カテゴリー「遺伝子」の13件の記事

2007年9月12日 (水)

デンプンはヒトの進化のエネルギーだった

●ジャガイモなどのデンプンを消化する能力が、地球上において人間が大きな成功をおさめてきた原因かもしれない。

リンク: BBC NEWS | Health | Starch 'fuel of human evolution'.

●という推測が、遺伝子の分析からわかったというBBCのニュースです。

●霊長類と比べて人類は、カロリーが豊富なデンプンを分解するために必要な遺伝子コピーを、多数もっていることが明らかになった。

●このようなカロリーの余剰が、人間の大きな脳に栄養を与えるために決定的な役割を果たしたかもしれないと、米国の研究者が発表。なお、これまでは、肉を食べるようになって、脳に栄養が行き渡るようになったという説が有力だったそうです。

●研究チームによれば、人間は、唾液に含まれるアミラーゼ(デンプンを分解する酵素)をつくるために必要なAMY1という1つの遺伝子を、大量にコピーしているのだそうです。

●また、チームはさまざまな主食の人間のグループを調査したところ、デンプンを主食とする民族は、魚を主食とする民族に比べて、AMY1をより多くコピーしていることがわかったとのこと。

●研究チームは、人間が進化の過程で、カロリーを多くとれるデンプン質の食物(たとえば草の根など)を発見し、さらに、火を利用して料理することにより、容易に摂取できるようなった、と述べています。

●遺伝子分析の成果ですが、言い換えれば、サルがバナナよりもイモを好むようになったら、サルは一歩進化したといえるかもしれません。ね?

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2007年3月12日 (月)

ショウジョウバエで肝疾患の謎が解けるかも

●ショウジョウバエが脂肪を代謝するシステムは、人間のそれと類似していることがわかった。

リンク: BBC NEWS | Health | Fruit flies provide liver hope.

●ショウジョウバエを研究することで、糖尿病などの疾病のメカニズムの理解と、治療に役立つ可能性があるそうです。

●ヒトでは、脂肪の代謝は肝臓で行われています。何らかの原因で代謝が異常状態になると、肥満に結びついたり、糖尿病などの疾患を引き起こす可能性があります。

●ショウジョウバエは、ヒトと同じ遺伝子をたくさんもっていますが、これまでショウジョウバエが、どのように脂肪を代謝しているかは、わかっていなかったそうです。

●この研究では、脂肪の分解が、ショウジョウバエのエノサイトという細胞で行われていることがわかりました。研究者は、ショウジョウバエの脂肪代謝が人間のそれと類似していることを指摘し、新しい薬の開発などに役立つだろうと述べています。

●別の研究者は、この研究は興味深いが、新しい治療法を生み出すには、まだまだ時間がかかると述べています。

●思いっきり基礎医学の研究です。しかし、ショウジョウバエにおける発見を、ヒトに利用するまでの時間は、案外短いかもしれないという気がします。特に理由はありませんが、そう思いません?

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2007年2月20日 (火)

遺伝子診断の簡便な方法が開発される

●30分以内で遺伝子診断ができる方法が開発された。

リンク: 血液1滴で遺伝子診断…理研など 30分以内に完了 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

●日本の研究グループが開発。ある種の遺伝子を高速で増やす特殊な酵素と、それ以外の遺伝子の増加を抑える別の酵素を判別、組み合わせることで、精度の高い遺伝子診断が30分以内に完了する手法を確立したという。

●血液は1滴あれば十分だそうです。記事によると、イレッサが効く人と効かない人の判別ができるなど、がんの遺伝子診断に利用できるようですが、研究が進めば、さらにさまざまな領域にも適用することが期待できるかもしれません。

●なんといっても、特殊な解析装置の必要がなく、方法が簡便であることが重要です。医療の現場では、広く普及しそうです。

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2007年2月19日 (月)

自閉症に共通する2つの遺伝子変化

●自閉症には、2つの共通する遺伝子の変化がある。

リンク: International study finds new autism genetic links | Health | Reuters.

●19か国の研究者が行った5年の追跡研究から。2人以上の自閉症の子どもをもつ1168の家族からDNAサンプルをとり、それらの遺伝子的な類似性を検討したところ、自閉症に関与していると思われる遺伝子の変化が2か所(neurexin 1、chromosome 11)、みられたという。

●自閉症は、遺伝的要素と環境的要素があいまって発症すると考えられているが、その90%は遺伝的要素であるという見解もある。

●研究者らは、この発見によって、遺伝子診断から発症の可能性を予測できるとともに、自閉症の治療の重点を、遺伝子変化を是正する薬剤の開発へと移すことができると述べている。

●患者グループや医師のなかには、この研究が偏っているとみる人もいるようですが、今回の研究は、19か国120人の研究者が参加した大規模なもので、信頼性はかなり高いようです。

●日本では、1000人の子どもの1~3人程度が自閉症であるといわれていますが、米国では、150人中1人が自閉症であると報告されています。日本での実態はともかく、効果的な治療法につながることが期待されます。

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2007年2月15日 (木)

米国の保険会社が、大規模な遺伝子研究を開始

●疾患、遺伝子、環境の関係を明らかにする大規模研究が、米国で行われる。

リンク: Kaiser launches study into genes, environmental disease causes - International Herald Tribune.

