カテゴリー「薬剤」の59件の記事

2008年9月22日 (月)

サリドマイド,骨髄腫治療薬として製造販売承認へ

●サリドマイドの国内製造販売承認へ。

●サリドマイドは近年,血液のがんである骨髄腫の治療薬として個人輸入により使用されていた。患者団体などから,骨髄腫としての製造販売が求められていた。

●サリドマイドは1950年代に睡眠薬として発売されたが,妊婦の服用による催奇性が問題となった。

●サリドマイドにはがん治療薬としての効果は少ないという意見もあるようだが,再発性・難治性の多発性骨髄腫患者にとっては,待望の承認である。

リンク: サリドマイド、骨髄腫治療薬として製造販売承認へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●以下引用。「厚生労働省は18日、胎児の四肢などに深刻な障害を生んだ催眠鎮静剤サリドマイドを、血液がんの一種、多発性骨髄腫の治療薬として製造販売を承認する方針を決めた。

 年内にも国内企業による販売が再開される見通しだ。

 同日の有識者検討会で、原則として妊婦の服用を避けるため、〈1〉承認を申請した藤本製薬(大阪府松原市)が患者、医師、薬剤師を登録し、処方量や服用量を管理する〈2〉妊娠の可能性がある患者には処方前に妊娠の有無を検査する〈3〉飲み残さず、不要になったら返却する――などの必要事項を決めた。

 これらが守られていることを監視するため、厚労省や専門家のほか、患者、サリドマイド被害者の代表で構成する第三者評価委員会をつくり、違反があれば処方を中止させる。評価委の運営は国が財政支援し、薬害防止に厚労省が大きく関与する。

 厚労省は承認後、準備が整った病院から段階的に処方を認める方針。保険の適用対象は、推定1万3000~1万4000人の患者のうち再発性・難治性の患者で、治療薬の選択肢が広がることになる。

 多発性骨髄腫に対するサリドマイドの有効性は1990年代後半に報告され、海外17か国で承認済み。国内では2000年ごろから医師が未承認のまま推定800人の患者に処方している。

 サリドマイドは鎮痛剤や胃腸薬として1958年に国内で発売され、つわり止めに使った妊婦の胎児に障害が相次いだ。認定被害者は309人に上り、62年に販売が中止された。

(2008年9月18日20時26分  読売新聞)」

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2007年9月19日 (水)

インクジェット技術を応用した、痛みのない注射針が発明された

●インクジェットのカラープリンターの技術を応用した、新しい注射のシステムが開発された。実用までには3年ほどかかるとのこと。

リンク: BBC NEWS | Health | Patch promises painless injection.

●この注射は、痛みを感知するレセプターがある皮膚の深さまで、針が達しないため、まったく痛みを感じずに、注射を受けることができるそうです。(詳しくは、リンク元のイラストを参照。)

●これまで、パッチ式の薬物投与といえば、禁煙パッチによるニコチン投与や、鎮静薬などのパッチがある程度でしたが、ほとんどの薬物は分子が大きく、皮膚の角質層を通しての投与はできないのが現状でした。このシステムでは、角質層を通過して、表皮で針が止まり、かつ真皮には届かないため、分子が大きい薬物も投与できるのだそうです。なお、痛みを感知するレセプターは、真皮に存在するため、それを刺激しません。

●研究者によれば、このシステムは「痛み」はないものの、「猫が舐めたような」感覚があるそうです。(これはこれで、気持ちが悪いかも!)

●また、注射針があけた穴にバクテリア等が侵入して、感染を引き起こす可能性も、ないとはいえないとのこと。「角質層は身体の内側を保持し、外界を遮断する皮膚層であって、その目的のために完璧にデザインされている」のだそうです。その精妙なデザインを、薬物が必要な易感染性の状態で壊した場合には、大きな危険を生じないとはいえません。

●もっとも、医学の進歩はそのせめぎ合いであり、結果として、そこそこよい成果が生じている現状をみれば、これはポジティブに考えるべきなのだと思いますが、いかがでしょうか? なお、この技術の特許は、HP(ヒューレットパッカード)社がもっているそうです。

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2007年6月 4日 (月)

タミフル大量使用で、河川を介して薬物耐性ウイルスが生じる可能性

●タミフルが大量に使用されると、尿に排出された薬の成分が河川の水を介して野鳥の体内に入り込み、タミフルが効かないタミフル耐性ウイルスが生じる恐れがある。

リンク: タミフル大量使用時、河川介しウイルス耐性化の恐れ・英チーム.

