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2007年1月

2007年1月31日 (水)

米国マクドナルド、トランス脂肪酸を使用しないことに

●米国のマクドナルドが、トランス脂肪酸の使用を止めることになった。

リンク: McDonald's begins the switch to new frying oil | Health | Reuters.com.

●すでにニューヨークでは、今年の6月をデッドラインとして、すべてのレストランで人工的なトランス脂肪酸の使用が禁止されている。

●また、KFCやウェンディーズでは、すでにトランス脂肪酸の使用をやめている。マクドナルドは2002年に、いくつかの商品についてはトランス脂肪酸を減らしていたが、他社の動きには遅れていた。

●その理由についてマクドナルドの担当者は、「フライ(揚げ物)の味にマッチする油をみつけるのに時間がかかった」と述べています。

●米国産の牛肉でなければ、牛丼の味が出ないと言っていた、どこぞの社長がいましたが、この言い訳は、全世界共通であるというのが、このニュースのミソでした。

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2007年1月30日 (火)

HIV治療薬などが、タイで複製される可能性

●タイ政府が、特許の効いている薬剤のコピーに、許可を出すかもしれない。

リンク: BBC NEWS | Asia-Pacific | Thailand backs patent drug copies.

●タイ政府の保健相は、HIV治療薬のカレトラ(一般名はロビナビル・リトナビル)と、抗血小板薬のプラビックス(一般名はクロピドグレル)について、国内でコピー商品を生産・発売することを容認する発言をし、波紋を呼んでいる。

●保健相は、タイではHIV感染者が50万人いるが、高価な薬剤を買える人はわずか1/5に過ぎないこと、また、プラビックスを国内で生産した場合、コストは1/10に抑えられることをあげ、タイ国内の公衆衛生が危機に瀕している現状では、こうした措置は容認できると発言しています。

●こうした動きは、インフルエンザ治療薬ではすでに始まっています。当然のことながら、この発言に対して、製薬業界からは反発の声が、エイズ支援グループからは賛成の声があがっています。

●HIVからエイズへの移行は、薬剤の進歩によって、以前と比べて格段に抑制されるようになっています。しかし、HIV治療薬は高価であり、先進国では利用できても、アジアやアフリカの多くの国の患者は利用できないのが現状です。

●技術は手の届くところにあるのに、経済的理由で利用できないというシチュエーションが、こと「生命」とかかわる場合に、どのように考え、行動すべきなのか―この答えは、たしかに簡単であるように思います。しかし、現在の世界では、国が豊かであることと企業の業績がよいことは、切り離せなくなっています。そういう世界に住んでいるなかで、こうした問題に向き合うことは、非常に難しいように思います。でも、しっかりと向き合い、解決しなければなりません。

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2007年1月29日 (月)

子どもの歯列矯正は、大人になってからの幸福感の増進につながらない可能性がある

●子どもの歯列矯正は、大人になってからの幸せにつながらない可能性がある。

リンク: BBC NEWS | Health | Braces 'may not boost happiness'.

●英国で歯列矯正を行った子ども1000人の、20年間にわたる追跡調査から。これまでは、歯列矯正を行うことで、自己尊重感や心理的な幸福感が上昇すると考えられていた。

●調査によると、矯正前に比べて、たしかに歯の並びはよくなり、歯に関しての幸福感は得られるようになった。しかし、心理的な感情(自己尊重感、感情的な幸福感)への影響に関していうと、矯正前とそれほどの違いがなかったという。

●研究者は、歯に関する小さな問題に注目するのではなく、深刻な問題をもつ子どもに、資源を集中すべきだと考えています。また、親に対しては、子どもが矯正を開始する前に、矯正によってどんな利益があるのかについて、注意深く検討する必要があること、さらに、歯の矯正は必ず行うべきものでないことなどをアドバイスしています。

●一方、この報告を受けて英国の歯列矯正協会は、この報告は患者の幸福感に関して、歯科医が理解することにはつながるけれども、以前と比べて、美しさに対する人々の感覚は変わっているし、技術や材料も改良していて、歯列矯正が心理的な健康の増進に影響を与えると信じている人もいると、コメントしています。

●大人になってからの幸福感は、歯を矯正したからといって、必ずしも改善するわけではありません。しかし、幸福感が得られないことに対して、それを「予防的に」行っている場合も、少なくないと思われます。あまりひどくない場合は、子どもが自分で判断できるようになってから行うほうがよいのかもしれません。

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2007年1月26日 (金)

食品の期限切れなどが続々―消費期限と賞味期限

●不二家問題は下火になってきましたが、こんなニュースがありました。

リンク: 今なら目立たない?期限切れや異物続々 - 社会ニュース : nikkansports.com.

