カテゴリー「難病」の11件の記事

2007年4月 2日 (月)

バクテリアがセロトニンを活性化し、うつ状態を改善する可能性

●泥にまみれると、免疫系のはたらきが活発になるといわれているが、うつ状態も改善する可能性がある。

リンク: BBC NEWS | Health | Dirt exposure 'boosts happiness'

●土中に一般的にみられるバクテリアと接触している肺癌患者では、QOLの改善がみられることが明らかになっている。同様に、同じようなバクテリアをマウスに接触させたところ、バクテリアに接触させない場合と比べて、脳内物質の1つ、セロトニンが多く分泌されることが明らかになった。

●英国の研究者が発表。ヒトでは、セロトニンの欠如がうつ病やうつ状態と関連していることはよく知られている事実ですが、どうやらバクテリアは、セロトニンを活性化するはたらきをもっているということらしいです。

●研究者はこの研究によって、「いかにして身体が脳とコミュニケーションをとっているか、さらに、どうして健康な免疫系が精神的な健康を維持するうえで重要なのかを理解することに役立つだろう」と述べています。

●セロトニンと免疫系の関係については、同様の研究がさまざまな形で行われていて、セロトニンは免疫系において重要な役割を果たす細胞間を移動していることや、さらに化学物質が免疫反応を活性化することが、近年明らかになっているそうです。

●ヒトの免疫機構は、健康と疾病に必ずかかわっているといっても過言ではありませんが、その仕組みはまだはっきりとわかっていないという「不思議な」領域です。原因不明の自己免疫疾患のメカニズムを理解するヒントになるかもしれませんし、セロトニンを活性化・不活化して免疫系を亢進・抑制する新しい薬物の開発などが、期待されるかもしれません。

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2007年2月 5日 (月)

遺伝性ALSにワクチン開発

●遺伝性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するワクチンが開発されるかも。

リンク: 難病のALSにワクチン、日・カナダ開発 .

●日本とカナダの研究者が発表。現在はマウスで延命効果が得られた段階だが、ヒトへの応用が可能であるとのこと。

●ただし、遺伝性のALSは全体の1割にすぎないが、遺伝子の欠陥が、SOD1という酵素に影響を与え、突然変異を生じ、ALSを引き起こすといわれている。

●今回のワクチンでは、突然変異したSOD1の働きを抑える抗体をつくることができるそうです。

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2007年1月30日 (火)

HIV治療薬などが、タイで複製される可能性

●タイ政府が、特許の効いている薬剤のコピーに、許可を出すかもしれない。

リンク: BBC NEWS | Asia-Pacific | Thailand backs patent drug copies.

●タイ政府の保健相は、HIV治療薬のカレトラ(一般名はロビナビル・リトナビル)と、抗血小板薬のプラビックス(一般名はクロピドグレル)について、国内でコピー商品を生産・発売することを容認する発言をし、波紋を呼んでいる。

●保健相は、タイではHIV感染者が50万人いるが、高価な薬剤を買える人はわずか1/5に過ぎないこと、また、プラビックスを国内で生産した場合、コストは1/10に抑えられることをあげ、タイ国内の公衆衛生が危機に瀕している現状では、こうした措置は容認できると発言しています。

●こうした動きは、インフルエンザ治療薬ではすでに始まっています。当然のことながら、この発言に対して、製薬業界からは反発の声が、エイズ支援グループからは賛成の声があがっています。

●HIVからエイズへの移行は、薬剤の進歩によって、以前と比べて格段に抑制されるようになっています。しかし、HIV治療薬は高価であり、先進国では利用できても、アジアやアフリカの多くの国の患者は利用できないのが現状です。

●技術は手の届くところにあるのに、経済的理由で利用できないというシチュエーションが、こと「生命」とかかわる場合に、どのように考え、行動すべきなのか―この答えは、たしかに簡単であるように思います。しかし、現在の世界では、国が豊かであることと企業の業績がよいことは、切り離せなくなっています。そういう世界に住んでいるなかで、こうした問題に向き合うことは、非常に難しいように思います。でも、しっかりと向き合い、解決しなければなりません。

