カテゴリー「児童福祉」の9件の記事

2007年9月10日 (月)

子どもの頃にテレビを毎日2時間以上みると、10代で注意力の低下といった問題が起きる

●1日に2時間以上テレビをみている子どもは、青年期になって、注意力散漫などの問題を生じるリスクが高くなる。

リンク: Too much TV ups kids' risk of attention problems | Health | Reuters.

●ニュージーランドの研究者が発表。1972年と1973年に生まれた1,037の男女を対象に、5歳から15歳までを追跡調査した。

●子どもたちは平均で、5~11歳では約2時間、13~15歳では3.13時間のテレビをみていた。

●若年期にテレビを2時間以上みている子どもでは、10代になって注意力に関する問題を生じるようになり、3時間以上みている子どもでは、リスクはさらに高くなったという。

●この原因について、研究者らは、まず、テレビをみることには多くの注意力が必要となるが、これに慣れると、教室では退屈さを感じるようになってしまうこと、さらに、テレビをみることで、読書やゲームをするといった注意力や集中力を養うスキルを向上させる他の活動をしなくなってしまうこと、を指摘しています。

●研究者は、「私たちはテレビをみるなと言いたいのではなく、テレビを見過ぎてはいけない、と言いたいのです」とコメントしています。

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2007年5月26日 (土)

児童虐待防止法が改正、児童相談所に立ち入り権限

●児童虐待防止法が改正され、児童虐待の疑いがある場合、児童相談所が裁判所の令状に基づいて、家庭に強制的に立ち入れるようになった。

リンク: 児童相談所に権限、改正児童虐待防止法が成立 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●虐待の恐れがあるとみられる場合、都道府県知事が親に出頭を要求できる。

●親が出頭を拒否した場合には、裁判所の令状に基づいて、児童相談所が自宅などに強制的に立ち入ることができる。

●裁判所は児童に親が接近できないように「接近禁止命令」を出すことができる。

●この法律は、2008年4月から施行されます。

●児童相談所は、児童を虐待から守らなければなりません。その一方で児童相談所には、児童と親との関係を再構築するという大切な仕事もあります。こうした関係の構築には、「虐待する側が悪である」という単純な要素だけでは語りつくせないものがあるように思います。法律の施行によって、動きやすくなる面は確かに大きいと思われますが、動きにくくなる面も少なからずあるということにも、留意するべきかもしれません。

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2007年5月 1日 (火)

赤ちゃんポストは「こうのとりのゆりかご」に

●「赤ちゃんポスト」が設置される。

リンク: 「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」が完成 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●赤ちゃんポストについては、以前の記事に詳しく書いていますが、ついに設置されることになりました。

●赤ちゃんポストについては、厚労大臣も総理大臣も「懸念」を示していました。特に総理大臣の懸念は「赤ちゃんポスト」というネーミングにあったようです

●赤ちゃんポストは、現実的に必要な措置です。と同時に、厳しい現実を表す現象です。それだけに、「こうのとりのゆりかご」などという馴染みやすい名前で、現実を覆い隠すべきではないと思います。ともあれ、設置が決まったことを、私は全面的に支持しています。

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2007年3月20日 (火)

介護福祉士、社会福祉士の国家試験、資格取得方法が変わる?

●厚労省が、「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律」を出しました。

リンク: 福祉 - 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案の概要について.

●改正案のポイントは以下のとおりです。
1. 介護福祉士の「介護」を「入浴、排せつ、食事その他の介護」から「心身の状況に応じた介護」に改めるなど、定義規定を見直す。
2. 個人の尊厳の保持、認知症等の心身の状況に応じた介護、福祉サービス提供者、医師等の保健医療サービス提供者等との連携について新たに規定するなど、義務規定を見直す。
3. 資質の向上を図るため、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家試験を受験するという形で、介護福祉士の資格取得方法を一元化する。福祉現場における高い実践力を有する社会福祉士を養成するための資格取得方法の見直しを行う。
4. 社会福祉士の任用・活用の促進を図る。

●大きな変化があるのは、3です。介護福祉士に関しては、すでに報じられているとおり、すべての人が国家試験を受験する必要があります。

●現行、卒業だけで介護福祉士国家試験の受験資格が与えられる養成施設の卒業者に対しては、経過措置として、「准介護福祉士」の名称が用いられます。

●養成施設、福祉系高校ともに、カリキュラムの時間数が増えます。実務経験3年以上の人も、養成施設での学習が必要になり、これには通信課程などにおける学習なども含まれます。