●食品会社が次々と、期限切れの商品販売や異物混入を、自主的に公表しています。記事では、「食の安全にかかわる専門家からは「みんな一緒なら怖くない、今なら目立たないということで発表しているようにみえる」との声も上がっている」としています。

●本日のニュースでは、プリンの自主回収がありました。

●食品会社が神経質になるのは当然であり、改めて調査をして、問題が発覚したケースがほとんどではないかと思いますが、なかには、これまでわかっていたのに「隠していた」ケースも、あることは予想できます。経営的な判断として、このタイミングで「膿」を出してしまおうというのは、十分に理解できるのですが、消費者のことはあんまり考えていなさそうです。

●消費期限と賞味期限は異なります。消費期限を超えたものは、急速に劣化が進むので、食べるべきではありませんが、賞味期限を超えたものは、それほど劣化が進んでいるわけではないので、食べてもかまわないそうです。

●消費期限、賞味期限、品質劣化と、あまりに問題を公表しすぎると、何が健康に危険なのか、理解できなくなるかもしれません。

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2007年1月25日 (木)

児童虐待、48時間以内に安全確認へ

●児童虐待などに対応する全国の児童相談所の運営指針が改正された。

リンク: 児童虐待 48時間以内に安全確認 厚労省、防止策強化を通知|子育て|教育・福祉|Sankei WEB.

●厚労省が改正した運営指針は、情報はすべて虐待通告として受理する、できるだけ通告から48時間以内に対応する、兄弟等がいる場合はハイリスク家庭として積極的に対応する、現状を定期的にチェックするなどを柱としています。

●児童相談所で虐待が確認された場合、子どもは児童養護施設に保護されます。しかし、虐待などによる保護の必要な子どもが増えたことで、児童養護施設はパンク状態になっているそうです。

リンク: 児童養護施設:虐待増加でパンク状態、現場から悲鳴-話題:MSN毎日インタラクティブ.

●定員オーバーの施設も少なくないのですが、「職員配置などが施設の最低基準を下回っていなければ、緊急性の高い場合は、保護が優先される」という原則で運営されています。

●現場からは、小学生以上の子ども6人に対して職員1人という30年間変わらない基準を変えてほしいという声があるようです。

●児童養護施設は、以前は経済的な理由や育児放棄などで入所する子どもが多数を占めていたと思いますが、現在は、児童虐待が原因での入所が増えています。社会が大きく変化するなかで、仕組みそのものを再検討する必要があるのかもしれません。

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2007年1月24日 (水)

アルツハイマー病ワクチン、パッチ型開発へ

●たびたび紹介しているアルツハイマー病予防ワクチンですが、パッチ型で皮膚に貼付するタイプが開発されました。

リンク: BBC NEWS | Health | Alzheimer's vaccine 'in a patch'.

●アルツハイマー病予防ワクチンについては、こちらの記事をごらんください

●現在、マウスへの実験が成功した段階で、今後ヒトへの治験を進めていくようですが、これが成功すれば、アルツハイマー予防はとても手軽に行えるようになりそうです。

●英国BBCの記事では、米国南フロリダ大学の研究者による研究としていますが、日本経済新聞によると、この研究には日本の埼玉医科大学も参加しているようです。

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2007年1月23日 (火)

電子レンジでスポンジ殺菌

●電子レンジで細菌、ウイルス退治。

リンク: Microwave zaps germs on sponges, study finds | Health | Reuters.com.

●台所の水洗い用スポンジは、さまざまな細菌やウイルスの巣である。実に台所は、家庭で生じる感染症の主な感染源となっている。

●そのスポンジを家庭用電子レンジに「強」でかけると、2分でほぼすべての細菌やウイルスが死滅する。

●米国の研究者がJournal of Environmental Healthに発表。「電子レンジは非常にパワフルかつ安価な殺菌装置である」と述べています。

●なお、細菌の胞子をすべて死滅させるには、電子レンジで4~10分かける必要があるそうです。

●非常に手軽な方法です。ようやく下火になりましたが、ノロウイルス対策にもよさそうです。

●追記:最近のスポンジには、研磨剤等を含むものがあります。その場合、電子レンジにかけると、何らかのよくない作用が起こるかもしれません。電子レンジを使う場合は、スポンジが溶けないかなどに十分に気をつけてください。

