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2010年12月 6日 (月)

G 失明患者に「人工視力」…国内初 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

リンク: 失明患者に「人工視力」…国内初 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞).

(以下引用)

 大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかどたかし)教授(感覚機能形成学)、神田寛行助教らの研究グループは、網膜の異常で失明した「網膜色素変性症」の患者の網膜を、微弱電流で刺激し、視力を回復させることに成功した。

 6人中5人で効果が確認され、目の代わりとなる小型カメラでとらえた光の動きを追うことができた人もいた。国内で「人工視覚」の成功例は初めて。不二門教授は「数年以内につえなしで歩けるようにしたい」としている。

 目の構造をカメラに例えると、角膜、水晶体がレンズ、網膜がフィルムにあたる。健康な人が見た映像は、電気信号に変換され、網膜、視神経を経て脳の視覚野に送られ、「見える」ようになる。しかし、網膜色素変性症になった人は、網膜の視細胞が徐々に消失するため、信号が視覚野へ届かなくなって光を失っていく。

 不二門教授らは、患者の網膜の外側の強膜の中に、刺激電極のチップ(7ミリ・メートル四方)を装着。チップから微弱電流を流し、眼球内に埋め込んだ帰還電極にあて、返ってきた電流で網膜内にわずかに残った神経細胞を刺激する方法を考えた。

 2005年秋と08年春には、計4人にチップを装着。手術中のわずかな時間に光の刺激を与えたところ、3人が光の方向を判別できた。

 今年4~7月には、失明して10年以上になる女性2人に1か月間チップを装着しCCDカメラをおでこにつけてもらった。カメラで取り込んだ画像情報は、体外の装置で電気信号に変換され、体内装置を経て、強膜内のチップに送られた。

 千葉県の女性(67)はパソコンの黒い画面上に不規則に現れる白色の棒をカメラで見て、位置を指さすことができた。女性は「闇の世界でしたが、白い光がはっきり見え、棒の位置を追えました。光が見えるというのは素晴らしい」と話す。

 人工視覚の研究で先行する米国とドイツは、網膜を直接刺激する方法を採用している。米・南カリフォルニア大の研究では、17人が平均14か月電極を装着し、中にはアルファベットの文字が読めるまでに回復した人もいるという。しかし、網膜を傷つける危険性もあるため、強膜に電極チップを置く大阪大の手法のほうが、安全性は高い。

 不二門教授は「色の識別は無理だが、白黒が分かれば、指の数が分かる視力くらいまで回復する。生活の質は上がる」と話している。

 網膜色素変性症:網膜の視細胞が徐々に失われていく進行性の病気。原因は遺伝子の異常とされているが、根本的な治療法はない。国内の患者数は3万~5万人とされ、失明原因の約2割を占めている。

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