カテゴリー「再生医療」の5件の記事

2007年12月 1日 (土)

皮膚からヒト万能細胞:そのプレッシャーとリスク

●しばらくお休みしていましたが,本日より再開します。さて,このひと月の間で,最も注目しなければならないニュースは,間違いなくヒトの皮膚細胞から万能細胞を作ることに成功したというニュースです。

●すでに,この研究には政府(文科省)が70億円の助成をすることが決まっていますが,その文科省が,細胞の作製者である京都大学の山中教授から直接意見を聞き,規制の必要性などを検討するとのことです。

リンク: ヒトiPS細胞、作製者の意見聴取…文科省が倫理面検討へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●受精卵を使わなくてもよいということから,倫理的な面でのハードルが低いといわれていますが,いくらでも「悪用」できるということはサルでもわかります。明確なガイドラインをつくり,それに違反した場合には重い罰則を設ける必要があるように思います。医療者は必ずしも善人とは限りません。

●今回の実験の成功すると,すぐに文科省がお金を出すと報道されました。1年前のマウスの実験成功で,政府はすでに十分な準備をしていたのだと思いますが,成果を出さなければならない研究というのは,研究者にとって大きな重圧となるとともに,ある種の危険性を伴うということにも,留意しなければならないような気がします。

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2007年1月 9日 (火)

羊水に由来する幹細胞が発見される

●医療への応用が期待されている幹細胞は、受精卵に由来するものである。受精卵はすでに「ヒト」であると解釈できることから、倫理的な問題が大きいことは周知の事実である。

●この幹細胞と同様の性質をもつ幹細胞が、羊水からも摂取できる可能性が出てきた。

リンク: BBC NEWS | Health | 'New stem cell source' discovered.

●米国の研究者が発表。実験では、受精卵に由来する幹細胞と同様に、複数の臓器に変化することが確認できたという。

●研究者は、こうした幹細胞を使用する可能性について、出産前に何らかの問題があると診断された子どもに対して、この幹細胞を使用してラボで代替組織を培養し、生後にそれを使用する(戻す)ことが考えられるとしています。

●また、理論的には、胎児自身の幹細胞を遺伝子的に変えて、それらを羊水中に注入することで、遺伝子異常を直すことも可能であるということです。

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2007年1月 8日 (月)

皮下脂肪から肝細胞を作製

●皮下脂肪から肝臓細胞が作製された。

リンク: 皮下脂肪から肝臓細胞を作製、国立がんセンターが成功 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●皮下脂肪の10%に含まれている「間葉系幹細胞」という細胞に、成長を促す3種類のタンパク質を加えて40日間培養したところ、ほぼすべての細胞が肝細胞に変化した。

●得られた肝細胞の性質を調べると、薬物代謝酵素など肝臓でしか合成されないタンパク質が14種類以上検出された。肝不全のマウスにこの肝細胞を移植したところ、アンモニア濃度が正常レベルに低下したという。

●受精卵からのES細胞(胚性幹細胞)を用いた再生医療では、倫理的な問題が多いが、この方法であれば、倫理的問題がクリアできるうえ、患者自身から採取した細胞なので拒絶反応も起きないという利点がある。

●研究者は、肝細胞の機能としてはまだ不十分であると述べていますが、かなり期待できる研究のようです。

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2006年12月15日 (金)

ヒトES細胞作製、国内で2施設目が承認される

●ヒトES細胞の作製計画について、文科省が2施設目を承認した。

リンク: ヒトES細胞の作製計画、文科省委が2施設目承認 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●今回承認されたのは、国立成育医療センター研究所。国内では、京都大学再生医科学研究所に続く2施設目となる。

●ヒトES細胞は受精卵に由来する細胞で、身体のさまざまな臓器や細胞になる可能性がある。クローン技術とともに、将来的に医療に応用されることが期待されている。

●受精卵を使用することから、倫理的な問題が大きな懸念となっていますが、今後も研究を申請する施設は増えるものと思われます。ES細胞を使った臓器や組織でしか、治療の見込みのない患者がいます。事柄の説明責任および情報の透明性を、しっかりと保証するシステムをつくることが必要になると思われます。

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2006年11月13日 (月)

幹細胞移植と糖尿病治癒の可能性

●幹細胞を利用して、糖尿病が治療できる可能性が高まった。

リンク: BBC NEWS | Health | Stem cell cure hope for diabetes

●脊髄にある幹細胞は、身体のどんな部分にも変わる可能性がある「万能細胞」で、医療的に利用する大きな可能性があるといわれていることはご承知のとおり。

●このほど米国の研究者が、腎臓にダメージがあり高血糖のマウス(つまり糖尿病のマウス)にヒトの幹細胞を移植した。結果は、移植していなかったマウスと比べて、3週間後には高レベルのインスリンが産生されていたうえ、腎臓の糸球体の機能の改善もみられたという。

●研究者は、「腎機能が改善したのは血糖値が下がったからなのか、あるいはヒトの幹細胞が腎臓を修復したからかはわからない。しかし、幹細胞が膵臓におけるインスリン生産機能を修復するのと同様に、腎機能も改善したのではないかと推測している」と語っている。

●研究者は、糖尿病患者を対象とした治験を行うことで、この機序が明らかになるだろうと述べています。幹細胞の利用に関してはさまざまな議論がありますが、さまざまな疾患を抱えている患者にとって、大きな希望であることは間違いありません。

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