リンク: イレッサ被害「防げたはず」 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞).
ちょうど昨日(1月19日),東京駅でイレッサ関連の抗議行動をみかけました。また,ちょうど昨日はテレビでも,海外で使用されている新薬承認の省略化に関する番組がくまれていました。いろいろと難しい問題が含まれています。
(以下引用)
元薬系技官トップが厚労省批判
肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の副作用で死亡した患者の遺族らが国とアストラゼネカ社に損害賠償を求めた訴訟で、東京・大阪両地裁が被告の救済責任を認め和解を勧告したことについて、旧厚生省の薬系技官トップだった土井脩氏(67)が読売新聞の取材に応じ、イレッサを巡る厚生労働省の審査・安全対策の問題点を指摘し、早期解決を求めた。
薬務行政の元責任者が古巣の施策を批判するのは異例で、波紋を広げそうだ。
土井氏は、イレッサ問題が起きる前年の2001年1月まで、医薬安全担当審議官を務めた。1993年、抗ウイルス剤ソリブジンと抗がん剤を併用した患者が死亡した薬害の発生当時は、安全対策の担当課長だった。
イレッサは02年7月、世界に先駆けて日本で承認されたが、まもなく間質性肺炎の副作用で死亡例が次々に報告された。土井氏は「最初に承認したのはよいが、前後の対応が問題。行政がやるべきことをやっていれば被害はかなり防げたはず」と話す。間質性肺炎については審査で指摘され、薬の添付文書にも盛り込まれたが、目立たない記載で現場に浸透しなかった上、その後の安全対策にも問題があった、という。
まず承認の際、条件として全例調査を義務づけなかったのを「間違い」と言う。全例調査は、懸念のある薬の場合、使える医師を限定し、すべての投与患者を把握して、承認後も安全監視を続ける仕組み。土井氏は「イレッサにはこの条件が付かず、無防備に使用が拡大した」と指摘する。
事後の対策では、「重大な副作用報告があったら迅速に対応すべきだ。イレッサの場合、緊急安全性情報を出して現場に注意喚起するまで3か月もかかった」と問題視する。ソリブジン薬害では、報告1週間後に緊急安全性情報が出た。
厚労省は、今回の裁判で国の責任を認めると、薬の審査を慎重にせざるを得なくなり、抗がん剤などの承認が難しくなるとの懸念を示している。
土井氏は「国があつものに懲りてなますを吹く対応をせず、懸念材料があれば条件つきで承認し、責任を持って審査から市販後まで一貫した安全対策を強化すれば、そんな問題は起きない」と断言。「裁判で無駄な時間を費やすより、患者の立場に立った対策に力を尽くすべきだ」と語った。
地裁和解勧告でも土井氏同様の所見
イレッサ訴訟で東京地裁が7日に示した和解勧告では、土井氏の指摘通り、ソリブジン薬害の教訓が生かされなかったことを問題視する所見が示されていた。
イレッサの添付文書では、間質性肺炎についての記載が「重大な副作用」を示す欄の4番目と、目立たない扱いだった。ソリブジンもイレッサ同様、添付文書の記載が医療現場で見落とされ、被害につながった。ソリブジン薬害を契機に、重要な事項は前に記すよう添付文書の記載要領が改められたが、イレッサで同じ過ちが繰り返された。
所見はソリブジン薬害に触れた上で、「(イレッサでも)重大な副作用欄の初めに記載したうえ、致死的なものとなりうることについて記載する行政指導を行うことが適切であった」などと指摘した。和解勧告への回答期限は今月28日。原告は受け入れを表明したが、被告は国、アストラゼネカ社とも態度を保留している。
(2011年1月19日 読売新聞)
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