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2007年2月

2007年2月28日 (水)

将来の医療技術は?「イノベーション25」中間報告

●政府の「イノベーション25戦略会議」が、中間報告を発表した。

リンク: 20年後の生活は 「イノベーション25」中間報告 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●技術革新(イノベーション)による成長戦略をめざす現内閣の方針を示すものだが、実現が期待される技術の例としては、以下のものがあるという。

▽カプセル型の超小型機械を飲んで健康診断▽高齢者が50歳並みの身体を保つ医療技術▽バイオ技術で改良した植物による砂漠緑化▽自動翻訳機能付きヘッドホン▽掃除、洗濯、介護などをこなす家庭ロボット▽電子マネー技術の普及で完全キャッシュレス社会▽衝突を自動回避する乗用車

●上にあがった技術の例で、医療に関連するのは、①カプセルをのんで健康診断、②高齢者が50歳なみの身体を保つ医療技術、③掃除や介護を行う家庭用ロボット、の3つです。①と③は実現間近な感じがしますが、②は具体的にどのようなものが念頭におかれているのか、ちょっとわかりません。関節痛や筋肉の衰えを補完するためのロボットスーツが開発されていますが、これは②にも③にも使えます。

●技術革新によって、新しい医療技術や薬物が生まれることは確実であり、医療はこれからも、どんどん変わっていくと思います。しかし、進歩が有害な作用を及ぼしたり、見落としを生じたりすることは、人間の技術に関する一つの側面です。期待だけをすべきではありません。

●なお、記事によるとこの報告書には、将来の社会像も示されていて、その具体例が、「再チャレンジに成功した企業経営者の父親、80歳近くになっても元気に働く祖父、留学生が多数を占める大学に通う長男」などなのだそうです。何かと何かを妥協して、このような文言ができるのだとは推察しますが、実現可能なイノベーションも、とてもおぼつかないような「錯覚」に陥るのは、自分だけでしょうか?

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2007年2月27日 (火)

完璧主義者ほど過敏性大腸炎になりやすい

●完璧主義者は過敏性大腸炎(IBS)になりやすい。

リンク: BBC NEWS | Health | 'Perfectionism' bowel pain link.

●英国の研究者が発表。620人の胃腸炎をもつ患者を対象に、病気とストレスについて調査を行ったところ、IBSになりやすい人は、自分自身を駆り立てるタイプの人や、症状を特に心配する人であることが判明した。

●研究では、対象者に、バクテリアの感染による胃腸炎から3か月後、6か月後の時点で、それぞれIBSの諸症状が増強しているかを調査したところ、どちらの時点でも該当したのは、49人だった。このうち女性は男性の2倍にのぼった。

●IBSの症状が悪化した人に、心因的な要因について質問したところ、症状が悪化しなかった人に比べて、症状へのストレスや心配などのレベルが高かった。つまり、症状へのストレスや心配が強い人ほど、IBSの症状が持続しやすかった。

●研究者はさらに、IBSの症状が持続する人は、常に正しいことをしたいと思う傾向があること、たとえば、仕事に行かないことは自分の信念に反すると考えるといった傾向があることを指摘しています。そして、こうした人々のIBSの改善には、認知行動療法が役立つだろうと述べています。

●この研究では、何らかの感染により胃腸炎を発症し、それが別の原因で持続する症状を、過敏性大腸炎と呼んでいます。日本では、ストレスなどがきっかけとなって下痢などが続くことを過敏性大腸炎と呼ぶのが一般的で、感染がきっかけかどうかで、やや見解が異なっています。もっとも人間の胃腸は、常にバクテリア等による感染の危険性にさらされているわけで、大した違いではないのかもしれませんが、英国と日本との疾患概念の違いを表すようで、興味深いようにも思います。

●とはいえ、ストレスはもちろん、完璧主義者ほど症状が持続しやすいという見解は、日本における実感と近いものがあります。私もお腹をこわしやすいタイプです。過敏性大腸炎かと心配したこともありました。しかし、決して完璧主義者ではないので、ちょっと安心?

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2007年2月26日 (月)

仕事のバーンアウトで糖尿病になるリスクが倍増

●仕事での「燃え尽き(バーンアウト)」により、糖尿病のリスクが高くなる。

リンク: BBC NEWS | Health | Job burn-out 'ups diabetes risk'.