●さらに追記:上記の追記は、記事をアップロードした直後(1/23)に、私の家内から、「スポンジは溶けるんじゃない?」という指摘があり、書き加えたものです。本日(1/26)、どこかの新聞に、「スポンジを電子レンジにかけたら溶けてしまったことから、研究者のいる南フロリダ大学に苦情が殺到している」という記事が掲載されたというニュースをみました。主婦の視点からすると、スポンジをレンジにかければ溶けるとか、研磨剤が入っていたら温度が上がる、というのはどうやら常識であるようです。そんなことに気づかなかった研究チームには、おそらく主婦がいなかったのでしょう。もちろん、私も気づきませんでした。本日は、ちょっと反省モードです。

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2007年1月22日 (月)

臓器提供したい人が4割を超えた

●内閣府が発表した「臓器移植に関する世論調査」で、脳死判定を受けた場合に臓器提供する意志をもつ人が4割を超え、過去最高となった。

リンク: 「臓器提供したい」4割超す : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●ただし、提供に備えて意志表示カードなどを所持している人は、8%にとどまっている。

●脳死と判定された場合、心臓や肝臓などの臓器を提供したい人は41.6%、腎臓や眼球を提供したい人は42.4%にのぼった。

●また、15歳未満の脳死臓器移植についても、「できるようにするべきだ」と答えた人は68.0%だった。

●前世紀に大きな議論となった「脳死は人の死か」という問題が、かすんでみえます。当時、わが国は欧米と異なり、脳死=人の死と認めることはできないという意見が、多くを占めていたと記憶します。

●という意味で、国民の意識が変わったことを如実に示す報告です。この意識の変化の原因については、検討する必要があるのではないかと思います。

●子どもの臓器移植については、しばしば報道等で、寄付をつのり、海外で移植を受けるケースが紹介されています。なぜ日本で移植ができないのかという理不尽さが、多くの国民に共有されているのが現状であると思われます。

●しかし、子どもの臓器移植における問題とは、臓器を「提供する側」にまつわる問題であって、「提供される側」ではありません。その意味では、子どもの臓器移植に関しては、問題の所在が明確にされていないという印象があります。

●成人の臓器移植については、医療技術が進み、代理出産や遺伝子操作が現実的になっているなかで、臓器移植という医療技術が、相対的に一般化しているという面があると思われます。

●また、近年の自殺の急増や、特に若年者における生死のとらえ方を、反映しているという面もあるような気がします。たとえば、「人は死んでも生き返る」「人は死ぬと霊になる」といった信念は、テレビ等を通じて、安易に世間に広まっていますが、このような信念は、「生きること」と「死ぬこと」の境界を不明にし、その価値を同等にすることにつながります。ゲーム感覚で人の命を奪うことと、安易に「あの世」や「霊」を語ることは、リンクしているのかもしれません。 

●個人的には、臓器移植は行うべきであると考えます。しかし、臓器移植に臓器売買といった問題が伴うのは「必然的」であり、さらに子どもの場合、その問題が増加するというリスクを、念には念を入れて認識する必要があると思っています。

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2007年1月18日 (木)

薬のレセプト、健保組合が直接チェックへ

●処方箋に基づいて患者に薬を出す薬局の診療報酬明細書(レセプト)について、健康保険組合による直接審査ができやすくなる。

リンク: 薬のレセプト、健保組合が直接チェックへ・病院の同意不要に.

●これまでは、直接審査に病院の事前同意が必要だったが、同意がなくても審査できるようになる。

●健康保険組合によるチェック機能を強化し、過剰な薬剤投与に伴う医療費を削減するのがねらい。

●レセプトは原則、厚労省管轄の審査機関、社会保険診療報酬支払基金が審査している。しかし、チェックすべき書類が多いこと、医師が医師を審査する仕組みになっていることなどの理由から、審査の甘さが指摘されている。

●医療機関や患者にとって第三者機関である保険者が、支払いを監視するという制度は、今後強化されていくはずです。医療費の増大は単に患者数が増えただけではなく、医療機関の不正な医療、不正な請求も原因です。

●看護師の人員配置問題も含めて、医療機関にとっては「厳しい」時代になりました。健保組合の保険証をもつ人と国保の保険証をもつ人では、同じ疾病、同じ病状でも、処方される薬が異なるなんてことが、起こるかもしれませんね。