●米国のHMOの一つ、Kaiser Permanenteが、疾患、遺伝子、環境の関係を明らかにするために、50万人を対象とした研究をはじめる、と発表。

●同様、同規模の研究はすでに英国で始まっていますが、英国と異なり、50万人分の病歴や家族歴等に関するデータがすでにそろっているので、関係者は英国よりも研究は速やかに行われるだろうと語っています。

●米国のHMO(健康維持機関)とは、いわば、医療保険を販売する民間保険会社のようなものです。米国は日本と異なり、医療保険が政府によって保証されていません。そこで、多くの社員を抱える各企業は、社員の医療を、こうした保険会社に委託しています。

●つまり、HMOもまた、利潤を追求する一企業であり、いかに効率的に保険者の役割を果たすかを考えています。管理医療(マネジドケア)や疾病管理といった手法を導入したことで、その役割を果たしつつも一方で、現場や患者・利用者のニーズを軽んじているという批判もあります。

●欧米ではこれまでにも、企業が遺伝子解析などを行い、そのデータベースを販売するなどの商行為が行われています。今回も、その一環であるといえます。ただし、保険会社、それも米国で一番大きな保険会社が行う研究だけに、影響は非常に大きいのではないかと推測されます。

●個人が病歴、家族歴、遺伝子によってデータベース化され、管理される時代は、遅かれ早かれ、到来するでしょう。Kaiser Permanenteは、データを厳密に管理し、利用者には情報提供しない等の約束をしていますが、およそ秘密は漏れないはずがなく、また企業はあくまで利潤を追求する団体に過ぎないことを考えれば、気休めにもならないと思います。

●今はまだ海の向こうの話ですが、日本でも遅かれ早かれ、こうした動きは始まるものと思われます。医療費が高騰していること、その削減のために予防医療にシフトしていること、生活習慣病やメタボリックシンドロームなど、疾病における自己責任のニュアンスが示されていることなどは、いずれも「布石」となる要素を含んでいるといっても、過言ではありません。

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2007年2月 8日 (木)

ピロリ菌の移動は人類の移動とパラレル

●ピロリ菌は6万年もの間、現代人とともに生きてきたらしい。

リンク: Ulcer bacteria has followed man for 60,000 years | Health | Reuters.com.

●英国、ドイツなどの研究者が発表。ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍の原因となる菌として有名だが、何とこの菌が、6万年も前から、現代人がアフリカから世界に広がっていく動きと並行して、世界に広まった可能性が高くなった。

●ピロリ菌と保有者のDNAを調べ、コンピュータシミュレーションを行った結果から。ピロリ菌の遺伝子的な差異が、人間の遺伝子的な差異を反映していたことが判明した。

●ピロリ菌が発見されたのは最近のことですが、どうやら人類は、昔からこの菌と付き合ってきたようです。研究者は、「この研究は私たちの祖先が何万年もピロリ菌で苦しんできた可能性を示すだけでなく、人類の移住を理解する新たな可能性が出てきたことを示す」と述べています。

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2007年2月 5日 (月)

遺伝性ALSにワクチン開発

●遺伝性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するワクチンが開発されるかも。

リンク: 難病のALSにワクチン、日・カナダ開発 .

●日本とカナダの研究者が発表。現在はマウスで延命効果が得られた段階だが、ヒトへの応用が可能であるとのこと。

●ただし、遺伝性のALSは全体の1割にすぎないが、遺伝子の欠陥が、SOD1という酵素に影響を与え、突然変異を生じ、ALSを引き起こすといわれている。

●今回のワクチンでは、突然変異したSOD1の働きを抑える抗体をつくることができるそうです。

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2007年1月 9日 (火)

羊水に由来する幹細胞が発見される

●医療への応用が期待されている幹細胞は、受精卵に由来するものである。受精卵はすでに「ヒト」であると解釈できることから、倫理的な問題が大きいことは周知の事実である。

●この幹細胞と同様の性質をもつ幹細胞が、羊水からも摂取できる可能性が出てきた。

リンク: BBC NEWS | Health | 'New stem cell source' discovered.

●米国の研究者が発表。実験では、受精卵に由来する幹細胞と同様に、複数の臓器に変化することが確認できたという。

●研究者は、こうした幹細胞を使用する可能性について、出産前に何らかの問題があると診断された子どもに対して、この幹細胞を使用してラボで代替組織を培養し、生後にそれを使用する(戻す)ことが考えられるとしています。

●また、理論的には、胎児自身の幹細胞を遺伝子的に変えて、それらを羊水中に注入することで、遺伝子異常を直すことも可能であるということです。

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2006年9月27日 (水)

アレルギーフリーの猫が発売される

●アレルギーを起こしにくい猫が発売される。

リンク: BBC NEWS | Health | 'Hypoallergenic cats' go on sale.

●米国で、猫アレルギーになりにくい猫が発売された。

●価格は3950ドル(45万円)。米国のAllercaという会社が発売。

●50000匹に1匹の割合で、アレルギーを起こしにくいDNAをもった猫がいるらしい。その猫を選択的に育てることで、アレルギーフリーの猫が生まれるという。発売者は、「遺伝子組み替えなどの方法ではない」ことを強調している。

●米国では猫アレルギーをもつ人は全体の35%にものぼるという。アレルギーがあるが、どうしても猫が飼いたいという人には、朗報です。

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2006年3月28日 (火)

魚肉でできたブタ

●魚に多く含まれる脂肪酸「オメガ3」を多く含むブタが「開発」される。

リンク: Yahoo!ニュース - 共同通信 - 「魚の脂肪」持つ豚が誕生 遺伝子改変でヘルシー?.

●遺伝子組換えとクローン技術により、米国ミズーリ大学などのチームが「開発」。「よりヘルシーな豚肉への第1歩」だそうである。

●ブタの胎児から採取した体細胞に動物に多く含まれる脂肪酸「オメガ6」を「オメガ3」に変換する遺伝子を組み込み、さらにクローン技術を使ったという。

●何だかよくわからないことになっています。そんなブタを食べる気になるかといわれると……。

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