●イスラエルの研究者が発表。仕事でバーンアウトになった677人の労働者を調査したところ、糖尿病のリスクは、バーンアウトになっていない人に比べて、約2倍(1.84倍)になった。高血圧のリスク要因を除いて計算すると、糖尿病のリスクは約4倍(4.32倍)にもなったという。

●研究者も語っているように、これは明らかにストレスが原因であるようです。これまでの研究では、仕事でのバーンアウトによるストレスによって、心疾患のリスク、睡眠障害、不妊、肩こりなどを生じることが明らかになっていました。

●研究者は、運動やよい睡眠をとる工夫など、ストレスを管理する技術を用いることを勧めています。

●ストレスによって血圧が上昇するに加えて、ストレスフルな仕事は長時間労働になることが多いことから、運動不足になりがちです。1日30分の運動を心がけたいものです。私も心がけます。

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2007年2月25日 (日)

続報赤ちゃんポスト、政府内に慎重論?

●赤ちゃんポストについて、首相などが懸念を示しているというニュース。

リンク: Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 赤ちゃんポスト 首相「抵抗感じる」 政府内に慎重論続出.

●赤ちゃんポストへの懸念をもつのは、人間の感情としては当然のことです。

●ただし、政治家の発言、特に首相の、「ポストという名前に大変抵抗を感じる。子供を産むからには親として責任を持って産むということが大切。そういうお子さんに対応する施設もある。匿名で子供を置いていけるものを作るのに大変抵抗を感じる」という発言には、差し迫った現実に、真摯に向き合う態度があるとは思えません。

●近年の政治家は、厚生労働行政に対する現状認識に、多くの問題があります。また、この国では、憲法が軽んじられる傾向もあります。選挙のこと、特に女性票のことを考えての発言かもしれません。いずれにしても、無責任であるように感じます。

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2007年2月23日 (金)

赤ちゃんポスト、厚労省が認める方向へ

●赤ちゃんポストについて、厚労省は法的に問題はないとの見解を明らかにした。

リンク: 赤ちゃんポスト:厚労省「法的問題なし」-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●赤ちゃんポストの詳細については、以前の記事、また昨日の記事をごらんください。

●自分としては、赤ちゃんポストの設置には基本的に賛成しています。日本国憲法第25条には、すべての国民は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有するとされています。子を捨てる親の身勝手さや倫理感の欠如を指摘するのも大切かもしれませんが、赤ちゃんもまた、日本国に生まれた一人の国民として、最低限度の生活を営む権利を保障すべきだと思われます。

●実際の運用では、さまざまな問題が出てくるかもしれません。たとえば、不法滞在する外国人が子どもを赤ちゃんポストに捨てた場合を想定すれば、反対せざるをえないと述べていた評論家もいました。

●同様のポストはドイツで行われています。赤ちゃんポストが容認されるかどうかは(今回発案した病院は、キリスト教系の病院であるそうですが)、宗教的な問題というよりは、子どもを親の私物とみるか、社会が育てるべき公的な存在とみるかの違いに起因するのではないかと感じます。

●昨日も書きましたが、やってみてわかることもあります。よい方向に向かうことを期待したいです。

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2007年2月22日 (木)

乳がん、大腸がんのリスク、がん告知、赤ちゃんポストの続報

●ニュースをいろいろ。まず、日本人で乳がんのリスクが高い女性は、高身長、未出産、初潮が早かった女性だそうです。

リンク: 高身長・未出産の女性、乳がんリスク高い…厚労省調査 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●これらのリスク要因は、どれも生来の要素が強く、なかなか予防には役立ちそうもありません。心当たりのある方は、早め早めの検診が必要です。一方、男性で運動や肉体運動などで体をよく動かす人は、ほとんど体を動かさない人に比べて、大腸がんになるリスクが低くなるそうです。

リンク: よく運動する男性、大腸がんリスク3割減…厚労省調査 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●体を動かすと、肥満などのリスク因子を減らすことができるほか、腸の発がんにかかわる生理活性物質を少なくする効果があるとのこと。運動は、今日からできるがん予防といえます。