●これらの課程を経なければ、介護福祉士国家試験の受験資格は得られません。新たな国家試験は平成25年1月から開始されます。

●社会福祉士の国家試験の受験資格に関しても、実習等の教育内容や時間数などが増加します。また、児童福祉司等の行政職の人も、養成施設での学習が必要になります。

●また、社会福祉主事で2年以上の実務経験、6月以上の養成課程を経た人には、新たに社会福祉士国家試験の受験資格が与えられます。

●社会福祉士は現在、児童福祉司の任用資格となっていますが、さらに、身体障害者福祉司や知的障害者福祉司の任用資格になります。

●介護福祉士の資質向上と、社会福祉士の活用が改正のポイントになっています。この改正案はよい方向に向いているとは思います。しかし、昨日も書いたように、介護給付費が削減されて介護福祉士の人的コストが捻出することが難しくなっているなかで、そもそも介護福祉士を志望する人が減っているという現状、そして、深刻な人手不足が予測される将来を、あわせて考える必要があります。

●一言でいえば、人的なコストをケチるべきではありません。

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2007年2月25日 (日)

続報赤ちゃんポスト、政府内に慎重論?

●赤ちゃんポストについて、首相などが懸念を示しているというニュース。

リンク: Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 赤ちゃんポスト 首相「抵抗感じる」 政府内に慎重論続出.

●赤ちゃんポストへの懸念をもつのは、人間の感情としては当然のことです。

●ただし、政治家の発言、特に首相の、「ポストという名前に大変抵抗を感じる。子供を産むからには親として責任を持って産むということが大切。そういうお子さんに対応する施設もある。匿名で子供を置いていけるものを作るのに大変抵抗を感じる」という発言には、差し迫った現実に、真摯に向き合う態度があるとは思えません。

●近年の政治家は、厚生労働行政に対する現状認識に、多くの問題があります。また、この国では、憲法が軽んじられる傾向もあります。選挙のこと、特に女性票のことを考えての発言かもしれません。いずれにしても、無責任であるように感じます。

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2007年2月23日 (金)

赤ちゃんポスト、厚労省が認める方向へ

●赤ちゃんポストについて、厚労省は法的に問題はないとの見解を明らかにした。

リンク: 赤ちゃんポスト:厚労省「法的問題なし」-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●赤ちゃんポストの詳細については、以前の記事、また昨日の記事をごらんください。

●自分としては、赤ちゃんポストの設置には基本的に賛成しています。日本国憲法第25条には、すべての国民は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有するとされています。子を捨てる親の身勝手さや倫理感の欠如を指摘するのも大切かもしれませんが、赤ちゃんもまた、日本国に生まれた一人の国民として、最低限度の生活を営む権利を保障すべきだと思われます。

●実際の運用では、さまざまな問題が出てくるかもしれません。たとえば、不法滞在する外国人が子どもを赤ちゃんポストに捨てた場合を想定すれば、反対せざるをえないと述べていた評論家もいました。

●同様のポストはドイツで行われています。赤ちゃんポストが容認されるかどうかは(今回発案した病院は、キリスト教系の病院であるそうですが)、宗教的な問題というよりは、子どもを親の私物とみるか、社会が育てるべき公的な存在とみるかの違いに起因するのではないかと感じます。

●昨日も書きましたが、やってみてわかることもあります。よい方向に向かうことを期待したいです。

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2007年2月22日 (木)

乳がん、大腸がんのリスク、がん告知、赤ちゃんポストの続報

●ニュースをいろいろ。まず、日本人で乳がんのリスクが高い女性は、高身長、未出産、初潮が早かった女性だそうです。

リンク: 高身長・未出産の女性、乳がんリスク高い…厚労省調査 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●これらのリスク要因は、どれも生来の要素が強く、なかなか予防には役立ちそうもありません。心当たりのある方は、早め早めの検診が必要です。一方、男性で運動や肉体運動などで体をよく動かす人は、ほとんど体を動かさない人に比べて、大腸がんになるリスクが低くなるそうです。

リンク: よく運動する男性、大腸がんリスク3割減…厚労省調査 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●体を動かすと、肥満などのリスク因子を減らすことができるほか、腸の発がんにかかわる生理活性物質を少なくする効果があるとのこと。運動は、今日からできるがん予防といえます。

リンク: がん告知:衝撃少ない告知を 全国で医師対象に講習会--新年度から-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●がん患者の精神的ケアを専門とする日本サイコオンコロジー学会が、医師を対象に、よりよいがん告知を行う講習会を行うそうです。すでに告知技術の習得のためのテキストができているとのこと。がんの告知は、医師にとっては臨床では日常的な問題ですが、患者には非日常的で大きな問題です。こうしたギャップを埋めることに役立つことが、期待されます。

リンク: 赤ちゃんポスト:熊本市が設置許可へ-健康:MSN毎日インタラクティブ.

