはかからないのかもしれません。

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2006年10月25日 (水)

障害者自立支援法が利用者にもたらした影響は、極めて低い?

●障害者自立支援法施行による障害者の施設利用の影響は、極めて低い?

リンク: 障害者の0.39%が施設利用中止 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

●.厚労省は、障害者自立支援法による自己負担増を理由に、通所・入所施設の利用をやめた障害者の割合が、平均で0.39%と極めて低かったと発表した。

●調査は14府県を対象に個別に行われ、それらを厚労省がまとめた。通所日数を減らすなどの利用控えが0.6~2.0%起こっているが、「極めて低い水準」であると総括している。

●障害者自立支援法により、利用者はサービス利用料の原則1割を自己負担することになった。利用者はサービスの利用を控えることが懸念されていたが、数字だけみれば、その懸念はあたらなかったということになるだろう。

●障害者団体の1つ「きょうされん」はこの結果を、「法施行前に利用をやめた人も多く、実際はもっと多いはずだ」と批判している。

●この結果をどうみるか、どこまで信頼するかが問題になります。ソースが手元にないので詳しくはわかりませんが、記事を読んだ限りでは、行政の底意地の悪さを感じます。単に数字を示しているだけなのに…。近年の厚労省関連の行政「改革」は、突き詰めれば、いかに節約するかということ。その視点からみれば、この結果は極めて素晴らしいのかもしれませんが、実態を正しく把握していないのではないかという疑念がわきます。

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2006年10月24日 (火)

緑黄色野菜を食べると記憶力がよくなる

●緑黄色野菜を食べると、記憶力がよくなる。

リンク: Vegetables slow memory loss in old age: study?|?Health?|?Reuters.com.

●米国の研究者が発表。65以上の高齢者で、1日に野菜をほとんど食べない人に比べて野菜を食べる人では、記憶力や精神的能力の低下が緩やかだったという。

●3718人の65歳以上の高齢者を調査。効果的な野菜はレタスやホウレンソウ、カボチャなどの緑黄色野菜だった。

●なお、果物に記憶力を保持・回復させる能力はみられなかったというが、ベリー類には記憶力などの脳機能を改善させる働きがあることがわかっている。

●研究者はさらに、ドレッシングやマヨネーズなど脂質を含む食品と野菜をいっしょに摂取すると、ビタミンEの吸収を助けるため、記憶力やアルツハイマーのリスクを下げることができるといっています。

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2006年10月23日 (月)

医師が文章を書く練習をすると、患者への応対がよくなる

●医師が文章を書く能力を磨くと、ベッドサイドのマナーが改善する。

リンク: Creative writing may make doctors better?|?Health?|?Reuters.com.

●多くの欧米の大学やカルチャースクールなどでは、文章を書くスキル(クリエイティブ・ライティング・スキル)を学ぶコースがある。研修医を対象にした研究で、そのコースを利用することで、患者への応対などベッドサイドのマナーがよくなることが明らかになった。

●米国の研究者が発表。15人の研修医を対象に、文章を書くスキル、「ナラティブ」のスキルのワークショップを行ったところ、「患者に対する観察力が増すとともに、自分自身および他者に関する理解が深まる」効果がみられたという。

●研究者によるとこの効果は、研修医が患者の感情や経験に単に思いをめぐらすだけでなく、それらを書き記したことから生じたのだ、と結論付けている。

●研究者は、この方法によって、「疾患の向こうにある患者自身に対して関心をもつこと」を促すことができる、と語っています。ナラティブ・アプローチという方法は、医療や福祉におけるクライエントへのアプローチ方法として、大きな注目を集めています。そのわりには、教育課程にはあまり導入されていないのが現状のようです。

●その原因として、わが国ではなお、ナラティブ・アプローチの方法論が明確化されていないことがあります。そもそもわが国には、「文章を書く」ということに、明確な方法論があるという意識がほとんどないように思われます。私の子どもの頃は、文章をうまく書きたかったら、ひたすら作文を書けと教えられました。今の学校教育では、新しい学習法があるのでしょうか?

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2006年10月20日 (金)

国民の90%以上が不健康?