リンク: がん告知:衝撃少ない告知を 全国で医師対象に講習会--新年度から-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●がん患者の精神的ケアを専門とする日本サイコオンコロジー学会が、医師を対象に、よりよいがん告知を行う講習会を行うそうです。すでに告知技術の習得のためのテキストができているとのこと。がんの告知は、医師にとっては臨床では日常的な問題ですが、患者には非日常的で大きな問題です。こうしたギャップを埋めることに役立つことが、期待されます。

リンク: 赤ちゃんポスト:熊本市が設置許可へ-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●最後に、熊本の病院で設置を申請していた「赤ちゃんポスト」に、設置許可が下りるようです。これから国と最終調整するそうですが、法律上の問題はクリアできたとしても、実際の運用ではいろいろと問題が出てくるかもしれません。個人的には、赤ちゃんポストはよいことだと思っています。世の中には、やってみなければわからないことも、多々あるものです。

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2007年2月21日 (水)

救急現場における終末期医療の指針案が提示される

●救急医療現場での終末期医療の指針案を、日本救急医学会が提案。

リンク: 終末期医療:救急治療、家族同意で延命中止 定義、学会が指針案-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●終末期医療と尊厳死は、たびたびニュースでとりあげられる難しい問題であるが、どのような状況で尊厳死が認められるかについては、なお明確な指針が示されていなかった。今回、日本救急医学会が提示した指針案では、脳死と診断された場合や、回復の見込みがないと予測される場合に、どのような手続きを経れば、治療の中止へと至ることができるかについて、示している。

●複数の医師を含む医療チームが、患者本人の意思を確認、または家族による推測で確認して治療を中止する。家族が判断できない場合などは、家族の納得を前提に、医療チームが判断する、としている。

●これらの方法は、ある程度の水準の医療現場では、一般的に行われている方法であると思われる。実際に問題になるのは、治療の中止に関して、回復の見込みがないという判断を単独の医療者が行っている場合や、患者の意思の確認を書面に残していないなど透明性がない場合である。

●学会はこの指針案をもとに、他の学会の意見などを聞いて、今秋にはとりまとめたいとしている。

●この指針案はあくまで救急現場における手続きであって、がんなどの終末期患者に妥当するものではありません。また、この指針が承認され、指針に基づいて治療を中止したからといって、医療者は必ずしも刑事責任を免責されるわけではないことには、なお注意が必要です。

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2007年2月20日 (火)

遺伝子診断の簡便な方法が開発される

●30分以内で遺伝子診断ができる方法が開発された。

リンク: 血液1滴で遺伝子診断…理研など 30分以内に完了 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●日本の研究グループが開発。ある種の遺伝子を高速で増やす特殊な酵素と、それ以外の遺伝子の増加を抑える別の酵素を判別、組み合わせることで、精度の高い遺伝子診断が30分以内に完了する手法を確立したという。

●血液は1滴あれば十分だそうです。記事によると、イレッサが効く人と効かない人の判別ができるなど、がんの遺伝子診断に利用できるようですが、研究が進めば、さらにさまざまな領域にも適用することが期待できるかもしれません。

●なんといっても、特殊な解析装置の必要がなく、方法が簡便であることが重要です。医療の現場では、広く普及しそうです。

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2007年2月19日 (月)

自閉症に共通する2つの遺伝子変化

●自閉症には、2つの共通する遺伝子の変化がある。

リンク: International study finds new autism genetic links | Health | Reuters.

●19か国の研究者が行った5年の追跡研究から。2人以上の自閉症の子どもをもつ1168の家族からDNAサンプルをとり、それらの遺伝子的な類似性を検討したところ、自閉症に関与していると思われる遺伝子の変化が2か所(neurexin 1、chromosome 11)、みられたという。

●自閉症は、遺伝的要素と環境的要素があいまって発症すると考えられているが、その90%は遺伝的要素であるという見解もある。

●研究者らは、この発見によって、遺伝子診断から発症の可能性を予測できるとともに、自閉症の治療の重点を、遺伝子変化を是正する薬剤の開発へと移すことができると述べている。

●患者グループや医師のなかには、この研究が偏っているとみる人もいるようですが、今回の研究は、19か国120人の研究者が参加した大規模なもので、信頼性はかなり高いようです。

●日本では、1000人の子どもの1~3人程度が自閉症であるといわれていますが、米国では、150人中1人が自閉症であると報告されています。日本での実態はともかく、効果的な治療法につながることが期待されます。

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2007年2月15日 (木)

米国の保険会社が、大規模な遺伝子研究を開始

●疾患、遺伝子、環境の関係を明らかにする大規模研究が、米国で行われる。

リンク: Kaiser launches study into genes, environmental disease causes - International Herald Tribune.

