カテゴリー「呼吸器系」の19件の記事

2007年9月 6日 (木)

全世界のCOPDの罹患率は、予想以上に高い

●COPD(慢性肺塞栓疾患)の罹患率は、これまで考えていたよりも高いかもしれない。

リンク: BBC NEWS | Health | Lung disease rates 'on the rise'.

●COPDは主に喫煙を原因とする肺の疾患で、肺の機能が極端に落ちる不可逆性の疾患である。このたび12か国の人々を対象にしたスパイロメータによる呼吸機能の調査から、COPDに罹患している人が、これまで考えられていたよりも、かなり高い率にあるということが報告された。

●米国の研究者が発表。40歳以上の9,500人を対象に調査したところ、男性では11.8%、女性では8.5%の罹患率が認められた。この数値は、これまでの研究よりも高い数字であり、注目すべきことに、非喫煙者でも、相当の罹患率があることがわかった。

●研究者は、「たばこを止めることが長生きするうえでは重要である」と述べていますが、一方、「世界中の喫煙者がたばこを止めても、ここ20年はCOPDの罹患率は上昇するだろう」と述べています。

●ちなみに、COPDは現在、世界の死因の第5位であり、2020年までには第3位にあがると予測されています。

●記事では、COPDを喫煙のみならず、環境的な要因や、社会経済的な要因との関連においても研究する必要があると、指摘しています。

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2007年8月 1日 (水)

レーザープリンターが肺に傷害を及ぼす可能性

●レーザープリンターが肺に及ぼす害は、タバコの害と同じ?

リンク: BBC NEWS | Asia-Pacific | Office printers 'are health risk'.

●オーストラリアの研究者が発表。レーザープリンターのトナーは印刷時、大気中に飛散し、肺に吸入されることで、害を及ぼす可能性があるとのこと。機序はタバコの煙が肺に害を及ぼす仕組みと同じです。

●60台以上のレーザープリンターを調査したところ、およそ1/3のプリンターで印刷時、トナーが大気中に放出されていることがわかりました。肺の炎症から慢性疾患まで、さまざまなレベルでの傷害が予測されますが、新しいカートリッジを使用した場合、図表などの印刷で多くのトナーが必要になる場合などに、トナーの放出が多くなるそうです。

●研究者は、プリンターを使うオフィス内の換気等について、政府が規制を設けるべきだと述べています。

●レーザープリンターが非常に多くのオフィスに設置されている状況を考えると、アスベストに対する中皮腫といった特異的な傷害が起こっていないかなど、やや心配になります。もう少し詳しい情報がほしいところですが、プリンタを製造している会社には、期待できないでしょうね……。

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2007年5月22日 (火)

たばこが1000円になると、喫煙者の9割が禁煙

●たばこ価格を現在の2倍以上と欧米並みに値上げすると、ヘビースモーカーの約3割が禁煙を試みる。

リンク: たばこ代、2倍なら3割が禁煙検討・京大教授ら分析.

●ニコチン依存度別に喫煙者を3グループに分類したところ、最もニコチンへの依存度が高いグループでは、価格が600円になると、3割の人がやめたいと思い、700円では約半分、1000円では9割が禁煙を考えると回答した。

●一方、そのグループでは、喫煙による死亡リスクなどを示しても禁煙を促す効果はなかった。

●この内容は十分予想できるものですが、なかなかおもしろいです。なお、この記事でさらに気になるのは、研究が「禁煙に意欲を見せる条件を“行動経済学”の手法で分析した」という一節でした。

●行動経済学とは、経済を「市場」という要素だけでなく、人間の「心理」という要素からみる学問なのだそうです。なるほど。

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2007年3月17日 (土)

心肺蘇生は心臓マッサージだけで十分?

●心肺蘇生法は、心臓マッサージだけで十分?

リンク: Chest presses, not breaths, better CPR - Yahoo! News.

●心肺蘇生法(CPR)は、心臓が止まっているときに、そばにいる人が救急救命処置を行うことであるが、基本的な方法としては、心臓マッサージ30回に対して、口から口への人工呼吸を1回行うことが、日本でも世界でもスタンダードになっている。

●しかし、人工呼吸は行わず、心臓マッサージだけを行ったほうが、効果的であるという研究が、英国の医学誌 Lancetに掲載された。

●日本の研究者が発表。4068人の心肺停止状態の患者を分析した。439人が心臓マッサージだけを受け、712人が心臓マッサージと人工呼吸を組み合わせた、いわゆるCPRを受けていた。しかし、良好な神経学的機能を維持できた生存者では、前者では22%だったが、後者では10%に過ぎなかったという。

●ただし、この研究におけるCPRは、心臓マッサージ15回に人工呼吸2回という古い方法に従っているので、現在標準となっているCPRと、単純に比較することはできない。

●この研究に対して米国心臓協会は、人工呼吸を組み合わせたCPRを標準とする方針は変わらないが、心臓マッサージだけのCPRでも、救命にかかわる人が口移しの人工呼吸を「したくない、またはできない」場合は十分であると述べている。

●非常に興味深い研究です。たしかに口移しの人工呼吸には、場合によっては抵抗があります。まずは、心肺蘇生法における心臓マッサージの重要性を認識することが、重要であるようです。この研究が、今後どのような影響を及ぼすか、注目です。

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2007年2月 2日 (金)

イレッサ、日本でも積極的選択に根拠なし

●肺がんの抗がん薬イレッサについて、従来の抗がん薬と比べて生存期間を延ばすとはいえないと、輸入発売元のアストラゼネカ社が発表した。

リンク: イレッサ:厚労省「積極的選択、根拠なし」 延命効果、既存薬超えず-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●日本人患者500名を対象にした臨床試験の結果から。イレッサは欧米では延命効果が証明されていなかったが、東洋人では延命効果が示唆されるとして、販売を認められていた。