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2007年1月17日 (水)

看護師不足の混乱、収拾へ―7対1の配置基準が制限される見通し

先日紹介した入院病棟の看護師の配置基準7対1が、2008年の次期改定時に見直されることに。

リンク: 看護師不足が深刻化、配置基準を見直しへ…中医協 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

●次期改定では、7対1の配置基準は、必要度の高い病棟に限るなどの新たな条件のもとで、実施される。

●今後、看護師不足はますます深刻化します。これをめぐって、日本医師会と日本看護協会の意見が対立するのは、目に見えています。

●日本医師会は看護師不足を解決するために、「准看護師」という人的リソースをあてにしているのではないでしょうか。准看護師は、看護師と異なり国家資格ではなく、都道府県レベルの資格です。もともとは、戦後の医療職が不足していた時期に暫定的につくられた制度でしたが、養成期間が正看護師3年に対して2年と短いこともあって、医療者不足が深刻な地方では、現場の医療を担う大切な人材となってきました。現在も養成は続いていますが、しかし、労働条件の悪い看護師に比べて、さらに「安価な」労働力となっている場合も少なくないのが現状です。

●日本看護協会は、看護師と准看護師というややこしい制度を一本化することを、長年の悲願としています。したがって、「准看護師を云々」という話には、100%乗ることはないはずです。

●その日本看護協会があてにしている人的リソースは、現在看護師として働いていない看護師、離職中の看護師です。

●しかし、医療技術が日進月歩で進歩し、コンピュータ化が進む医療現場で、キャリアを中断した看護師を戦力とするには、かなりの時間と「勇気」が必要です。現実的にいって、日本看護協会の読みは非常に甘いといわざるをえません。

●ではどこに妥協点を見出せるでしょうか? 正直に言えば、それを見出すのは非常に難しいと思います。患者第一の視点で病棟の看護師数を増やすこと、そして看護師の労働条件を改善することには、医師会といえども反対する人は誰一人としていないはずです。問題は、そのためには莫大な医療費が必要となるということです。ちょっとやそっとでは、解決できない問題です。

●7対1問題に戻ると、2008年の改定までの1年間の措置としては、厚労省が「看護師募集のルールの提案などを行う」ことになるそうです。これで事態が収まるのか、ちょっと心配ではあります。

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2007年1月16日 (火)

アスピリンに成人の喘息の増悪を抑える作用

●アスピリンを一日おきに摂取すると、成人の喘息の増悪を抑えられる可能性がある。

リンク: BBC NEWS | Health | Aspirin 'stops asthma developing'.

●米国22,000人を対象とした調査から。アスピリンの抗炎症作用による。ただし、喘息を起こしている患者に投与すると、さらに増悪する可能性があるので、注意が必要である。

●この研究は、アスピリンを一日おきに摂取した場合の身体への影響を調査したもので、喘息患者が喘息を発症するリスクは、22%低下するという。なお、心臓疾患の患者では、発作のリスクが44%低下するという。

●記事では、アスピリンは重篤な気管支攣縮を起こす可能性があるので、喘息症状の改善を目的としては、アスピリンを投与すべきではないと警告しています。もちろん、小児にも使用すべきではありません。

●最近の研究で、喘息患者の5人のうちの1人は、アスピリンの重篤な副作用が出るリスクが2倍になることが知られています。

リンク: BBC NEWS | Health | Aspirin warning to asthmatics.

●アスピリンの薬効については、抗炎症性として痛み止めはもちろん、心疾患リスクの低下、前立腺肥大防止など、さまざまな効果が報告されています。アスピリンといえば伝統的な薬剤ですが、腸出血などの副作用もあるとはいえ、効果のわりに副作用が少ないといった使い勝手のよさが、長く使われている理由なのかもしれません。

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2007年1月15日 (月)

看護師不足の混乱が続く―厚労省事態収拾へ

●全国で看護師不足が生じているが、その混乱を鎮めるために、厚労省が乗り出す。

リンク: [解説]看護師不足、全国の病院で争奪戦 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

●昨年4月の診療報酬改定により、入院基本料加算の配置基準として、入院患者7人に対して看護師1人という基準が新たに導入された。その結果、大病院が看護師確保に走り、中小病院、特に地方の中小病院では、引き抜きから、深刻な看護師不足が生じている。