●米国のHMOの一つ、Kaiser Permanenteが、疾患、遺伝子、環境の関係を明らかにするために、50万人を対象とした研究をはじめる、と発表。

●同様、同規模の研究はすでに英国で始まっていますが、英国と異なり、50万人分の病歴や家族歴等に関するデータがすでにそろっているので、関係者は英国よりも研究は速やかに行われるだろうと語っています。

●米国のHMO(健康維持機関)とは、いわば、医療保険を販売する民間保険会社のようなものです。米国は日本と異なり、医療保険が政府によって保証されていません。そこで、多くの社員を抱える各企業は、社員の医療を、こうした保険会社に委託しています。

●つまり、HMOもまた、利潤を追求する一企業であり、いかに効率的に保険者の役割を果たすかを考えています。管理医療(マネジドケア)や疾病管理といった手法を導入したことで、その役割を果たしつつも一方で、現場や患者・利用者のニーズを軽んじているという批判もあります。

●欧米ではこれまでにも、企業が遺伝子解析などを行い、そのデータベースを販売するなどの商行為が行われています。今回も、その一環であるといえます。ただし、保険会社、それも米国で一番大きな保険会社が行う研究だけに、影響は非常に大きいのではないかと推測されます。

●個人が病歴、家族歴、遺伝子によってデータベース化され、管理される時代は、遅かれ早かれ、到来するでしょう。Kaiser Permanenteは、データを厳密に管理し、利用者には情報提供しない等の約束をしていますが、およそ秘密は漏れないはずがなく、また企業はあくまで利潤を追求する団体に過ぎないことを考えれば、気休めにもならないと思います。

●今はまだ海の向こうの話ですが、日本でも遅かれ早かれ、こうした動きは始まるものと思われます。医療費が高騰していること、その削減のために予防医療にシフトしていること、生活習慣病やメタボリックシンドロームなど、疾病における自己責任のニュアンスが示されていることなどは、いずれも「布石」となる要素を含んでいるといっても、過言ではありません。

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2007年2月14日 (水)

昼寝をとると、心臓病による死亡リスクが低下する

●昼寝をすると、心臓疾患による死亡リスクが37%低下する。

リンク: Naps good for ticker, study says / Report shows siestas cut risk of cardiac death, especially for working men.

●米国の研究者が、ギリシア人を対象にした追跡調査をもとに発表。特に男性の勤労者では顕著で、1日に30分以上の昼寝を週3日以上とっている男性勤労者では、昼寝をとらない男性勤労者に比べて、死亡リスクが64%も低下したという。

●また、男性女性問わず、たった5分間の昼寝でも、心臓疾患のリスクは12%低下した。

●なお、リスクの平均低下率の37%という数字は、アスピリンやスタチンなどの心臓疾患の予防薬を服用した場合と、同じ効果であるそうです。

●ギリシアやイタリア、スペインでは、昼寝(シエスタ)をとる習慣がありますが、日本はもちろん、米国でも仕事中の昼寝をとる時間もなければ、よしんば時間があるとしても、許されません。

●日本では、仕事中のうたた寝だけでも、(合法かどうかはともかく)経営者が社員を解雇する理由になりますし、おそらく米国でも、事情は同じことであると思われます。

●特に米国では、睡眠不足への関心が高く、睡眠不足がさまざまな事故の原因になっていることが、国家的に明らかにされています。日本でも、睡眠不足による経済的損失は膨大であるという報告があります。にもかかわらず、朝早くから晩遅くまで働くという労働習慣は変わりません。このような状況に、今回の研究が一石を投じることになれば、と研究者は語っています。