●最後に、熊本の病院で設置を申請していた「赤ちゃんポスト」に、設置許可が下りるようです。これから国と最終調整するそうですが、法律上の問題はクリアできたとしても、実際の運用ではいろいろと問題が出てくるかもしれません。個人的には、赤ちゃんポストはよいことだと思っています。世の中には、やってみなければわからないことも、多々あるものです。

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2007年1月25日 (木)

児童虐待、48時間以内に安全確認へ

●児童虐待などに対応する全国の児童相談所の運営指針が改正された。

リンク: 児童虐待 48時間以内に安全確認 厚労省、防止策強化を通知|子育て|教育・福祉|Sankei WEB.

●厚労省が改正した運営指針は、情報はすべて虐待通告として受理する、できるだけ通告から48時間以内に対応する、兄弟等がいる場合はハイリスク家庭として積極的に対応する、現状を定期的にチェックするなどを柱としています。

●児童相談所で虐待が確認された場合、子どもは児童養護施設に保護されます。しかし、虐待などによる保護の必要な子どもが増えたことで、児童養護施設はパンク状態になっているそうです。

リンク: 児童養護施設:虐待増加でパンク状態、現場から悲鳴-話題:MSN毎日インタラクティブ.

●定員オーバーの施設も少なくないのですが、「職員配置などが施設の最低基準を下回っていなければ、緊急性の高い場合は、保護が優先される」という原則で運営されています。

●現場からは、小学生以上の子ども6人に対して職員1人という30年間変わらない基準を変えてほしいという声があるようです。

●児童養護施設は、以前は経済的な理由や育児放棄などで入所する子どもが多数を占めていたと思いますが、現在は、児童虐待が原因での入所が増えています。社会が大きく変化するなかで、仕組みそのものを再検討する必要があるのかもしれません。

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2006年11月10日 (金)

赤ちゃんポスト設置への賛否

●熊本の病院が「赤ちゃんポスト」(正式名称は「こうのとりのゆりかご」)を設置することになった。

リンク: 養育できない新生児受け入れ、病院に「ポスト」設置へ : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●親が養育できない新生児を、病院が預かるシステムで、病棟の外壁に設けた穴(窓口)に、新生児が置かれると、センサーが感知してナースステーションに連絡がゆく。その後、警察や行政と相談ののち、乳児院に預けたり里親に出したりする。また、親が思いなおして引取りを望むことを想定して、窓口には連絡先を記載した文書を置く。

●病院は、「中絶や置き去りなどで子どもの命が失われることを防ぎ、同時に中絶でダメージを受ける母親を救うためにできることをしたい」と話している。警察も、生命を守るための措置で問題はない、と話しているという。

●腎移植の問題もそうですが、なにやら微妙な問題が続きます。ニュースとしては、事実を伝えた後、「しかし~という懸念もある」と続くのが特徴的です。

●この問題に対する一般の多くの人の声は、「無責任すぎる」「子育ての放棄を助長する」など、否定的なものが多いようです。

●大切なことは、①子どもはすでに生まれているということ、②「世の中にはいかなる理由にせよ、子どもを育てられない人がいる」ことを認めること、ではないかと思います。

●この制度はドイツですでに行われていて、年間1000人の赤ちゃんがポストに置かれるそうです。以前このニュースを聞いたとき、「へえ」と思いましたが、日本で定着するでしょうか? 

●100人の人間がいれば、100通りの価値観、生活観があります。そのことは概念的には了解していても、この国では何か問題が発生すると、「問題のある人」対「残りの人」という対立が生じます。自分と違う価値観、生活観の人間を認められないということが、この国の抱えている根深い問題であるように思います(このことは、「いじめ(傷害・恐喝)」の問題にもかかわります)。

●なお、個人的には「こうのとりのゆりかご」という名称は、「赤ちゃんポスト」という名称に変えるべきだと思います。「いじめ」は「傷害・恐喝」、「援助交際」は「売春」。事柄と言葉をできるだけ一致させるべきです。

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