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2008年1月

2008年1月21日 (月)

重病名で医療費請求,川鉄千葉病院で

●疾病ごとに定額の医療費を支払う診断群分類別包括評価をめぐり,実際とは異なる病名で医療費が請求されていた。

リンク: 川鉄千葉病院、重病名で医療費請求 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●「めまい」で入院した患者に「脳梗塞」,「肺炎」で入院した患者に「肺がん」という病名をつけていたという。前者よりも後者の病名のほうが,請求できる金額が高くなります。

●記事は次のように述べています。“国際医療福祉大の高橋泰教授(医療経営管理)は、故意による不正請求が行われる余地を視野に入れ、「DPCは当初、大学病院など公的病院を対象としていたため、性善説を前提に制度設計された。だが、利益を重視する病院も多く入ってきている」と指摘する。”

●これまでも,医師の知識不足による誤った診断群分類の選択は少なくなかったようです。今回のケースで,誤った選択が故意に行われたのかどうかは,よくわかりません。

●これまで医療費はすべて,「出来高払い」という方式でした。これは,医師が選択した検査や薬物の処方に関して,医療費がすべて無条件に支払われるという制度でした。しかし,実際には無駄な検査などが行われている場合が少なくなく,これが国民医療費の高騰に寄与しているとされました。すでにこの時点で,医師や病院はみんなが思うほど「善人」ではないということがわかっていたと思うのですが,今回のような記事が出て再び「性善説」の話が出てしまうのは,やれやれという感じです。

●医療費の請求等に関する制度として,国税に類する厳しい制度が必要であるとは思いません。しかし,自助努力にも限界があることは確かです。現状,ざっくりといえば,医師や病院の収入の7割は「保険」であり「税金」であるということは,この問題を考えるうえで常に念頭においておかなければならない事柄であると思います。

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2008年1月18日 (金)

「ゆとり教育」転換と専門教育のカリキュラム

●中教審が,小中学校の授業時間数を30年ぶりに増加させるなど,ゆとり教育を実質的に転換する内容の学習指導要領改定を求める答申を出した。

リンク: 「ゆとり教育」転換を答申.

●昨日のTBSニュース23などの報道によると,学習は「基礎学力」と「考える力」の2つを育てることが重要だが,ゆとり教育では前者よりも後者が重視されていた,しかし,新しい学習指導要領では後者を尊重しつつ,前者に力を入れる,ということなのだそうです。

●教育問題に対して自分がコメントすることはおこがましいことですが,基礎学力とは,現実的に生じるさまざまな問題を解決するために利用可能な「道具」なのではないかと思います。たとえば「英語の能力」という道具なしには,英語の文章は読めません。すると,英語で書かれたすぐれた文献を読み,そこから問題解決の糸口を得たり,新しい知見を得たりすることができなくなり,つまり,「よりよく」「より幅広く」考える機会は失われるのではないかと思います。

●基礎学力は物事を「考える」うえでの道具であるとすれば,その道具の使い方に習熟することは,よく「考える」ことに到達する早道ではないかと思います。以上の意味では,今回の教育方針の転換は望ましいもののように思われますが,いかがでしょうか?

●医療福祉の分野の教育は,一言でいえば専門教育といわれる領域ですが,その内容は専門基礎教育,専門教育,成人教育(卒後教育)とさまざまな次元に分けられます。スキームとしては今回の教育方針の転換は,専門教育の前段階に位置します。専門教育における基礎教育(専門基礎教育)は,「実学」としての要素を十分に満たすだけのカリキュラムを備えているものですが,たとえば医師や看護師のカリキュラムに比べると,社会福祉士や介護福祉士といった後発資格のカリキュラムはカリキュラム構成,内容といった点で,まだまだ改善の余地があるような印象を受けます。今回の学習指導要領改定の方針が,専門教育におけるカリキュラムを再考する機会になってもよいように思います。

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2008年1月17日 (木)

商法から保険法が独立

●商法から保険法が独立。約100年ぶりの改正に。

リンク: 法制審、保険「第3分野」を規定 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●これまで規定がなかった医療保険やがん保険,介護保険などについて,「第3分野」として規定することになった。第1分野は人の生死を対象とする分野,第2分野は財産などの損害に関する分野なのだそうです。

●で,保険法はこれまで商法の一部だったが,これを保険法として独立させるという,なんと1世紀ぶりの改正なのだそう。

●昨今,保険には多くの問題が生じていますが,その考え方の基本は昔から変わらないものなんだなあとちょっと感心。

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2008年1月16日 (水)

医師への「お礼」は必要か?;ジョニー・デップが病院に2億円寄付

●俳優のジョニー・デップが,英国の小児病院に2億円を寄付。

リンク: 時事ドットコム:J・デップさん、2億円を寄付=英の病院に「娘救ったお礼」.