●厚労省が定めた検査基準値に従うと、男性の98%、女性の92%が「不健康」になる。

リンク: 男98%、女92%が「不健康」…08年度導入の新基準で判定なら : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)が、心臓病や脳卒中などの原因になるとして、厚労省は2008年より、40~74歳の加入者に保健指導を行うことを義務づけている。この基準値として、本年6月に空腹時血糖100、中性脂肪150、最高血圧130などを設定したが、この数値に基づくと、1項目でも基準値以上となる人は、男性の98%、女性の92%にも達することが明らかになった。

●研究者は、本来健康的な人まで異常と判定され、健康不安を助長する恐れがある、と指摘している。

●医学では「病気をみて人をみない」という風潮を改善するために、医学教育をはじめとするさまざまな取り組みが行われています。厚労省の数値は、「数字をみて人をみない」ものです。また、健康不安をあおることで、どんな影響が生じるかについても推測する必要があるかもしれません。エクササイズにも薬にも、お金がかかります。

リンク: 「健康日本21」目標達成 危うい : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●厚労省は2000年に、国民の健康保持を目的とした「健康日本21」を発表しています。生活習慣病などの予防医療を重視した政策で、目標数値を決め、10年度をめどに達成を目指していましたが、肥満、運動習慣などで、当初より数値が下回っていることが明らかになりました。

●この2つの記事は、関連があるかもしれません。思ったとおりにならなかったので、単純に制約をきつくしたようにみえます。お役所仕事?

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2006年10月19日 (木)

ヨーグルト(発酵乳)にはアレルギー抑制効果がある?

●ヨーグルトに含まれる成分には、幼児の食物アレルギーを防ぐ働きがある。

リンク: BBC NEWS | Health | Fermented milk 'cuts allergies'.

●発酵乳の一種であるケフィア(東欧でつくられている発酵乳=ヨーグルト)には、アレルギー反応を抑制する成分が含まれている。

●食物アレルギーは原則的に、アレルギーを引き起こす物質を摂取しないことが重要であるが、ケフィアを摂取することで、アレルギーの抗体の1つであるIgEを阻害することができるという。IgEは、病気を引き起こすメカニズムを不活化する免疫反応にかかわっているが、アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)が存在すると、細胞にヒスタミン放出の命令を出し、その結果、気道などに炎症を生じる。

●実験では、発酵乳をマウスに与えると、卵白アルブミンに特異的なIgEが減少した。卵白アルブミンは、幼児のほとんどのアレルギーの原因となるタンパク質である。

●研究者は、ケフィアに含まれる何らかの成分(バクテリアか生物活性ペプチド)が含まれていて、将来的に医薬品に転用できるのでは、と期待している。

●別の研究者は、その効果を確定するにはさらなる研究が必要であると述べていますが、ほぼ毎日ヨーグルトを摂取している立場からすると、よきニュースであります。

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2006年10月18日 (水)

インドで新たな性教育が始まる

●HIV感染が深刻なインドで、子どもたちの学校のカリキュラムに、HIV予防と薬物中毒に関する内容が組み込まれることになった。

リンク: Indian kids to get sex, drugs lessons: report - Yahoo! News.

●インドは世界で最もHIV感染者が多い国であり、国連によれば570万人の感染者が存在する。しかし、HIV感染者に対する差別が厳しいこともあり、専門家のなかには、実際にはこれをはるかに凌駕する感染者がいるとする者もいる。

●HIV感染を防止するカギは、教育にある。一般的に性やドラッグを教育している国では、HIV感染は減少するといわれ、一時深刻な状態だったタイでも、感染者は減少している。なお、日本ではHIV感染者、AIDS発症者ともに、数は少ないものの、増加している。先進国でなお増加しているのは、日本だけである。

●インドの場合、アフリカ諸国と比較すると感染率は低いが、人口の多さが感染者数を押し上げている。いずれにしても、保守的な国であるインドで、革新的な教育がどのような成果に結びつくか、その答えが出るのは数年後、数十年後であるといえます。

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2006年10月17日 (火)

介護士不足とフィリピンからの医療福祉職の受け入れ

●介護士養成学校が定員割れ続出で、募集停止をしている。

リンク: 介護士養成校が募集停止  定員割れ続出で.