●全国の大学病院128施設で、今年度の看護師の募集数は13816人で、昨年度と比べて4184人も増加しているという。

●「条件のいい病院に看護師が動くのは当然」と日本看護協会は語っています。一方、経営者側や医師会は、基準の緩和を求めています。

●記事では、「結果的に一部の病院が、患者に十分な看護を提供できない事態が起きている」が、「看護師を確保できないのは、個々の病院の努力が足りないのか、基準の定め方に欠陥があるのか、見極めが必要だ」としています。

●患者の立場から考えれば、この基準に文句をいう人はいません。しかし、中小病院の患者の立場からいえば、看護師が「都会」に出てしまうのは、困ったものです。

●看護師の離職率の高さをみれば、これまでの労働条件があまりに低かったことは、反省すべきだと思います。しかし、これを改善するには、さらなる「国民医療費」がかかります。

●こういう記事が出るときはすでに、厚労省で方針が決まっている場合が多いのですが……。

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2007年1月12日 (金)

納豆売り切れ現象と大豆イソフラボン大量摂取

●テレビ番組で納豆にダイエット効果があることを紹介された結果、全国で納豆が売り切れている。

リンク: 納豆:TV番組でダイエット効果紹介、売り切れ相次ぐ-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ.

●納豆を2週間食べ続け体重を減らした男女の事例を紹介。「納豆のイソフラボンが体内の特定のホルモンを増やし、ダイエット効果を生む」という。

●大豆のイソフラボンについては、摂り過ぎてはいけないことが勧告されている。

●というのも、イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と組成が似ていて、体内にイソフラボンを大量摂取した場合、、女性ホルモンに似た作用を及ぼすといわれているからである。

●納豆のダイエット効果がどのような機序によるものかは不明だが、「特定のホルモン」という記事の表現から、ホルモンへの働きかけにかかわるものであることがわかります。特定の食品を食べて「痩せる」というのは、身体に何らかの負担が来ていることの現われかもしれません。

●とにかく、テレビ番組を素直に信じて、むやみに食べ過ぎることはやめたほうがいいといえます。もっとも、2週間経てば、この「ダイエット」ブームも一段落するはずです。

●昨年、農林水産省は「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」を出しています。摂取量などに関するガイドラインです。ご参考にどうぞ。

リンク: 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A.

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2007年1月11日 (木)

イヌ用の肥満薬、発売される

●イヌ用の肥満防止薬が、米国で発売される。

リンク: U.S. approves weight-loss drug for obese dogs - Yahoo! News

●日本語の記事はこちらから

●米国食品医薬品安全局(FDA)は、イヌの肥満を治療する薬の販売を、米国ファイザー社に認可した。

●この薬、スレントロール(Slentrol)は、食欲を減退させるとともに、脂肪の吸収を抑制する効果がある。米国で飼われているイヌの5%が、この薬によって脱肥満できるという。

●なお、この薬はヒトには使用できない。FDAは、その警告を明示するように求めていて、獣医からしか購入できないそう。

●肥満に悩むイヌ、そしてそのオーナーにはよい薬なのかもしれません。製薬会社としては、自分がもっているリソース(ファイザー社の有力商品の一つは高脂血症薬)を使って、さらに商売しようとしているのではないでしょうか。それにしても、何でも薬という安易な考え方は、問題があると思います。

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2007年1月10日 (水)

ミルクティーにすると、紅茶の効果が薄れる

●心臓病を防ぐ効果があるといわれる紅茶だが、ミルクを入れるとその効果がなくなることが明らかに。

リンク: 紅茶で心臓病の予防 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●ドイツの研究者が発表。女性16人を対象に、ストレート紅茶とミルク入り紅茶をそれぞれ飲んでもらい、腕の動脈を超音波で調べて、血管の弾力性を示す指標FMDを計測した。

●FMDは、血流依存性血管拡張反応(Flow-Mediated Dilation)という血管状態の指標で、この値が低ければ低いほど、心臓病になりにくいといわれている。

●ストレート紅茶を飲んだ後は、この値が4.3%低下したが、ミルクティーだと変化がなかった。

●ミルクに含まれるタンパク質の一つ、カゼインが、紅茶の有効成分と結合することが、その原因らしい。

●筆者に紅茶にミルクを入れる習慣はありませんが、ミルクティーを飲みなれている人に、「ミルクを入れないほうがいい」とは言いにくいですね。嗜好品は嗜好品として楽しむほうが、健康によかったりして。

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2007年1月 9日 (火)

羊水に由来する幹細胞が発見される

●医療への応用が期待されている幹細胞は、受精卵に由来するものである。受精卵はすでに「ヒト」であると解釈できることから、倫理的な問題が大きいことは周知の事実である。

●この幹細胞と同様の性質をもつ幹細胞が、羊水からも摂取できる可能性が出てきた。

リンク: BBC NEWS | Health | 'New stem cell source' discovered.