●イレッサについては、「ある種の患者さんには劇的に効く」という声を聞く。しかし、すでに日本人を対象にした調査で、他の抗がん薬に比べて急性肺障害や間質性肺炎などの重篤な肺障害を起こすリスクは3倍にのぼることが知られている

●アストラゼネカ社の報告を受けて、厚労省の担当機関は、「肺がん患者の2度目、3度目の抗がん剤治療で、一般的にドセタキセルと比べイレッサを積極的に選択する根拠はない」という見解を出している。

●このコメントを聞くかぎりでは、初回治療での効果をみて判断する必要があるということかもしれません。今なお、期待のかかる薬剤だけに、ちょっと残念な報告です。治療を必要としている患者さんはもちろんのことですが、輸入販売元も落胆していることでしょう。

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2007年1月16日 (火)

アスピリンに成人の喘息の増悪を抑える作用

●アスピリンを一日おきに摂取すると、成人の喘息の増悪を抑えられる可能性がある。

リンク: BBC NEWS | Health | Aspirin 'stops asthma developing'.

●米国22,000人を対象とした調査から。アスピリンの抗炎症作用による。ただし、喘息を起こしている患者に投与すると、さらに増悪する可能性があるので、注意が必要である。

●この研究は、アスピリンを一日おきに摂取した場合の身体への影響を調査したもので、喘息患者が喘息を発症するリスクは、22%低下するという。なお、心臓疾患の患者では、発作のリスクが44%低下するという。

●記事では、アスピリンは重篤な気管支攣縮を起こす可能性があるので、喘息症状の改善を目的としては、アスピリンを投与すべきではないと警告しています。もちろん、小児にも使用すべきではありません。

●最近の研究で、喘息患者の5人のうちの1人は、アスピリンの重篤な副作用が出るリスクが2倍になることが知られています。

リンク: BBC NEWS | Health | Aspirin warning to asthmatics.

●アスピリンの薬効については、抗炎症性として痛み止めはもちろん、心疾患リスクの低下、前立腺肥大防止など、さまざまな効果が報告されています。アスピリンといえば伝統的な薬剤ですが、腸出血などの副作用もあるとはいえ、効果のわりに副作用が少ないといった使い勝手のよさが、長く使われている理由なのかもしれません。

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2006年10月11日 (水)

フランスでもバーやレストランで喫煙できなくなる

●フランスでも、パブリックスペースでの喫煙ができなくなる。

リンク: BBC NEWS | Europe | France to ban smoking in public

●米国ニューヨークやアイルランドなどではレストランやバーなどでの喫煙が認められていないが、来年2月からフランスでもこういったスペースでの喫煙が認められないことになった。

●フランスでは、受動喫煙で1日に13人が死亡している(タバコに関連する死者が6万人、受動喫煙での死者が5000人)。

●ただし、通りやホテルなどの部屋での喫煙はOK。フランスでの世論調査によると、この政策を70%の人が支持している。

●個人的には、フランス人とタバコは切り離せないイメージがありますが、これは100%フランス映画の影響です(JPベルモントにジャン・ギャバン)。受動喫煙の害は明らかになっています。同様の措置は、早晩日本でも避けられないと思われます。

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2006年10月10日 (火)

バイアグラは睡眠時無呼吸を悪化させる

●バイアグラの服用で睡眠時無呼吸が悪化する。

リンク: Viagra may aggravate severe apnea - Yahoo! News.

●米国の研究者が発表。バイアグラ(一般名シルデナフィル)は、勃起障害の薬物として有名で、一酸化窒素の作用を遷延させる機能がある。しかし、これにより上気道が充血し、気道が圧迫されて睡眠時無呼吸が引き起こされるというわけである。

●研究は14人を対象にしたもので、規模からいってもすべての睡眠時無呼吸患者に該当するものではない。しかし、研究者は「睡眠に関連する呼吸障害がある患者では、バイアグラの服用は十分に配慮すべきである」といっています。

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2006年9月29日 (金)

イレッサ副作用、重篤な肺障害のリスクは3倍以上

●肺がん治療薬の「ゲフィチニブ(商品名イレッサ)が重い肺障害を起こすリスクは3倍以上になる。

リンク: イレッサ副作用死:重い肺障害の発症率3倍 輸入元、国内で発症比較-健康:MSN毎日インタラクティブ

●イレッサが重篤な副作用をもたらすことはよく知られているが、今回の報告は日本人を対象にした(おそらく)初めての調査である。結果は、他の抗がん薬に比べて、急性肺障害や間質性肺炎などの重篤な肺障害を起こすリスクは3倍以上にのぼる、というものだった。

●特に投与から4週間の危険性が高く、3.8倍だった。

●イレッサはある種の肺がんに非常に効果的であることがわかっている。しかし、喫煙経験者では効果が出にくいという報告もある。よい薬(効く薬)だけに副作用も大きいというわけですが、患者は副作用を十分に認識して、服用する必要があるといえます。

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2006年8月 4日 (金)

睡眠時無呼吸で高齢者が脳梗塞に

●睡眠時無呼吸症候群のある高齢者は、脳梗塞になりやすい。

リンク: Severe sleep apnea raises stroke risk in elderly Reuters.co.uk.

●睡眠時無呼吸症候群のある高齢者が脳梗塞になるリスクは、そうでない高齢者に比べて2倍以上になる。

●スペインの研究者が発表。70~100歳の高齢者394人を追跡研究した結果。睡眠時無呼吸症候群の治療には、睡眠時に「持続的陽圧呼吸療法(CPAP)」のマスクをつけるのが一般的ですが、研究者もこの治療を推奨しています。

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