●英国の研究者が発表。1つの薬を使うと、その薬に対する耐性をもったウイルスや菌が生まれることは、よく知られています。そのメカニズムはよくわかっていませんが、今回の研究では、尿→河川→野鳥という感染経路が示されたことが、興味深いといえます。

●研究者は、し尿処理段階で、薬剤成分を不活化するなどの対策を講じるべき、と述べています。

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2007年4月23日 (月)

ジェネリック医薬品優先使用へ、処方せん様式変更?

●ジェネリック医薬品(後発薬)の普及を図るために、処方箋様式が変更される見込み。

リンク: 処方せん様式変更、後発薬を優先使用 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●厚労省は処方箋の様式を改め、あえて新薬を選ぶ場合は、医師が処方箋に理由を明記することを求める方針を示した。これまでは新薬の使用が標準だったが、ジェネリック医薬品が標準となる。

●現在の処方箋様式は、「後発品への変更可」という欄があり、そこに医師の署名があれば、薬局などでジェネリック医薬品が処方できる仕組みになっている。

●しかし、中医協の調査では、ジェネリック医薬品が処方されたケースは全体の1%未満だった。ジェネリック医薬品の価格は、新薬の4~7割。欧米では使用される薬品の4~5割がジェネリックで、日本でも欧米並みに普及すれば、年間1兆円程度の医療費が抑制できるという。

●新薬の開発には膨大な開発費が必要で、大きな会社しか開発できないのに対して、ジェネリック医薬品は中小の製薬会社が多いのが実態です。新薬の特許は20年以上であり、その間の利益は守られます。

●一方で、ジェネリック医薬品は「供給が不安定」である、あるいは「薬効に問題がある」ことから、信頼できないといった話をたびたび聞くことがあります。こういった話が真実であるのか、あるいは単なる(または悪意のある)「うわさ」に過ぎないのかは、わかりません。

●医療者が薬に関して得ている情報の多くは、製薬会社の営業マン(MR)が提供したものであるという独特の「構造」も、考慮する必要があります。処方箋様式の変更は、中央医療協議会で議論されることになりますが、中医協に参加している製薬会社も、もちろん大会社です。さて、どうなる?

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2007年4月20日 (金)

ホルモン代替療法(HRT)で卵巣がんのリスクが上昇

●ホルモン代替療法(HRT)で卵巣がん、乳がん、子宮がんのリスクが上昇する。

リンク: BBC NEWS | Health | HRT linked to ovarian cancer risk.

●HRTは更年期障害の人にホルモンを注射することで、症状を軽減する療法で、骨粗鬆症予防などにも効果があることから、広く行われている。しかし、すでに2003年の研究で、乳がんのリスクが2倍にあがることが知られていて、心疾患のリスクも上昇するなどの報告もある。

●今回の調査は英国の研究者が発表したもので、95万人にものぼる閉経後女性を対象にしている。それによると、HRTを行っている女性では、行っていない女性に比べて、卵巣がんに罹患し、さらに死に至るリスクが20%増加することが明らかになった。

●ただし、卵巣がんのリスクは、HRTを中止すれば数年以内に、標準レベルに戻るという。

●専門家は、特に死に至るリスクが上昇することに注目しています。また、HRTを行う期間は、できるだけ最小限の期間とすべきであると警告しています。

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2007年4月16日 (月)

高血圧の原因は脳内にある?

●高血圧の原因は心臓や血管にあるのではなく、脳内のタンパク質にある可能性がある。

リンク: BBC NEWS | Health | Blood pressure 'is in the brain'.

●そのタンパク質とはJAM-1と呼ばれるもので、脳内で白血球を捕捉し、血流を阻害する働きをもつ。これにより、炎症を生じ、脳への酸素供給が低下する。

●英国の研究者は、この作用が血圧の上昇を引き起こしているのではないかと推測、ラットでの実験で証明されたという。

●ただし、その正確な機序はわかっていない。研究者は、これまで高血圧の原因と考えられていたさまざまな原因とは別に、脳内のしくみにあるとされるのは画期的であると述べています。今後の展望として、このしくみをさらに明らかにして、それをターゲットにした薬物等の開発を考えているようです。

●高血圧が原因で頭痛などの症状が出ることはよくあることですが、こうした症状を緩和するきっかけとなるかもしれません。研究は初期段階とのことです。

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2007年4月 6日 (金)

がんの治療によって、かえってがんが転移しやすくなる可能性

●がんの手術や化学療法、放射線療法を行うと、かえってがんが転移しやすくなる可能性。

リンク: Treatment may fuel cancer's spread, study finds | Health | Reuters.