●心臓疾患になって雇用者が仕事ができなくなることによる損失、また、雇用者が病気になれば医療費がかかることの損失を十分に考慮すれば、21世紀ではひょっとすると、病気になるよりは、昼寝をしてもらったほうがいいというコンセンサスが得られないともかぎりません。

●ところで、ポリフェノールを含む赤ワインが、心臓疾患の予防につながることはよく知られています。ランチに赤ワインを飲み、食後に30分~1時間の昼寝をとる。そんなライフスタイルが可能であれば、心臓病防止には完璧です。人類の寿命は、ますます延びるかもしれません。

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2007年2月13日 (火)

フィリピンで腎臓売買が公認へ

●少し前のニュースですが、フィリピンで腎臓売買が公認されるようです。

リンク: 比が腎臓売買公認へ、「倫理」「安全」懸念の声 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●フィリピン政府は、国内の貧困と闇売買の横行を背景に、腎臓売買を実質的に公認することになりそう。ドナーが闇取引で腎臓を買い叩かれたうえ、十分なケアが受けられない状況を防ぐのがねらい。

●日本などから、多くの患者が向かうのではないかと予想されている。なお、日本の臓器移植法では、海外で臓器を購入した日本人も、処罰の対象になる(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)。しかし、フィリピンの新しい制度では、外国人患者が直接ドナーに支払わないので「売買」ではないとされる。

●売りたいというニードと買いたいというニードがあるかぎり、そこに市場ができるのは、資本主義社会では当然のことです。善意による臓器提供しか、臓器提供ではないという論理は、心情としては納得できても、現実には即していないといえるのかもしれません。

●いずれにしても難しい問題です。フィリピンや日本など、この制度にかかわりそうな国と人々が集まって、よい方向に議論が進むように努力するしかありません。

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2007年2月 9日 (金)

麻酔薬はアルツハイマー病を引き起こす

●手術中の麻酔薬は、アルツハイマー病につながる可能性がある。

リンク: Lab studies link anesthetics to Alzheimer's risk - Yahoo! News.

●ある種の術中の麻酔薬が、アルツハイマーの原因といわれるタンパク質、βアミロイドを集積させる可能性が、実験で明らかになった。

●米国の研究者が発表。これまでも、麻酔薬がアルツハイマーの引き金になる可能性は示唆されていたが、今回の調査では、実際に麻酔薬を使って、実験を行っている。

●研究者によると、吸入式麻酔薬であるイソフルランやハロタンは、引き金となる可能性が高い一方、静脈注射のプロポフォールやチオペンタールでは、影響は少ない。

●イソフルランでは曝露後10~30時間にわたってβアミロイドの生成が亢進し、その度合いはβアミロイドの大きさやガス濃度によっていた。プロポフォールは曝露後48時間の間、影響がみられたが、チオペンタールでは生成がみられなかった。

●研究者は、麻酔薬と認知症との関連性はこれまでも指摘されていたが、疫学的調査は初めてであると言っています。

●もちろん、麻酔薬がなければ大きな手術はできず、大きな手術をしなければ、アルツハイマー病になる前に命を失う可能性もあります。麻酔薬の影響については、これまでにもさまざまな指摘がなされています。患者としては、そのリスクを知っておく必要はあるかもしれません。

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2007年2月 8日 (木)

ピロリ菌の移動は人類の移動とパラレル

●ピロリ菌は6万年もの間、現代人とともに生きてきたらしい。

リンク: Ulcer bacteria has followed man for 60,000 years | Health | Reuters.com.

●英国、ドイツなどの研究者が発表。ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍の原因となる菌として有名だが、何とこの菌が、6万年も前から、現代人がアフリカから世界に広がっていく動きと並行して、世界に広まった可能性が高くなった。

●ピロリ菌と保有者のDNAを調べ、コンピュータシミュレーションを行った結果から。ピロリ菌の遺伝子的な差異が、人間の遺伝子的な差異を反映していたことが判明した。

●ピロリ菌が発見されたのは最近のことですが、どうやら人類は、昔からこの菌と付き合ってきたようです。研究者は、「この研究は私たちの祖先が何万年もピロリ菌で苦しんできた可能性を示すだけでなく、人類の移住を理解する新たな可能性が出てきたことを示す」と述べています。

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2007年2月 7日 (水)

英国での鳥インフルエンザ、獣医に感染?