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2006年12月15日 (金)

ヒトES細胞作製、国内で2施設目が承認される

●ヒトES細胞の作製計画について、文科省が2施設目を承認した。

リンク: ヒトES細胞の作製計画、文科省委が2施設目承認 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●今回承認されたのは、国立成育医療センター研究所。国内では、京都大学再生医科学研究所に続く2施設目となる。

●ヒトES細胞は受精卵に由来する細胞で、身体のさまざまな臓器や細胞になる可能性がある。クローン技術とともに、将来的に医療に応用されることが期待されている。

●受精卵を使用することから、倫理的な問題が大きな懸念となっていますが、今後も研究を申請する施設は増えるものと思われます。ES細胞を使った臓器や組織でしか、治療の見込みのない患者がいます。事柄の説明責任および情報の透明性を、しっかりと保証するシステムをつくることが必要になると思われます。

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2006年12月13日 (水)

潰瘍性大腸炎、パーキンソン病の軽症患者が、難病補助から外れる?

●厚労省が、いわゆる難病である「特定疾患」のうち、潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の軽症患者への医療費補助を、打ち切ることを決めた。

リンク: 潰瘍性大腸炎、パーキンソン病 軽症を補助対象から除外 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●特定疾患は、原則として患者数が5万人未満の疾患が選ばれるが、潰瘍性大腸炎の補助対象者は約8万人、パーキンソン病は約7万2000人に上る。このうち軽症者は、潰瘍性大腸炎では2/3、パーキンソン病では1/2にあたる。

厚労省は原案を出した後、「患者団体から聞き取りなどを行い、具体的な補助範囲を決める」としていたが、原案とほぼ変わらない内容のようである。最初から医療費抑制という「結論ありき」の議論だった。

●今回の補助削減により、400億円近くを削減できるそうだが、潰瘍性大腸炎にしてもパーキンソン病にしても、患者が仕事を得て普通の生活をするには、非常な困難を伴う。それゆえ特定疾患であり「難病」なのである。

●国民医療費が30兆円を超えるなかで、400億円という数字は、大きいともいえるし、小さいともいえる。しかし、医療費の削減には、薬剤や検査など、もっと効果的に圧縮できる領域がある。少なくとも、こうした「難病」で低所得の患者には、自己負担を免除するなどの措置を講じるべきだと思います。

●財務省の言うことしか聞かなくなった厚労省に、もはや期待できません。せめて政治の場で、十分な議論をしていただきたいものです。

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2006年12月 5日 (火)

たんの吸引行為、ヘルパーに全面解禁へ

●のどや気管にたまった「たん」の吸引行為について、ヘルパーなどの介護職に、全面解禁するかを検討する検討会が、年明けに設置される。

リンク: たん吸引行為、ヘルパーへの解禁を検討会で是非判断 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●ヘルパーによるたんの吸引行為は、一時的な措置として3年前から認められている。

●しかし、本来この行為は、医師や看護師にしか認められていない医療行為とされている。もっとも、在宅療養者の吸引は本来、本人と家族が行っていたものである。医療行為として高度な技術を要するかといえば、疑問が残るともいえる(もちろん、上手な吸引という技術はある)。

●ヘルパーの吸引は、最初はALS(筋萎縮性側索硬化症)患者、次に他の在宅療養者・障害者に暫定的に適用された。これを恒久化するのは、自然の流れといえるだろう。

●日本の医療福祉では、医師は医師の領域、看護は看護の領域、介護は介護の領域と、それぞれの技術の領分が明確に決まっていました。しかし、介護保険制度が始まり、医療費の抑制が叫ばれるなかで、枠組みを緩めざるをえない状態が生じてきました。

●欧米でも人件費を抑えて医療費を抑えるという観点から、本来医師のものであった仕事を看護師に、看護師の仕事を介護職に、という流れができています。

●恒久的な実施に関しては、ヘルパーの技術の担保をどうとるかが問題になると思われます。養成課程の充実や現任教育が必要になると思われますが、前向きな検討になることを期待します。

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2006年9月23日 (土)

