カテゴリー「がん」の43件の記事

2008年9月22日 (月)

サリドマイド,骨髄腫治療薬として製造販売承認へ

●サリドマイドの国内製造販売承認へ。

●サリドマイドは近年,血液のがんである骨髄腫の治療薬として個人輸入により使用されていた。患者団体などから,骨髄腫としての製造販売が求められていた。

●サリドマイドは1950年代に睡眠薬として発売されたが,妊婦の服用による催奇性が問題となった。

●サリドマイドにはがん治療薬としての効果は少ないという意見もあるようだが,再発性・難治性の多発性骨髄腫患者にとっては,待望の承認である。

リンク: サリドマイド、骨髄腫治療薬として製造販売承認へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●以下引用。「厚生労働省は18日、胎児の四肢などに深刻な障害を生んだ催眠鎮静剤サリドマイドを、血液がんの一種、多発性骨髄腫の治療薬として製造販売を承認する方針を決めた。

 年内にも国内企業による販売が再開される見通しだ。

 同日の有識者検討会で、原則として妊婦の服用を避けるため、〈1〉承認を申請した藤本製薬(大阪府松原市)が患者、医師、薬剤師を登録し、処方量や服用量を管理する〈2〉妊娠の可能性がある患者には処方前に妊娠の有無を検査する〈3〉飲み残さず、不要になったら返却する――などの必要事項を決めた。

 これらが守られていることを監視するため、厚労省や専門家のほか、患者、サリドマイド被害者の代表で構成する第三者評価委員会をつくり、違反があれば処方を中止させる。評価委の運営は国が財政支援し、薬害防止に厚労省が大きく関与する。

 厚労省は承認後、準備が整った病院から段階的に処方を認める方針。保険の適用対象は、推定1万3000~1万4000人の患者のうち再発性・難治性の患者で、治療薬の選択肢が広がることになる。

 多発性骨髄腫に対するサリドマイドの有効性は1990年代後半に報告され、海外17か国で承認済み。国内では2000年ごろから医師が未承認のまま推定800人の患者に処方している。

 サリドマイドは鎮痛剤や胃腸薬として1958年に国内で発売され、つわり止めに使った妊婦の胎児に障害が相次いだ。認定被害者は309人に上り、62年に販売が中止された。

(2008年9月18日20時26分  読売新聞)」

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2007年12月13日 (木)

受動喫煙で肺腺がんになるリスクは2倍

●夫が喫煙者の場合,妻が肺腺がんになるリスクは2倍。

リンク: NHKニュース 受動喫煙 肺がんリスク2倍に.

●国立がんセンターを中心とする厚労省研究班が,たばこを吸わない女性2万8000人を対象にした調査から,夫が喫煙者の場合,肺腺癌になるリスクが2倍高くなると発表しました。

●受動喫煙については,子どもへの影響を懸念する研究もあり,世界的に問題になっていることは周知の事実です。

●一方,本年まとめられたがん対策基本法の「がん対策推進基本計画」では,喫煙率低下の目標値などの設定が見送られています。これはきわめて奇妙にみえます。その理由に,さまざまな問題があるのでしょう。

●ちなみに,JTは上記の基本計画における数値については,当然のことながら,強行に反対しています。反対の主な理由をまとめると,①喫煙は個人が判断すればいい,②個人の嗜好に国家が介入するな,③喫煙者率の減少によりがんによる死亡率が減少するとは限らない,とのことです。

●①②はともかく,③を詭弁です。喫煙者の減少により,がんによる死亡率が減少することは,喫煙者がゼロになるといったことが起こらないかぎり,証明することはできません。

●ところで,喫煙による健康障害に伴う医療費の上昇と,たばこ税による税収を秤にかけた場合,いったいどちらが「得」なのでしょうか?

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2007年12月10日 (月)

原子力発電所の近くに居住する子どもでは,がんの発症率が高くなる?

●原子力発電所のそばに居住する子どもでは,白血病などのがんになるリスクが高くなる?

リンク: Child cancer risk higher near nuclear plants: study | Health | Reuters.

●ドイツの新聞が報道。ドイツ・マインツ大学の研究による。報告自体は,まだ明らかになっていない。

●記事によると,1980~2003年の間に原子力発電所の半径5kmに居住する37人の子どもが,白血病を発症した。一方,その期間の別の地域における統計学的な数値では,発症者は17人だったという。

●別の専門家は,研究は半径50kmに拡大して行うべきで,5kmというこの報告では,問題は正確に捉えられていないと述べています。

●ドイツでは,環境大臣がこの報告を精査することを明言しているそうです。なお,ドイツでは2020年までにすべての原子力発電所を閉鎖することが決定しているそうです。

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2007年5月31日 (木)