●数日前に英国ロンドンで鳥インフルエンザが発生したが、そのとき作業に加わった獣医が、インフルエンザ様の症状で入院していることが明らかになった。

リンク: Veterinarian monitored for possible bird flu | Top News | Reuters.co.uk.

●鳥インフルエンザかどうかはわかっていませんが、英国保健管理局の担当者は、防護服を着ていたうえ、症状も「それほど重くない」ので、鳥インフルエンザ感染の可能性は低いと考えている、とコメントしています。

●鳥インフルエンザウイルス(H5N1ウイルス)は、アジア、アフリカ、中東、東欧などで発生していますが、WHOによると、ウイルスにより、これまで166名が死亡しています。

●日本でも鳥インフルエンザが「流行」しつつありますが、ヒトへの感染はやがて訪れるシナリオであることは間違いないと、覚悟しておいたほうがいいと思われます。

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2007年2月 5日 (月)

遺伝性ALSにワクチン開発

●遺伝性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するワクチンが開発されるかも。

リンク: 難病のALSにワクチン、日・カナダ開発 .

●日本とカナダの研究者が発表。現在はマウスで延命効果が得られた段階だが、ヒトへの応用が可能であるとのこと。

●ただし、遺伝性のALSは全体の1割にすぎないが、遺伝子の欠陥が、SOD1という酵素に影響を与え、突然変異を生じ、ALSを引き起こすといわれている。

●今回のワクチンでは、突然変異したSOD1の働きを抑える抗体をつくることができるそうです。

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2007年2月 2日 (金)

イレッサ、日本でも積極的選択に根拠なし

●肺がんの抗がん薬イレッサについて、従来の抗がん薬と比べて生存期間を延ばすとはいえないと、輸入発売元のアストラゼネカ社が発表した。

リンク: イレッサ:厚労省「積極的選択、根拠なし」 延命効果、既存薬超えず-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●日本人患者500名を対象にした臨床試験の結果から。イレッサは欧米では延命効果が証明されていなかったが、東洋人では延命効果が示唆されるとして、販売を認められていた。

●イレッサについては、「ある種の患者さんには劇的に効く」という声を聞く。しかし、すでに日本人を対象にした調査で、他の抗がん薬に比べて急性肺障害や間質性肺炎などの重篤な肺障害を起こすリスクは3倍にのぼることが知られている

●アストラゼネカ社の報告を受けて、厚労省の担当機関は、「肺がん患者の2度目、3度目の抗がん剤治療で、一般的にドセタキセルと比べイレッサを積極的に選択する根拠はない」という見解を出している。

●このコメントを聞くかぎりでは、初回治療での効果をみて判断する必要があるということかもしれません。今なお、期待のかかる薬剤だけに、ちょっと残念な報告です。治療を必要としている患者さんはもちろんのことですが、輸入販売元も落胆していることでしょう。

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2007年2月 1日 (木)

ブドウジュースの効果は赤ワインと同じ?

●ポリフェノールを含む赤ワインが、心臓病予防にいいことはよく知られた事実だが、ブドウジュースを飲んでも同じ効果が得られるらしい。

リンク: Grape juice good for the heart: study | Health | Reuters.com.

●フランス人の研究者は、同じ効果があるのに、アルコールを含まないところが重要、と語っています。

●ポリフェノールは、心疾患に関連するタンパク質の産生を阻害する効果があります。これは、(コンコード種のブドウジュースに含まれる)ポリフェノールが、酸化窒素を産生する内皮細胞の活動を亢進させることがメカニズムです。

●というわけで、赤ワインを飲むならばブドウジュースをとりましょう。

●というわけにもまいりません。赤ワインの素晴らしいのは、心疾患を予防し、かつアルコールを摂取できるということです。経験的にいえば、ほどほどに摂取すれば、からだにこのうえなく、よい効果を及ぼします。はっきり言えば、この効果ゆえに赤ワインを飲むといってもいいほどです。

●ところで、この研究者は飲料メーカー(ブドウジュースのCMでおなじみのウェルチ社)から資金提供を受けて、研究を行っています。だから、結果が信用ならないというわけではありませんが。

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