●米国の研究者が発表。実験では、受精卵に由来する幹細胞と同様に、複数の臓器に変化することが確認できたという。

●研究者は、こうした幹細胞を使用する可能性について、出産前に何らかの問題があると診断された子どもに対して、この幹細胞を使用してラボで代替組織を培養し、生後にそれを使用する(戻す)ことが考えられるとしています。

●また、理論的には、胎児自身の幹細胞を遺伝子的に変えて、それらを羊水中に注入することで、遺伝子異常を直すことも可能であるということです。

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2007年1月 8日 (月)

皮下脂肪から肝細胞を作製

●皮下脂肪から肝臓細胞が作製された。

リンク: 皮下脂肪から肝臓細胞を作製、国立がんセンターが成功 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●皮下脂肪の10%に含まれている「間葉系幹細胞」という細胞に、成長を促す3種類のタンパク質を加えて40日間培養したところ、ほぼすべての細胞が肝細胞に変化した。

●得られた肝細胞の性質を調べると、薬物代謝酵素など肝臓でしか合成されないタンパク質が14種類以上検出された。肝不全のマウスにこの肝細胞を移植したところ、アンモニア濃度が正常レベルに低下したという。

●受精卵からのES細胞(胚性幹細胞)を用いた再生医療では、倫理的な問題が多いが、この方法であれば、倫理的問題がクリアできるうえ、患者自身から採取した細胞なので拒絶反応も起きないという利点がある。

●研究者は、肝細胞の機能としてはまだ不十分であると述べていますが、かなり期待できる研究のようです。

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2007年1月 5日 (金)

介護予防の対象者が、厚労省予想を大きく下回っていた

●年末のニュースですが、厚労省は介護保険の介護予防事業の対象者を拡大する方針を決めた。

リンク: 「介護予防」基準を4月から緩和、対象者集まらず : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●介護予防は、介護が必要になる状態に移行しないように、元気なうちから予防的な訓練を行う事業。その対象者は、厚労省が定めた基本チェックリストに基づき市町村が選定する。

●厚労省は、65歳以上の全人口の5%、初年度は3%が、対象者になると見込んでいた。しかし、実際には0.21%と、見込みを大きく下回った。厚労省はチェックリストの要件を緩和することで、対象者を増やす方向に誘導するという。

●「65歳以上の全人口の5%」が介護予防に参加するという数字自体が、現実的なものなのかどうか、疑問です。5%という数字は、介護のための費用を抑えるための「予算」に基づくものに過ぎないのかもしれません。

●くどいようですが、目標=5%、実質=0.21%という見込みの違いは、けっこう恥ずかしいものです。基準を緩めるだけで解決できるものなのかどうか、考えたほうがいいと思います。

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2007年1月 4日 (木)

飲酒とうつ病の関連は、女性で強く現れる

●過度の飲酒がうつ病を引き起こすことは広く知られているが、この関連は男性よりも女性で強くみられる。

リンク: BBC NEWS | Health | Women drinkers 'depression link'.

●米国とカナダの研究者が、飲酒癖とうつ病歴をもつ6000人の男性、8000人の女性を対象に調査を行った。男性よりも女性で、アルコールとうつ病との関連がみられたが、ほどほどにアルコールを飲む人では、男性女性ともに、その関連はみられなkった。

●研究者は、うつ病の女性は、自分の抱えている問題を解決する一つの方法として、アルコールを摂取しているからではないかと考えている。

●女性では、アルコールを大量摂取することで、うつ状態が解消される場合があるそうです。男性もその傾向はみられると思われますが、その傾向は、女性ではより強く現れるということだと思います。ただし、アルコールの摂取には、アルコール中毒などアディクションの問題がかかわってきます。

●記事は、識者の次の言葉で締めくくられています。「アルコールとうつの関連は明らかだが、その機序は複雑である。精神的に不安をもつ人は、アルコールや薬物を過量に摂取することがあり、その場合、多職種によるアプローチが必要になるだろう」。もっともです。

●飲んだほうがいいこともある。しかし、飲みすぎはいけない。人生とは微妙なバランスの上に成り立っています。今年もよろしくお願いします。

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