脳梗塞治療薬エダラボンとALS

●脳梗塞の治療薬であるエダラボンを、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬として、保険適用するよう求める20万人分の署名が提出された。

リンク: ALS:治験薬エダラボン、「早く保険適用を」--患者団体-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●ALSは治療法のない難病であるが、エダラボンにより、ALSの進行が抑えられるとの報告がある。不勉強を恥じるしかありませんが、私は初めて聞きました。

●すでにALSの患者さんでエダラボンを使っている人は多いようですが、患者の負担は10万~30万円になるそうです。

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2006年8月10日 (木)

パーキンソン病と潰瘍性大腸炎の公費補助が見直される

●パーキンソン病と潰瘍性大腸炎の「特定疾患」としての公費補助が見直される。

リンク: パーキンソン病と潰瘍性大腸炎、公費補助絞り込みへ : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

特定疾患として医療費の公費補助が行われている疾患は45疾患にのぼるが、そのうち最も患者数の多いパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)と.潰瘍性大腸炎について、公費補助対象者を重症者に絞ることになった。

●記事によると、「患者数が5万人を超え、「希少な病気」と言えなくなったため」で、厚生労働省は「今後、患者団体から聞き取りなどを行い、具体的な補助範囲を決める」という。

●特定疾患とは、治療が困難で、医療費や介護などの負担が大きく、全国的規模での研究が必要な疾患のこと。医療費の全額または一部を公費で負担している。

●特定疾患の患者は、普通に働いたり生活することが難しい。今後患者はどのように生活を維持し、また家族や介護者はどのように支えていくのだろうか。「自己責任」の安易なロジックでは、対応できない領域である。

●記事によると、「同省疾病対策課は「二つの病気の患者数は今後も増加が予想され、見直さざるを得ない」としている」という。これも安易なロジックである。

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2006年7月13日 (木)

1日1回のHIV治療薬が米国で認可

●1日1回の服用でよいHIV治療薬が、米国で認可される。

リンク: CBC News: HIV drug combining three medicines approved in U.S..

●HIV/AIDSの治療薬は、何種類もの薬剤を1日何回にも分けて服用する多剤併用療法が基本である。AIDSの発症・進行を防ぐには、まずHIVウイルスの増殖を防ぎ、さらにその強力な薬理作用による副作用を抑える必要がある。そのために、患者は非常に複雑な薬物管理を行なっているのが現状である。

●今回米国FDAが認可した薬剤Atriplaは、3種類の薬剤を1つの錠剤にしたもので、1日1回の服用でよいという。

●ただし、実際には患者は、感染と合併症を防ぐために別の薬剤を服用せざるをえない場合もある。

●また、薬の値段が非常に高く、1か月で1150$(13万円)くらいかかるらしい。

●HIV治療薬はもともと高価ですが、この値段はやはり高いようです。患者にとっては待望の薬であるとはいえ、このことは普及のうえでのネックになると思われます。どの程度普及するのか、注目です。

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2006年3月 3日 (金)

リウマチとリンパ腫の関連性

リンク: Link between rheumatoid arthritis and cancer examined.

●これまで多くの研究で、関節リウマチがリンパ系の癌のリスクを増加させることは報告されていた。

●しかし、関節リウマチがリンパ腫にどのように関係しているかを明確に説明する研究はなかった。さらにいえば、リウマチそのものがリンパ腫を発症しやすくなる原因なのか、それともリウマチに特有な治療が原因なのかがわからなかったのだ。

●スウェーデンのKlareskog博士が75,000人のリウマチ患者と、悪性リンパ腫を罹患した378人のリウマチ患者の医療記録などを用いて、この関係を明らかにする大規模調査を行った。

●結果は、重症のリウマチで、重篤で長期にわたる炎症があり、治療を受けていない患者では、リンパ腫のリスクが高くなることがわかった。

●つまり、リウマチそのものがリンパ腫の原因となるらしい。詳しくはリンク先をごらんいただきたいが、博士は「リウマチには積極的な治療を行って炎症を抑えるほうが、リンパ腫になるリスクは低くなる」と言っている。

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