がん対策基本計画案まとまるが、喫煙率低減の数値目標は見送られる

●4月に施行されたがん対策基本法に基づく、国のがん対策の具体的目標を定めた基本計画案がまとまった。

リンク: 喫煙率低減で付帯意見 がん対策基本計画案まとまる : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●計画案は、①がんによる75歳未満の年齢調整死亡率を10年以内に20%減、②がん患者と家族の苦痛の軽減と療養生活の向上、目標とし、重点課題として、①放射線療法、化学療法の推進、専門医の育成、②がん治療の初期段階からの緩和ケア実施、③がん患者の状況を把握するがん登録の推進、が定められた。

●この基本計画に基づき、都道府県が具体的ながん対策推進計画を策定することになります。

●1つの問題は、基本計画に喫煙率減少の目標設定が見送られ、付帯意見にとどまったことです。喫煙が、さまざまな種類のがん発生率、およびがん発生にかかわる疾患に影響を及ぼすことはよく知られています。喫煙率の数値が見送られたことは、グレーな印象をもたざるをえません。

●ちなみに、本日の読売新聞のニュースでは、WHOが全加盟国に禁煙法の制定を勧告したという記事がのっています。

リンク: WHO「禁煙法を」 全加盟国に制定を勧告 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●WHOは、飲食店やオフィスを含む公共スペース内を全面禁煙とする法律を制定するように勧告しています。日本では2003年施行の健康増進法で、屋内の受動喫煙防止が「努力義務」にとどめられています。

●勧告書によると、世界で年間約20万人が、職場での受動喫煙によって死亡しているとのこと。「喫煙エリアの設置や換気措置では、受動喫煙の危険度を下げることはできない」としています。

●最近の禁煙運動はやや行き過ぎで、喫煙者の「喫煙する自由」を阻害しているという論調も、一部ではみられます。その意見を理解できないこともありません。ただ、分煙しても受動喫煙の健康被害が明らかであるとすれば、さらなる規制はやむをえません。

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2007年5月30日 (水)

電磁波で血液系のがんになるリスクが上昇?

●鉄道の運転士は血液系のがんになりやすい?

リンク: Magnetic fields tied to railway workers' cancer | Health | Reuters.

●その理由は、どうやら電磁波にあるらしい。スイスの研究者が、鉄道関係者に対する調査を行ったところ、運転士は駅員など、電磁波にさらされることが少ない職に比べて、骨髄性白血病では5倍、ホジキンリンパ腫では3倍、発症率が高かった。

●明確な因果関係はないが、電気の機器やワイヤーなどがはりめぐらされている職場では多量の電磁波が発生していることが、ある種の血液系のがんの誘因になっているのではないか、と研究者は推測している。

●これまでにも、電磁波が健康に悪影響を与える可能性についてはさまざまな研究が行われているが、日々の曝露ががんの発生率の上昇に関連することに関しては、明確な証拠はなかった。

●今度の研究にも明確な証拠といえるものはありませんが、研究者は、今後鉄道関係の機器を開発する際には、できるだけ電磁波の曝露が少なくなるように設計することが必要と述べています。

●またこの研究では、エンジンと運転士の距離や、エンジンの種類などによって、がんの発生率に差が生じていることも指摘されているそうです。

●電磁波への健康被害の因果関係は明白ではありませんが、たとえば携帯電話が脳腫瘍などに影響するという報告もあれば、いや、影響しないのだという報告もあるようです。やはり、少し長い目でみている必要があるのかもしれません。

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2007年5月24日 (木)

塩分を摂りすぎるとピロリ菌が活性化

●ピロリ菌は塩があると活動が活発になる。

リンク: BBC NEWS | Health | High-salt diet link to ulcer risk.

●胃がんの要因といわれているヘリコバクターピロリ、通称ピロリ菌ですが、塩があると、活動が活発になることが判明しました。

●米国の研究者が発表。研究者によると、塩分を多く摂る人は胃がんになるリスクが増加するということはよく知られた事実だが、ピロリ菌の活性化と関連するという知見は初めて得ることができました、とのことです。

●塩分の摂りすぎは高血圧などの要因にもなり、さまざまな病気と関連しますが、人間の生存にとって塩は不可欠であるため、塩をとると「生きる」ためのさまざまな機能が活性化するのだ、という話を聞いたことがあります。月並みな言い方ですが、人間の身体のシステムは奥深いものですね。

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2007年4月20日 (金)

ホルモン代替療法(HRT)で卵巣がんのリスクが上昇

●ホルモン代替療法(HRT)で卵巣がん、乳がん、子宮がんのリスクが上昇する。

リンク: BBC NEWS | Health | HRT linked to ovarian cancer risk.

