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2008年1月18日 (金)

「ゆとり教育」転換と専門教育のカリキュラム

●中教審が,小中学校の授業時間数を30年ぶりに増加させるなど,ゆとり教育を実質的に転換する内容の学習指導要領改定を求める答申を出した。

リンク: 「ゆとり教育」転換を答申.

●昨日のTBSニュース23などの報道によると,学習は「基礎学力」と「考える力」の2つを育てることが重要だが,ゆとり教育では前者よりも後者が重視されていた,しかし,新しい学習指導要領では後者を尊重しつつ,前者に力を入れる,ということなのだそうです。

●教育問題に対して自分がコメントすることはおこがましいことですが,基礎学力とは,現実的に生じるさまざまな問題を解決するために利用可能な「道具」なのではないかと思います。たとえば「英語の能力」という道具なしには,英語の文章は読めません。すると,英語で書かれたすぐれた文献を読み,そこから問題解決の糸口を得たり,新しい知見を得たりすることができなくなり,つまり,「よりよく」「より幅広く」考える機会は失われるのではないかと思います。

●基礎学力は物事を「考える」うえでの道具であるとすれば,その道具の使い方に習熟することは,よく「考える」ことに到達する早道ではないかと思います。以上の意味では,今回の教育方針の転換は望ましいもののように思われますが,いかがでしょうか?

●医療福祉の分野の教育は,一言でいえば専門教育といわれる領域ですが,その内容は専門基礎教育,専門教育,成人教育(卒後教育)とさまざまな次元に分けられます。スキームとしては今回の教育方針の転換は,専門教育の前段階に位置します。専門教育における基礎教育(専門基礎教育)は,「実学」としての要素を十分に満たすだけのカリキュラムを備えているものですが,たとえば医師や看護師のカリキュラムに比べると,社会福祉士や介護福祉士といった後発資格のカリキュラムはカリキュラム構成,内容といった点で,まだまだ改善の余地があるような印象を受けます。今回の学習指導要領改定の方針が,専門教育におけるカリキュラムを再考する機会になってもよいように思います。

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