政府は将来的に、ホームヘルパーを介護福祉士に統一する方針を示しているが、厚労省の調査では、2004年時点で専門学校の7割で定員割れがあり、このうち約半分では学生さんは定員の8割以下しか集まらなかったという(にもかかわらず、今なお養成課程は増加している)。

●定員割れの原因は、学校数(養成課程)が増えすぎたことと、少子化の影響であるというが、介護職は「なりたい人」も少ないが、介護職自体も不足しているのが現状で、介護職の確保は、都市部、地方を問わず、年々難しくなっていると聞く。

●先日、政府はフィリピンからの看護師、介護士の受け入れを認めることになった。医療福祉分野での人手不足を解消することがねらいだが、それぞれの職能団体は、専門職としての質が下がるとして、なお反対の姿勢をみせている。政府は質の担保として、日本で数年にわたって専門教育と語学教育を行うとしている。国内に人がいなければ、海外の人を頼らなければならないのは、自然の流れといわざるをえない。

●海外からの医療福祉職の受け入れは、欧米先進国では一般的である。ただし、ヨーロッパに多くの看護師を供給しているアフリカの発展途上国では、極度の看護師不足に陥っているケースもあると聞く。これまで医療福祉職というリソースは、国内で取り合えばよかったのだが、これからは世界規模での「ぶんどり合い」が必要になる。人はこれを「グローバル化」というのだろうが、その根底にあるのは、富む者は貧しい者から、より搾取するという仕組みなのかもしれない。

●なお、フィリピンの介護福祉士や看護師を受け入れた場合、「日本語でのコミュニケーション」が一番の問題になるといわれていますが、おそらくこれは、それほどのことではないように思います。人間は「言葉」が不自由ならば、他の手段でコミュニケーションを補うものです。日本人だから日本語が「不自由ない」と考えるほうが、かえって過ちを犯すかもしれません。

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2006年10月16日 (月)

母親による代理出産が行われた

●長野の病院で、娘の受精卵を用いて母親が代理出産した。

リンク: 「孫」代理出産:院長「娘への愛」強調 還暦目前、母体に危険も-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●以下引用。「根津院長は15日午前の会見で、娘が子宮の摘出手術を受ける際、母親が「私が産んであげるから手術を受けなさい」と励ました経緯を紹介した。母親が「孫」を出産した異例の事態にも「奇異だが違和感だけで否定してはいけない。家族も了解し、問題ない」と強調。今回公表した理由について、「代理出産で生まれたタレントの向井亜紀さん夫妻の双子を実子とした東京高裁決定を不服とし、東京都品川区が最高裁に抗告したことに憤りを感じた」と説明した。」

●母親による代理出産は海外でもあまり例がなく、たとえば英国BBCでもこのニュースを伝えている。

リンク: BBC NEWS | Asia-Pacific | Woman gives birth to grandchild.

●最近のニュースをみると、「向井亜紀さん夫妻」の代理出産は、かなり好意的にみられているという印象をもつ。わが国の最近の風潮だが、既成事実ができ、それを追認してしまう。これはあまりに安易な態度である。

●個人的には、「向井亜紀さん夫妻」の問題を、子どもの福祉や親子の倫理の次元で語れるのかということについても、疑問をもっている。政府(品川区)が単純に法律に基づいて抗告したことは、まったく妥当だろう。

●「向井亜紀さん夫妻」が、自分の子どもたちを「自分の」子どもたちとしてどうしても認めてほしければ、法律を変えるしかないだろう。法律はどうしたら変わるか。以前には特殊だった事例が一般化する必要があるだろうが、代理出産はなお一般的な事例ではない。現状は、代理出産も可能な「医療技術」が開発され、それが特定の「選ばれた人たち」(BBCでは「セレブリティ」と表現している)に適用されているだけである(それでもなお、法律を変えたければ、自らが国会議員となって議員立法を目指すしかないだろう)。