●記事によれば,ジョニー・デップの娘さんがO-157感染で腎不全を併発,この病院に9日間入院したとのこと。娘を救ってもらったとして,100万ポンドを寄付したそうです。

●このニュースは,いろいろな受け止め方ができると思います。お金のない人よりも,お金をたくさんくれる人を優先する医療者は,常識的に考えれば,存在しません。しかし日本では,たとえば手術をしたら医師にお礼をすべきであり,その相場はいくらであるなどということが,あたかも習慣や礼儀であるように語られることが少なくありません。

●病院によっては,そのような「心付け」を全面的に禁止するところもあります。もっとも,禁止していても,密かに受け取っている人もいるかもしれません。しかし,この件に関しては明らかに,患者側の意識こそ変わらなければならないと思います。(「常識的」でない医療者がいる可能性もゼロではありませんが。)

●患者としてはお礼をすることによって,「自分は最善の医療が受けられる」と考え,安心できるのかもしれません。しかし「最善の医療」は,医師の技術が劣っていたり,設備が整っていなかったり,あるいは看護師がスキルを磨いていなかったり,また,医師だけが偉くてチーム医療が行われていなかったりする場合のほうが,より受けられにくいのだということを,よくよく知るべきであると思います。そのうえで,自分にあった,信頼できる病院,医療者を探すことに熱意を傾けましょう。自分が得たい「幸せ」は,お金だけで買えるとは限りません。

●さて,ジョニー・デップ。お金持ちがお金を寄付するのは当然だという人もいるかもしれません。しかし,自分のお金を気前よく寄付できるお金持ちは,そうはいないように思います。国際競争の前にはワーキングプアもやむなしと考える財界のサラリーマン社長や,ITや証券で巨額の利益をあげている社長は,寄付とかしてますかねー。

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2008年1月15日 (火)

コンピュータのキーボードを介してノロウイルスが感染拡大

●ノロウイルスは,キーボードを通しても感染。

リンク: コンピュータのキーボードを介してノロウイルスが感染拡大 ニュース - Yahoo!ヘルスケア.

●この数か月,「ノロウイルスっぽい」と体調を崩している人が,私の周りに何人もいます。かくいう私も,昨年には明らかなノロウイルスによる胃腸炎になり,飲み過ぎ以外で,久しぶりに嘔吐しました。

●キーボードからの感染があるほど,感染率が高いとのこと。手洗い励行しかないようです。

●ちなみに私は今年に入ってからも,ノロウイルスっぽい胃腸炎になりました。とにかく嘔気,我慢していたら発熱,という順番でしたが,何でも西日本,特に四国や九州地方でノロウイルスが流行っているとかいないとか。

リンク: [感染性胃腸炎 県内定点当たり患者数 4週連続で全国最悪 県「理由は不明」] / 大分 (大分,日田) / 西日本新聞.

●ちなみに「感染地:福岡」でした。皆さまもどうぞお大事に!(以下,引用です)

コンピュータのキーボードを介してノロウイルスが感染拡大
ノロウイルスがコンピュータのキーボートやマウスなど共有設備を介してヒトからヒトへ感染することが、米国疾病対策予防センター(CDC)によって報告された。接触感染性の強いノロウイルスは、ウイルス性胃腸炎(stomach flu:胃インフルエンザ)の原因ともなり、数日間にわたる嘔吐や下痢を引き起こす。

CDC発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」1月4日号に掲載された今回の報告は、昨年(2007年)2月に米ワシントンD.Cの小学校で起きたノロウイルスの集団感染に関するもの。生徒314人、スタッフ66人のうち、103人(生徒79人、スタッフ24人)がノロウイルスに感染し、汚染源特定のため、学校の備品表面から検体を採取した。

検査の結果、1年生の教室にあるコンピュータのマウスとキーボードにノロウイルス陽性反応が認められた。共著者でCDCの疫学者のShua Chai博士によれば、ノロウイルスは物体の表面で数日間生存することができるという。

感染の予防法として同氏は、共有設備使用後の手洗いの徹底と、希釈した漂白剤によるキーボードやマウスの定期的な消毒、さらに、感染者は症状が治まっても1~3日間ウイルスを保持し、物を汚染する可能性があるので、外出を控えることを勧めている。

米ニューヨーク州立大学ダウンステートDownstateメディカルセンター(ニューヨーク)のPascal James Imperato博士は「ノロウイルス感染は一般的で、予防はやはり手洗いが基本」という。11月以来、ノロウイルスの流行が見られるニューヨーク市。同市保健衛生局伝染病対策課のSharon Balter氏も「重篤になることは少ないが、他人に感染させないことが重要」としている。

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