●HRTは更年期障害の人にホルモンを注射することで、症状を軽減する療法で、骨粗鬆症予防などにも効果があることから、広く行われている。しかし、すでに2003年の研究で、乳がんのリスクが2倍にあがることが知られていて、心疾患のリスクも上昇するなどの報告もある。

●今回の調査は英国の研究者が発表したもので、95万人にものぼる閉経後女性を対象にしている。それによると、HRTを行っている女性では、行っていない女性に比べて、卵巣がんに罹患し、さらに死に至るリスクが20%増加することが明らかになった。

●ただし、卵巣がんのリスクは、HRTを中止すれば数年以内に、標準レベルに戻るという。

●専門家は、特に死に至るリスクが上昇することに注目しています。また、HRTを行う期間は、できるだけ最小限の期間とすべきであると警告しています。

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2007年4月 6日 (金)

がんの治療によって、かえってがんが転移しやすくなる可能性

●がんの手術や化学療法、放射線療法を行うと、かえってがんが転移しやすくなる可能性。

リンク: Treatment may fuel cancer's spread, study finds | Health | Reuters.

●この現象は、臨床的にはよく知られている事実ですが、どうやらその原因の1つは、TGF-βという体内物質(サイトカイン)にあるようです。

●米国の研究者が発表。がんのマウスに化学療法を行ったところ、TGF-βのレベルが上がるとともに、乳がんの肺への転移がみられた。しかし、TGF-βを阻害する抗体を投与したところ、転移は起こらなかった。

●研究者は、TGF-βを阻害する薬物を開発することによって、がんの再発を防ぐことができるだろうと述べています。また、今後は、どの程度TGF-βレベルがあがると、再発や転移が生じるのかを見極めたいとしています。

●もっとも、がんの転移や再発に関連する体内物質は、TGF-βだけではありません。研究者いわく、「TGF-βは氷山の一角に過ぎない」とのことです。

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2007年4月 5日 (木)

赤身肉で乳がんのリスクが2倍

●閉経後の女性では、赤身の肉を食べると乳がんになるリスクが高くなる。

リンク: BBC NEWS | Health | Red meat 'ups breast cancer risk'.

●英国での35,000人を対象とした調査から。一日に2オンス(57g)の赤身の肉を食べている女性では、食べていない人に比べて、乳がんのリスクが56%高くなる。

●ベーコンやソーセージなどのプロセスミートを食べている人では、リスクは64%高くなる。

●赤身の肉とは、豚や牛などの肉のことで、鷄肉は含まれません。

●肉には飽和脂肪酸が多く含まれていて、体内にコレステロールを蓄積させますが、コレステロールは乳がんの発生に関連する女性ホルモン、エストロゲンの原材料にもなります。結果として、乳がんのリスクが高くなるというわけです。

●もっとも、肉をよく食べる人という要素だけで、乳がんのリスクの上昇を説明できるかどうかは、大いに疑問です。年齢、体重、運動レベルなどが、肉をよく食べる人と食べない人では異なることを考慮する必要がある、と専門家は述べています。

●赤身肉とがんの関係についてはこれまでにも、大量摂取で若い女性の乳がんのリスクが2倍になる(米国での調査)とか、ホルモン受容体陽性乳がんのリスクが2倍になる(同じく米国での調査)といった研究があります。

●では、肉を食べなければがんにならないかといえば、必ずしもそうとは限りません。がん予防を考えて、肉から魚に食べ物をシフトしたものの、残念ながらがんになってしまった場合、それはそれで複雑な気分になるかもしれません。

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2007年2月22日 (木)

乳がん、大腸がんのリスク、がん告知、赤ちゃんポストの続報

●ニュースをいろいろ。まず、日本人で乳がんのリスクが高い女性は、高身長、未出産、初潮が早かった女性だそうです。

リンク: 高身長・未出産の女性、乳がんリスク高い…厚労省調査 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●これらのリスク要因は、どれも生来の要素が強く、なかなか予防には役立ちそうもありません。心当たりのある方は、早め早めの検診が必要です。一方、男性で運動や肉体運動などで体をよく動かす人は、ほとんど体を動かさない人に比べて、大腸がんになるリスクが低くなるそうです。

リンク: よく運動する男性、大腸がんリスク3割減…厚労省調査 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●体を動かすと、肥満などのリスク因子を減らすことができるほか、腸の発がんにかかわる生理活性物質を少なくする効果があるとのこと。運動は、今日からできるがん予防といえます。

リンク: がん告知:衝撃少ない告知を 全国で医師対象に講習会--新年度から-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●がん患者の精神的ケアを専門とする日本サイコオンコロジー学会が、医師を対象に、よりよいがん告知を行う講習会を行うそうです。すでに告知技術の習得のためのテキストができているとのこと。がんの告知は、医師にとっては臨床では日常的な問題ですが、患者には非日常的で大きな問題です。こうしたギャップを埋めることに役立つことが、期待されます。

リンク: 赤ちゃんポスト:熊本市が設置許可へ-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●最後に、熊本の病院で設置を申請していた「赤ちゃんポスト」に、設置許可が下りるようです。これから国と最終調整するそうですが、法律上の問題はクリアできたとしても、実際の運用ではいろいろと問題が出てくるかもしれません。個人的には、赤ちゃんポストはよいことだと思っています。世の中には、やってみなければわからないことも、多々あるものです。

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