●母親による代理出産も同様である。進歩した医療技術を、特殊な医師が特殊な事例に適用しただけである。根津医師は、母親による代理出産に「違和感だけで否定してはいけない」と述べている。しかし、問題は違和感という感覚の問題ではなく、論理と理屈の問題である。この医師は、自分が人の生死を「操作」できる立場にあることを自認している。そうした立場として、現状認識がまったく甘いといわざるをえないだろう。

●理論的に「できる」ことが、現実的にも「できる」わけではない。「現実的にできた。だから認めろ」というのは、ほとんどヤ●ザまがいか、ノースコリアの論理である。子どもの問題だから、親子の問題だから、特例としても認めるという理屈は、いったいどこから出てくるのだろう。

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2006年10月13日 (金)

不審な腎移植が多発していた?

●読売新聞の調査によると、腎移植を行った病院の2割に、提供者に不審な点がみられた。

リンク: 腎移植、病院の2割が提供者に疑問…読売調査.

●回答施設の2割以上が、親族でない人からの提供打診や金銭授受の可能性、心理的圧力といったケースがあり、移植をしなかった経験があると回答している。

●また、4割の施設はこれらを防止する策を講じているが、ほとんど対策をしていない施設も4割にのぼった。調査は腎移植を過去に行った施設で、現在も実施可能な施設の8割以上に行われている。そのうち2割に怪しいケースがみられたというのは、不正な臓器移植(臓器売買)の広がりが予想以上であるといってもいいだろう。

●記事では、非親族からの移植の打診には、会社の上司や社長の妻が部下から提供を受けるというものであったり、ヤミ金融関係者など金銭が絡むケース、偽装結婚、偽装親族もあったという。悪質です。

●この状況を受けて、厚生労働省が生体移植に関する指針を策定する。

リンク: 生体移植に指針 厚労省、年内めど策定.

●臓器移植法の運用指針に、生体移植の規定を加える形になる模様。本人確認の徹底や、施設内の承認制度などが明示されることになると思われますが、もはや事態(実態)は学会レベルでは対処しきれないというところにきています。法律が整備されたほうが、現場の医療者も安心してサービスを提供できることは、間違いありません。

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2006年10月12日 (木)

片側だけのリハビリの効果は低い?

●運動や楽器演奏など、同時に両腕を動かすことを学習する場合、片腕ずつ練習しても上達が見込めないことが明らかに。

リンク: Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <上達のカギ>片腕より両腕で 運動、楽器など.

●つまり、運動の練習やリハビリテーションでは、片側だけではなく、両側で行う必要がある。

●研究チームは、片腕だけを動かして覚える場合と、両腕を動かして覚える場合では脳の働き方が違うと分析している。

●日本と米国の研究チームが発表。日本の研究者は、片腕ずつ練習するにしても、他方の腕を動かしているイメージを常に持ち続けると効果的、と話しています。

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2006年10月11日 (水)

フランスでもバーやレストランで喫煙できなくなる

●フランスでも、パブリックスペースでの喫煙ができなくなる。

リンク: BBC NEWS | Europe | France to ban smoking in public

●米国ニューヨークやアイルランドなどではレストランやバーなどでの喫煙が認められていないが、来年2月からフランスでもこういったスペースでの喫煙が認められないことになった。

●フランスでは、受動喫煙で1日に13人が死亡している(タバコに関連する死者が6万人、受動喫煙での死者が5000人)。

●ただし、通りやホテルなどの部屋での喫煙はOK。フランスでの世論調査によると、この政策を70%の人が支持している。

●個人的には、フランス人とタバコは切り離せないイメージがありますが、これは100%フランス映画の影響です(JPベルモントにジャン・ギャバン)。受動喫煙の害は明らかになっています。同様の措置は、早晩日本でも避けられないと思われます。

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2006年10月10日 (火)

バイアグラは睡眠時無呼吸を悪化させる

●バイアグラの服用で睡眠時無呼吸が悪化する。

リンク: Viagra may aggravate severe apnea - Yahoo! News.