●この現象は、臨床的にはよく知られている事実ですが、どうやらその原因の1つは、TGF-βという体内物質(サイトカイン)にあるようです。

●米国の研究者が発表。がんのマウスに化学療法を行ったところ、TGF-βのレベルが上がるとともに、乳がんの肺への転移がみられた。しかし、TGF-βを阻害する抗体を投与したところ、転移は起こらなかった。

●研究者は、TGF-βを阻害する薬物を開発することによって、がんの再発を防ぐことができるだろうと述べています。また、今後は、どの程度TGF-βレベルがあがると、再発や転移が生じるのかを見極めたいとしています。

●もっとも、がんの転移や再発に関連する体内物質は、TGF-βだけではありません。研究者いわく、「TGF-βは氷山の一角に過ぎない」とのことです。

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2007年4月 2日 (月)

バクテリアがセロトニンを活性化し、うつ状態を改善する可能性

●泥にまみれると、免疫系のはたらきが活発になるといわれているが、うつ状態も改善する可能性がある。

リンク: BBC NEWS | Health | Dirt exposure 'boosts happiness'

●土中に一般的にみられるバクテリアと接触している肺癌患者では、QOLの改善がみられることが明らかになっている。同様に、同じようなバクテリアをマウスに接触させたところ、バクテリアに接触させない場合と比べて、脳内物質の1つ、セロトニンが多く分泌されることが明らかになった。

●英国の研究者が発表。ヒトでは、セロトニンの欠如がうつ病やうつ状態と関連していることはよく知られている事実ですが、どうやらバクテリアは、セロトニンを活性化するはたらきをもっているということらしいです。

●研究者はこの研究によって、「いかにして身体が脳とコミュニケーションをとっているか、さらに、どうして健康な免疫系が精神的な健康を維持するうえで重要なのかを理解することに役立つだろう」と述べています。

●セロトニンと免疫系の関係については、同様の研究がさまざまな形で行われていて、セロトニンは免疫系において重要な役割を果たす細胞間を移動していることや、さらに化学物質が免疫反応を活性化することが、近年明らかになっているそうです。

●ヒトの免疫機構は、健康と疾病に必ずかかわっているといっても過言ではありませんが、その仕組みはまだはっきりとわかっていないという「不思議な」領域です。原因不明の自己免疫疾患のメカニズムを理解するヒントになるかもしれませんし、セロトニンを活性化・不活化して免疫系を亢進・抑制する新しい薬物の開発などが、期待されるかもしれません。

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2007年3月30日 (金)

アルツハイマー病患者に抗精神病薬を投与すると、寿命が短くなる

●アルツハイマーの患者に抗精神病薬を投与すると、寿命が縮まる。

リンク: Dementia patients dying early on sedatives: study | Health | Reuters.

●アルツハイマー病の患者に鎮静を目的として抗精神病薬を処方すると、抗精神病薬を服用しない患者に比べて、平均で6か月、寿命が縮まることが明らかに。

●英国の研究者が発表。行動に問題がある高齢者に対して、抗精神病薬を処方する医師は少なくない。記事によると、老人ホームに入所しているアルツハイマー病患者の45%以上に、抗精神病薬が処方されている。

●日本でアルツハイマー病患者にどのくらい抗精神病薬が使用されているかはわかりませんが、少なからず使用されていることは間違いありません。いいか悪いかは別にして、このような作用があるということは、十分にふまえておく必要があると思います。

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2007年3月26日 (月)

昆虫が二酸化炭素に反応するメカニズム

●蚊などの昆虫が、呼気(吐く息)の二酸化炭素に反応しやすいことはよく知られているが、蚊がどのようにして二酸化炭素を感知しているか、そのメカニズムが明らかになった。

リンク: BBC NEWS | Health | Mosquitoes target exhaled breath.

●米国の研究者が発表。ショウジョウバエの研究から、ショウジョウバエが二酸化炭素を感知する2つのタンパク質レセプター、Gr21aとGr63aをもっていることを発見した。この2つのレセプターが働くと、昆虫の神経細胞が二酸化炭素によって反応するのである。

●実際に、突然変異によって一方のレセプターがなくなったハエでは、高濃度の二酸化炭素に反応しなかった。

●この研究は、マラリアなどの昆虫による伝染病の予防等に有用であるとのこと。防虫剤として蚊が嫌いな成分を明らかにすることにつながることが期待されるのだそうです。

●一方、別の研究者は、「この研究は、蚊を人間から引き離すための誘引剤をつくるためにも使えるのでは」と言っています。蚊は血液を求めて長距離を移動すればするほど、蚊自身の死亡率が上昇し、感染力が低下するのだそうです。

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