●米国の研究者が発表。バイアグラ(一般名シルデナフィル)は、勃起障害の薬物として有名で、一酸化窒素の作用を遷延させる機能がある。しかし、これにより上気道が充血し、気道が圧迫されて睡眠時無呼吸が引き起こされるというわけである。

●研究は14人を対象にしたもので、規模からいってもすべての睡眠時無呼吸患者に該当するものではない。しかし、研究者は「睡眠に関連する呼吸障害がある患者では、バイアグラの服用は十分に配慮すべきである」といっています。

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2006年10月 9日 (月)

がん化学療法で、記憶力が低下する理由

●化学療法によって、記憶にかかわる脳の一部に変化がみられることが明らかに。

リンク: BBC NEWS | Health | Chemo makes brain 'work' harder.

●乳がんで5~10年にわたって化学療法を受けている女性に対して記憶テストを行ったところ、その能力に低下がみられた。研究者は、なぜがんの生存者(がんサバイバー)が記憶、混乱、注意力散漫といった問題を抱えるのかを解く鍵になるのでは、と言っている。

●米国の研究者が、5名の化学療法経験者を含む16名の女性に対して、PETを用いて脳の部位の変化を調べた。化学療法経験者では、短期記憶のテストの間に得られた画像で、前頭葉での血流が顕著に増加した。これは、脳の活動が活発であることを示しているが、一方、脳が糖を代謝してエネルギーにする活動性(脳代謝)は低下していることが示された。

●このことは、化学療法を受けた女性の脳は、同じ情報を想起するためにコントロール群よりも多く働いているが、そのエネルギーの供給が足りないことを示している。

●この機序が、がんの患者でみられる混乱、注意力低下といった問題を引き起こす原因となっているのではないか、というわけである。

●この研究ではさらに、抗がん剤の1つであるタモキシフェンを投与された患者では、思考や行動にかかわる脳の部位における代謝が、顕著に低下することが示されている。

●ただし、この記事はその結論に異論をとなえている。記事に登場する医師によれば、英国では、がんサバイバーの女性で記憶や注意力に問題を抱える女性は、ほとんどいないと指摘している。また別の医師は、PETで得られた画像が異なるのはさまざまな理由があって、がん治療とは分けて考えるべきだ、と述べている。

●抗がん剤は非常に強い薬剤であり、脳代謝への影響が出ることは想定されています。それでもがんを治療できるのであれば、利用を選択せざるをえません。ちなみに英国BBCの記事は、さまざまな角度から問題を掘り下げてくれるので、非常に勉強になります。

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2006年10月 6日 (金)

医薬品機構の企業OB採用、新たに30名が明らかに

●医薬品の安全審査などを行う「医薬品医療機器総合機構」の製薬企業OB採用問題で、新たに30人が雇用されていたことが明らかに。

リンク: 医薬品機構の企業OB採用問題:企業OB、さらに30人 計44人、全職員の1割に-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●9月の時点で14名が明らかになっていたが、このうち5名は運営評議会に報告されていなかった。今回明らかになった30人は嘱託職員とのこと。

●医薬品機構は、相変わらず「規定に基づいているので問題ない」と考えているのかもしれないが、医薬品機構は医薬品や医療機器の審査に大きな力をもっている第三者機関である。

●たしかに、これらの審査には十分な経験と知識をもったベテランが欠かせず、こうした人材は営利企業に在籍していた人々が多くなることは、十分に理解できる。だからこそ、そうした人々が機構のどの部署でどのように働いているのか、情報の透明性を確保することが重要になる。

●この件に関して、本当に問題がなかったのかについて、拙速な判断をすべきではないだろう。しかし、問われているのは「情報の透明性が確保できていたか」であると同時に、「その姿勢が明らかだったか」ということである。なお、同機構のHPに10月3日の運営評議会の議事次第が出ています。

●もう1つニュースを。

リンク: asahi.com:新人弁護士、東京一極集中 合格者増した効果でず?-?社会.

●司法修習を終えて弁護士登録した1144人の半数が、東京に集中しているそうです。最近は新人医師が都会を指向していることが、医師不足に拍車をかけています。

●記事によると、全国の弁護士2万人のうち、5割弱は東京に集中しているそうです。10年くらい前に東京一極集中が批判され、首都移転という話もありましたが、どうなってしまったのでしょうか?

●いびつな一極集中が加速すれば、さらに地価は上昇するなど、生活にかかるコストも上昇します。首都移転をぜひ!

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2006年10月 5日 (木)

ADHD治療にかけるコストの民族差

●ADHD(注意欠陥/多動性障害)と診断されると、医療にかけるお金が2倍以上になる。

リンク: ADHD Raises Kids' Health Costs Even Before Diagnosis - Yahoo! News.

●米国の調査から。病気と診断されたら医療費が高くなるのは当然ですが、こういった病気の場合、診断の前後で症状に大きな差があるわけでなく、有効な治療法も確立されていない。この記事で興味深いのは、医療費が上がるのは白人の子どもだけで、アジア系、ヒスパニックなど他の民族の子どもでは顕著な上昇はみられなかったということである。

●研究者は、ADHDの診断の文化的な受容によって、ADHD治療薬の使用に関する民族間の差異を説明できる、といっている。

●病気には、明らかな病気もあれば、そうでない病気もある。そうでない病気とは、「診断を下されることで病気となる」病気である。米国では肥満が病気としてとらえられ、そのためのさまざまな薬剤やセラピーが開発されている。

●この場合、白人に対して他民族のほうが、診断に対して「大らか」だったといえるのかもしれません。

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2006年10月 2日 (月)

臓器売買事件と海外移植

●愛媛県宇和島市で、生体腎移植をめぐる臓器売買事件が起こった。

リンク: 腎臓移植事件 ドナー確認「保険証だけ」 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●この記事では、執刀医が日本移植学会に所属していなかったことが明らかになったとしている。

●もっとも日本移植学会の倫理指針でも、臓器提供者の本人確認や親族関係の確認の具体的な方法は定められていない。こういった問題はすべて、病院側の判断に委ねられているのが現実なのだという。

●日本の移植希望者が、腎臓の移植を受けに中国やフィリピンに行く人が多いことはよく知られている。中国を含む東南アジアでは臓器売買が行われているらしく、中国では売買を禁止する法律ができたという。

●こういう近隣国の状況は、日本の臓器移植とリンクしている。だからこそ、同じような事例は、日本国内でもたびたび生じていたのではないかと疑わせる今回の事件である。

●もちろん、ドナーが増えないことが問題であり、また、移植を必要とする多くの人の気持ちを理解する必要があります。

●執刀医が学会に所属していなかったことが問題になるかどうかはともかく、日本はそれほど「美しい国」ではありません。

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2006年10月 1日 (日)

ジェネリック医薬品を医療機関は使いたがらない

●ジェネリック医薬品の使用に、医療機関は不安感をもっている。

リンク: Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <後発医薬品>医療機関は使用に不安感.

●公正取引委員会がまとめた調査によると、ジェネリック医薬品(開発から20年を経て特許が切れた医薬品と同成分でつくられる医薬品)に関して、医療機関の85%が「安全性や情報量などで不安がある」と、使用をためらっていることが明らかに。

●一方、消費者は使用したい人は97%にのぼる。

●医療機関への聞き取り調査では、「先発品メーカーが後発品の不安をあおる説明をした」とか「後発品の効能が低いというデータをみせられたが、根拠があいまいだった」など、後発品採用を妨害する行為が報告されたという。

●製薬会社のMRが、病院や医師に対してこのような説明をするのは、まあビジネスだから、わかる気もする。ただし、公正取引委員会は独占禁止法違反にあたると指摘している。

●しかし、医療機関にも問題があると思う。相変わらず高い薬価で利益をあげたいと思っているようにみえるからだ。消費者のニーズは安い医薬品にある。そのニーズに応える必要があるだろう。もちろん、後発品メーカーが医療機関への説明が不足しているという側面もあるだろう。

●医療費を抑えるためには、ジェネリック医薬品の使用は欠かせない。10月1日から一部高齢者の患者負担が3割になり、療養病棟などの利用料負担も上昇する。どの医薬品を使用するか、患者の目が厳しくなるかもしれません。

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